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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
126/821

125P

(どうしてこうなった?)


 そんな風に頭を悩ませる平賀式部だ。ちらっと横を見たら、なんか楽しそうに土いじりをする朝倉静香。最初はそれこそおっかなびっくりだったが、慣れてきたのか、普通に土いじりを楽しんでる。その爪が泥だらけになろうとも関係なさそうだ。


(絶対に弱音を吐くと思ったのに……ギャルだから図太いのね)


 失礼なことを考えてるやつである。一応彼女は先輩だ。だけど、平賀式部は二年くらい上で偉そうにしないでほしい……と常日頃から考えている。だから別に敬意なんて物はない。彼女が部活とかに入らないのも、たかが1・2年上なだけで偉ぶってくる人たちが嫌だからだ。


 けどそもそも、彼女にとってやりたいと思えるようなことがないってのもある。なにせ平賀式部は優秀だ。なんでもそつなくこなせるだけの能力が備わっていた。それに幼いときから沢山の習い事をしてて、実際今でも複数のことを学んでる。


 それに部活で一つのことをやるよりも、その財力を生かして、もっといろんな事を学んだほうが効率やら将来性やらにいい……と彼女は判断してる。今やなんでも学べる時代である。ネットがあれば世界中に繋がれる。


 その御蔭で、どんな知識にもアクセスできるし、平賀式部の立場なら、そのコネとかをつかって、その道の権威というか、そういう人たちに直接教えてもらう事ができた。今なら家に来てもらわなくても、ネット越しでリモートでそれが出来る。


 なので彼女は部活なんて無駄だと思ってる。そして沢山の人達とつるんでバカをやってるように見えるギャルなんて存在は特に……けど観察してると気づいた。基本他人に興味なんてない平賀式部である。


 だから他人を見ようとしもしない。それには下手に平賀式部が見てしまうと、変な勘違いをこれまで起こしてきたからっていう正当な理由もある。なにせ平賀式部は自分がキレイで可愛いと自覚してる。


 けど今回は二人っきりだし、いつ弱音をはくか……と期待してたから、そこそこみてた。あんまり普段は他人を見ないが、平賀式部は観察眼に優れてる方だ。そもそも地頭が良いんだから、他人のちょっとした行動からいろいろな事を読み取れる。その結果、平賀式部は疑問を覚えた。


「えっと……なんでギャルなんですか?」


「なにそれ? ウケるんだけど。どういう質問?」


 なんか屈託なく笑われた平賀式部である。それにウケる――とか言われるのはイラッとくる。でも今の質問ではそうなるか……と反省する平賀式部。なので改めて言い直すことにした。


「先輩……何先輩ですか?」


「あはははは! 本当に私に興味ないね。いや、全員にか。アンタの場合。もちろん、山田にだって興味ない」


「もちろんですよ」


「それって生きてて楽しいの?」


 なんか平賀式部の人生そのものを否定されるような事を言われた。たしかに失礼な事を言ったかもしれないが、そこまで言われるいわれがあるのだろうか? とちょっとムスッとする平賀式部。


「そんなの先輩には関係ないでしょ。失礼先輩」


「ちょっ!? それって私? 私気遣いできる女って言われるんだけど?」


 それはまあ確かに……と心の中で平賀式部は思った。あくまで心の中だけで……である。

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