表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
122/821

121P

「俺たちは通じ合ってる」


「それをいう根拠って何よ」


 ストーカーの定番みたいなことを言う山田奏に対して、朝倉静香はもっともなことを言ってると野乃野足軽は思う。だってストーカーだって勝手に思い込んで自分は恋人とかと言い張るだろう。


 流石にまだそこまで山田奏はいってないとしても、それと同じ匂いを感じる事ができる。


「根拠なんて……俺たちの間には必要ないさ」


「それってかなり無理なことを言ってるって自覚して。どうしたの山田? あんたあの子の事になるとおかしいよ?」


「そう思われても仕方ない。だって、俺たちの事は俺と平賀さんにしか分からないことだから……」


(いやいや、平賀さんだってわかってないって……)


 トイレから覗き見てる野乃野足軽はそう突っ込む。たって平賀さんは山田奏に対して、こういってはなんだが何の思いもない。それは野乃野足軽の望み……とかではない。事実そうだと野乃野足軽は思ってる。


 山田奏はイケメンだ。それこそ、誰もが認めるくらいには格好いい側……見た目をしてる。だからこそ、実際誰かしらも山田奏に対して好意的な感情をもちそうではある。だってそれがイケメンや美少女というものではないだろうか? 


 イケメンや美少女は通常のフツメンやブサイクとは違って、高感度がプラスの状態から始まってる――と思って間違いない。でも……だ。でもそれでも、山田奏に対して、平賀式部が何も思ってないのはまちがいない。


 少なくとも……


(好感度があるわけはないよな……)


 寧ろマイナスだと野乃野足軽は思ってる。それでも、それでもきっと山田奏はそれを受け入れる……なんてことはないだろう。この感じを見てる限り、山田奏は自分が思い描いてる……というか信じてることを絶対に曲げそうにない。そしてそれはきっと朝倉静香も感じてる。


「山田がこんなヤツだったなんて……」


「俺はこんなやつだよ。失望してくれて良い」


「あんたのその、平賀式部しかいらないなんて態度……気に入らない」


 そういった朝倉静香は扉の前から離れて山田奏へと近寄っていく。それに対して野乃野足軽はワクワクした。だってこれって……


(ついに山田先輩に愛想をつかしたんじゃ……)


 と思ったからだ。イケメンが愛想を尽かされる瞬間なんてそう見れるものじゃない。しかも朝倉静香はギャルである。真面目なギャルだけど、ギャルだ。その心は強い。男に対してだって恐れたりしてない。


 


 もしかしたら一日で二回くらい山田奏は打たれるかもしれない……とかいうワクワクを野乃野足軽はきたいしてる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ