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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
100/823

99P

「いない?」


「はい、えっと平賀さんは具合が悪くなった……ええっと……そのクラスメイトを介護して保健室に四時間目の間に行ってしまって」


「それから戻ってきてないと」


「はい」


「そうなんだ……ありがとう」


 事情を聞いた山田先輩はこの教室にもう要はない。ということで立ち去ろうとする。けどここでこのクラスの女子達……しかもクラスカーストが上の方の肉食系の女子たちが動いた。


「あのー山田先輩。せっかくなら私達とお昼ご一緒しませんか?」


「そうですよー、保健室とかだとお昼が美味しくないですよ~」


 そう言ってこのクラスの女子達……クラスカーストが上位の派手めな女子たちが山田先輩を逃すまいとその前後左右を抑えだす。なにせこの学校でもかなりの人気を誇る先輩である。学生はそれこそ一年・二年の差は大きい。それだけ大人っぽく見えるものである。


 けどそれは結局あこがれの対象という枠から出ない。それこそ同じ部活に所属してないととかしないと、同じ学校に通ってるとしても、接点なんて生まれない。それだけ学生の学年の壁は大きいのだ。


 自分から声を掛けにいくなんて下級生ではできない。上層階に行くのだって、移動教室とかなにか用事がないと行くことなんて出来ないくらいだ。なのでこれはチャンスだった。憧れのかっこいい先輩に近づくチャンス……それを逃すようなら、肉食でもなんでも無い。


 というわけで、彼女たちは獲物を逃す気はないようだ。それに……だ。彼女たちはどっちかというと、平賀式部をよく思ってない。平賀式部は孤高の存在だった。でもそれでも、彼女たちは自分ひとりでは平賀式部には太刀打ちすることも出来ないともおもってるのだ。 


 いくらメイクを磨いて、スタイルを気にしても、天性の華がある人物にはどうしても自分が劣って見えるというものだ。平賀式部はそれこそメイクだって最低限だし、スタイルは制服ではよくわからないが、太ってはない。でもスカートから伸びる脚は長くてきれいだ。極端にミニでもないスカート丈でも、男子はその脚を追ってしまうくらいに……


 そしてそれに気づいてもない平賀式部にも苛ついたりしてる。自分たちはどれだけミニにして、その身を犠牲にしてるというのに……太ももなんてほとんど見えてる状態だと言って良い。


 階段では常に中を気にしないと行けないし、もしも見えたとしてもダサいのを履いてるなんて知られては行けないから、そこにだって彼女たちはお金を掛けてかわいい下着を買ってるのだ。


 実際そんな勝負を仕掛けてるのは彼女たちだけの都合で、全くもって平賀式部には関係なんてないが、それでも彼女たちは平賀式部の上に立ちたいとおもってたのだ。


 そしてこのチャンスである。もしも……この山田先輩を彼女たちの誰かが物にできたら……それこそ明確な勝利といえる……と彼女たちは考えた。だからこそ、ここぞとばかりに彼女たちは女の武器って奴を使って山田先輩へとアピールしてる。

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