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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
119/822

118P

「私……好き。山田の事……ううん奏の事、好き」


 こんな美しい告白の場面を野乃野足軽は見たことなかった。もしもリアルにBGMがあったら今まさにオーケストラが一斉に指揮者の棒の振りに合わせて雄大な音楽を奏でてることだろう。


 朝倉静香はその大きくした瞳をまっすぐに向けて、そして震える手を隠すように後ろ手にやってる。まあ扉を押さえるって役目もあるわけだが……短めのサイドテールで左右が非対称になってる髪型には適度に髪留めとかアクセントがついてる。それに彼女は瞳の下にシールなのか3つの星をつけてた。


 本来ならあんなのを学校でつけてたら教師に説教をくらうものだろう。でも朝倉静香は普通にしてた。教師が諦めたのか、あんな格好でも中身優等生だからなのか野乃野足軽には分からないが、野乃野足軽が知る限り、何か言われてるのを見たことはなかった。


 勝ち気そうに見える朝倉静香だが、今はまさに始めて告白する少女のように顔を……いや全身を赤くしてる。不覚にも野乃野足軽も「かわいい」と思ってしまった。全然好みなんかじゃないはずなのに、それでも野乃野足軽にもそう思わせる程に今の朝倉静香は魅力的だった。


「ごめんな朝倉。そういうの困る」


「ぶっ!! んぐぅぅぅぅぅ……」


 野乃野足軽はトイレの中から飛び出してぶっ飛ばしてやろうか!? とまじで思った。そこらの男ならこんなカワイイ告白をされたらもしも好きではなくても、思わず「はい」とかいってしまうだろう。


 別にギャルが苦手な野乃野足軽もさえもキュンキュンとしたほどだ。けど山田奏はどうだ? 野乃野足軽もびっくりするほどに山田奏の声は冷たかったように思う。


「私には優しくないんだね」


「ごめん……けど、朝倉だからじゃない。俺は誰とも付き合う気なんて無いから。朝倉は俺のことを優しいって言うけど、俺は振ることは確定してるよ。知ってるだろ?」


「そうだ……ね」


 どうやら朝倉静香はフラれることを覚悟はしてたらしい。あれだけイケメンでそして周囲にはいつだって女性が集まってる。そんな山田奏に彼女が出来たことがない? いやそうじゃないだろう。言葉的には山田奏が自ら彼女が出来ないようにしてる……と野乃野足軽は感じた。なんでわざわざそんな事? 


(イケメンの余裕か?)


 そんなことを考えてまたちょっとイラッとした。

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