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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
120/821

119P

「誰も特別なんかじゃない。朝倉だけじゃない。皆そうなんだ」


「あの子も? 平賀さんもそうなの……」


 朝倉静香の言葉に山田奏は沈黙した。さっきまで、女性を振るのに余裕を見せていた山田奏だが、平賀式部の名前が出た瞬間にその余裕が無くなった?


(山田奏にとって、平賀さんって一体……)


 透視と遠視を組み合わせて二人の様子を盗み見してる野乃野足軽は山田奏が明らかに平賀式部に対して他者とは違う態度を取ってることに不思議に思う。


(平賀さんは何もなかったって言ってたけど……)


 それが本当なのか? って思いつつある。いや、野乃野足軽は平賀式部が嘘を言ってるなんて思ってない。信じたいともいうか……でもあの態度を思い出すと、そういうことじゃないのかなって思ってる。


 本当に平賀式部には山田奏とはこれといった思い出はない。そして平賀式部の認識では幼い頃のご近所さんであって……それ以上でもそれ以下でもない。つまりは山田奏は平賀式部にとってはその程度なんだ。


 けど……


(どうして互いにこんなに思いが違うんだろう?)


 普通は思いって同じくらいになるというか……いやもちろん、こういう学校で、一方的に知ってて、実は見てる……とかいう時間が長いと、一方は知らずに一方だけが思いをつのらせていく……ってのはあると思うが……平賀式部と山田奏は昔にご近所さんってだけで、同じ幼稚園とか小学校とか……そういう情報はない。


 つまりは関わり事態がそこまで多くなかったはずだ。実は親が仲良しで、お互いの家とかに預けられる……とかいう関係でもない――となると、ここまで思いを募らせる事事態が野乃野足軽には不思議でならない。


「彼女は……違う。あの子だけは特別だよ」


 はっきりとそう言い切る山田奏。それに対して朝倉静香が疑問をぶつけるよ。


「その割には今朝、振られてなかった? 実際幼馴染と結ばれるカップルとか少ないらしいわよ?」


「そんな大衆の意見なんて……俺たちの間には関係ないよ。今朝のだってそうさ。俺はあれで愛情を感じたよ」


「え?」


 朝倉静香と同じく、野乃野足軽もトイレで思わず「え?」といった。だってそれを言った山田奏が単純に気持ち悪かったからだ。山田奏は平賀式部が叩いた方の頬をサワサワしてた。


 それも頬を紅潮させて……本当に嬉しそうに……だ。

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