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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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101P

結論から言うと、平賀式部と山田先輩の関係は幼馴染というよりも、昔近所に住んでた間柄で、別にそんな頻繁に遊んでた……とかいう感じではないらしい。幼馴染というと親同士が仲よくて、幼い時はいつも一緒にいたとかさ、それこそどっちかの家に入り浸ってたとか、一緒によく旅行をしてた……とかそんなのがあるのが幼馴染という感じだと思う。


 けど二人はそうではない。本当にただ近所にいました――という感じだということだ。だから知り合いというのもどうかというほど……本当にただのご近所さんだったということだった。


 つまりは桶狭間忠国がいってた事が真実だった……ということだった。実際、幼馴染の定義って奴はないだろう。何がどこまで親しいとしたら幼馴染なのかっていう定義はない。だから山田先輩が「俺たちは幼馴染なんだ!!」と言い張ればそれは幼馴染になってしまうのかもしれない。


 実際、幼いときに会ってるのはそのとおりだし。でもその関係性はご近所さん以上でも以下でもない。


「でも、幼い時って行動範囲とかすごく狭いし、近所に年の近いやつがいたら自然と遊ぶようになるような気がするけど?」


 それが自然ではないか? と野乃野足軽は思った。だって行動範囲って年とともに広がると思ってる。最初はそれこそ家の中、それから飛び出せるように少しずつ広がっていくものだろう。


 そうなると近くにいる年の近い奴ってのは自然と一緒にいるようになるものだ。だってやっぱり親とかとは子供みたいな遊びはしないだろう。時々付き合ってくれる……とかはあると思うが、子供なんてのは毎日毎日遊んでるようなものだ。


 それにずっと付き合える大人なんてのはニートくらいだろう。だからどうして、その自然な事が起こらなかったのかな? という気持ちで野乃野足軽は聞いたんだ。実際、山田先輩が平賀式部の幼馴染になることあったんだ。いや、普通ならなってるだろう。そうして二人は互いに惹かれ合って……けど幼馴染の関係性が心地よくて、お互いに思ってるけど、その距離感を壊したくなくて、そのままの関係だけど実は……みたいなのがあったかもしれない。


 でもそんなのはないらしい。


「それは私もあの人も、それなりに裕福な家庭だったからじゃないかしら? 私もあの人も幼いときからそれなりに習い事もしてたし、付き人とかいたもの幼い時は、それこそ逆にいつだっていろんな所に付き合わされてたわ。


 それこそ海外とかね。向こうもそうなんじゃない? だから時々見るときがある……みたいなものだったもの」


「なるほど……金持ちは近所でなんか遊ばないと……」


 そういう世界もあるのかと……野乃野足軽は思った。金持ちなんてなんて羨ましいんだろうって思ってたわけだが、平賀式部の幼馴染になれなかった山田先輩はご愁傷さまと心のなかで思ったのだった。

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