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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
117/823

116P

野々野足軽は早速行動に移ることにした。それは放課後だ。幸いなことに、野々野足軽には人を探すための便利な力ってやつがある。自分の教室にいたとしても、野々野足軽なら見えない相手を追うことなんて簡単だ。けどただ教室にいるだけだと不自然だからトイレの個室にいる。


「なるほどなるほど……」


 野々野足軽は行動が早いと思った。誰が? といえば、それは山田奏……ではなくて彼のファンというか、彼に好意を抱いてる女子である。しかも……だ。どうやらそれは女子の中でも人気がある人みたいだ。彼女の名前は「朝倉 静香」なかなか雅な名前をしてるが、ギャルである。


 まあギャルと言っても、誰もを威圧するようなそんなギャルではないらしい。成績優秀で、誰にでも優しい……みんなから慕われてるギャルという稀有な存在だ。そんなギャルである朝倉静香が山田奏を呼び出してる。いや、厳密には違うだろう。


 二人は放課後も元から一緒にいた。そしてどうやら教師に頼まれごとをされたらしいと観てて野々野足軽は思った。何やらダンボール的なものを持って、二人でおしゃべりしながら目的の教室まで辿り着いて、そこに持ってきた段ボールを置いた。そして山田奏はさっさと外に出て行こうとしてた。


 けどそこで、朝倉静香は扉の前に立って山田奏が出ていくのを防ぐ。


「どうした?」


 そんなことを言う山田奏。それに対して、さっきまでいつもの調子で話してた朝倉静香は何も言わずに後ろ手で扉を押さえつけてちょっと下向きになってる。そして何やら体をモジモジとさせてた。


 そして……


「私達、友達……だよね?」


 といった。すでに雰囲気が変わったことを山田奏は察してる。だからそれに躊躇わずに「そうだね」と返す。それを聞いて、朝倉静香は後ろ手で手を握る。でもそれは彼女が選んだことでもあった。そしてうまくいってた。


 今日までは。


「私達、上手くやってきたよね」


「朝倉には感謝してる。朝倉がいたから、変なゴタゴタとかわりかし少なかったし」


「そうね。あんたは優しいからね。それがあんたの一番悪いところね」


「反省してる」


「嘘ばっかり」


 そんな会話をしてる。そんな様子を野々野足軽はドキドキとしながら男子トイレの一室で見てた。甘酸っぱい空間と臭い空間……この差はなんだ? と思ってた。

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