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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
113/834

112P

「それは……」


 野乃野足軽が山田奏を平賀式部が打ったことを聞いたら、ちょっと予想外の反応だった。野乃野足軽は平賀式部だから「それがなにか?」とか「なにか問題でも?」的な反応が帰ってくる……と思ってた。けど違った。


 平賀式部は流石に殴ったのは悪かったと思ってるのかもしれない。教室での態度とか、先輩への態度とか見てたらそんな事全然ないのかと思ってた野乃野足軽だが、どうやら違うらしい。


 平賀式部は顔を逸して掴んだ髪の束をもって、なんか顔を隠そうとしてる。それがちょっと……いやかなり可愛いと野乃野足軽は感じてた。


(反則だろこれ……)


 ――と心のなかで思ってる。


『すみません』


 なんかなぜかわかんないが、アースが謝ってきたことに野乃野足軽は困惑する。


(いや、何が?)


 当然何なのかわかんないから、野乃野足軽は頭の中でそう応える。だって今の「反則だろ」は意識してないのに可愛い事をやってしまってる平賀式部に対しての感想だった。なのになぜかアースが反応した。野乃野足軽には困惑しか無い。


『いえ、実は彼女がいつも食べてる物が美味しそうだったのでつい……』


(え、食べたのか?)


『いえ、彼女の味覚をジャックして堪能してました。すみません』


「そんな事してたのか……」


 なんか平賀式部が食べてる時は静かだとおもってた野乃野足軽。前は「あれはなんですか?」とか「後で食べに行きましょう!」とかいってたのに……どうやらアースは野乃野足軽と平賀式部の経済事情やら家庭のランクの違いにようやく気づいてきたらしい。


 まあけど、実際味覚ジャックが野乃野足軽の想像する通りのことなら、勝手にしてろ……と思った。けど一つ、野乃野足軽は確かめておかないといかないことがあった。


(それって何か悪い影響とか無いんだよな?)


『それに対しては問題ないです。なにもする気はないので』


 


 それは暗にやろうと思えばなにか出来る……ということと同義では? と野乃野足軽は思った。


『大丈夫ですよ。彼女にはこれからも美味しいものを私のために食べてもらわないと困ります。それに美味しいと感じる彼女自身が必要ですからね。下手に味覚を鈍感にすることもないでしょう。そんなのはデメリットにしかなりません』


(変なことしなければいいけど……)


 なんかアースと喋りながら、平賀式部が広げてる弁当……そして彼女が使った箸に目が行く野乃野足軽。さらにはその顔の、今は見づらい口元をみる。髪に隠れてるが、その唇はつやつやだ。


(味覚……か)


 野乃野足軽はそれを共有したらどういう感じになるのかちょっと想像して罪悪感を持った。

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