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婚約破棄がはじまらない!!  作者: りょうは
'ラブファン~side M~
68/132

57’.実は大騒ぎでして… ~side H~

オーギュストたち一行はアルバートと共にスティルアート領の畜産地域や農地をまわって王都へ戻ることになっている。


元々今回の目的は殿下のための息抜きのようなもので、それほどかしこまったものではなく、重要な会議があるわけでもないのんびりとしたものなのだ。




大きなトラブルもなく2日間の滞在は終わりハロルドは安堵の溜息をつきたい気分ではあるが、この状況ではそうもいっていられないだろう。


ハロルドの執務室には息子のアルバート、オーギュスト、オーギュストの執事であるオリバーに数人の従者のみで報告会を始めるところだ。



「きみたちのおかげで随分と楽しめたよ。礼を言う」



年相応をはるかに上回る落ち着きを放ったオーギュストは優雅にハーブティーをすすった。


夜なのでリラックス効果のあるハーブティーを、と届けさせたのはメアリーだった。



香りのよいそのお茶は緊張しきったからだと頭を程よく解してくれる。メアリーの気遣いに少しだけ感謝しながらオーギュストは人知れずほほ笑んだ。



「は、はぁ…それは…お喜び頂けて光栄で…」


一方でハロルドには香り高いお茶を楽しんでいる余裕はなかった。


ここ数日の激務に次ぐ事件を鑑みればそんなことをしている余裕はない。



とはいえオーギュストはお茶を気に入ったようなので娘の気遣いに心の中で涙した。



メアリーにもそういう気遣いができたのだと。ただの我がままお嬢様というわけでもなかったようだ。


あぁみえてよく気が付く子なのかもしれない。

できればそういうところを伸ばしていってほしい。




「で、僕とルイが楽しんでいる間ハロルドたちの方は大騒ぎだったみたいだね」


「えぇ…まぁ…」


本題を切り出されてハロルドは口の中に苦いものが広がった。



皇族貴族には付き物とはいえ、自領の失態を詳らかにされるということにあまりいい気持ちはしないが、オーギュストはお構いなしに話をつづけた。



「歓迎会の暗殺未遂、街での強襲未遂、動物園の不審物、だったかな。他領や王都のときより少ないし被害もないことはスティルアート領の警備の高さ故だね」


「お褒めにあずかり光栄です…」


「あとはこれだけのことがありながら僕とルイは無傷なうえ一切表に出すことなく処理しきっている。その点に関してもスティルアート領の評価はとても高いよ」


「重ね重ね…」


思わぬオーギュストからの高評価にハロルドは安堵した。王都であったら重箱の隅をつつくように責められていただろう。


被害がなかったのだから良いというわけではなく、ただ奴らはスティルアートを叩く材料が欲しいだけなのだから。



手元の報告書をペラペラとめくりながらオーギュストは楽しむようにスティルアート領への評価をまとめていく。


オーギュストをはじめとする皇族が警備の厳重な王都を離れるときは必ずと言っていいほど命の狙われる。



年々魔道具の改良によってその手法は巧妙化しており、騎士団とのイタチごっこが続いていた。


そのうえ最近は少しでも皇族らに被害があると警備の甘さを批判され、皇帝とその側近らで行われる次期皇帝選考への評価にも直結するためオーギュストらも気が抜けないのだ。


命を狙われているのは自分達なのに批判までされてはたまったものではないが、地方訪問や行事においては何事も起こさず全て穏便に済ませることが最も求められる。




「では詳細について伺おうか。兄らはともかく、僕は自分の身に降りかかってきた厄災は知っていたいタイプなんだ」



オーギュストの一声で報告会は開始され、アルバートが手元の書類を読み上げる。



「はい、まず初日の歓迎会です。会場には大輪のユリが設置される予定でした」


「へぇ」


オーギュストがおもしろがるように報告書に目を向けた。その花は一体何の関係があるのか?


オーギュストの好奇心は増すばかりだ。



「しかし会場にユリの花は置かれませんでした」


「そういえばなかったね。見事な装花が置かれているのは覚えているけど…」


「はい。直前でメアリーがユリの花を嫌がって別の花に変えさせたのです。それであの装花が置かれていました」



「そうだったんだ。会場の設営はさぞ大変だったろうね。で、このユリの花がどうかしたのかい?」


「この花には毒が噴霧される魔道具が隠されていたそうです。当日の会場が慌ただしく警備が手薄になることを見越した罠でしょう」


「毒?!それでは招待客全員が犠牲になるではありませんか!!」


オーギュストの背後で静かに控えていたオリバーが思わず声をあげた。オーギュストの執事である彼はオーギュストの身の危険に関しては殊更強く反応する。


興奮するオリバーを静止してオーギュストは視線で促すと、心得たとアルバートは小さく頷いて続きを読み上げた。



「おっしゃる通りです。これは殿下たちの暗殺と同時にスティルアート領の失墜を狙ったものだったと報告が上がっています」



「なるほどね。たしかに歓迎会にはスティルアート領の貴族たちも招かれているしそんなことになったらこれまで築いたスティルアート家の信用は地に落ちる」



「同時にスティルアート家は当主をはじめ主要な後継者を失うことになりますから財も領地も全て失っていたでしょう…そうなればオーギュスト様派の貴族らも地盤を失う…なんと悪質な…」



結局未然に防がれたからよかったものの、もし計画が実行されていたときのことを思うとオリバーは背筋が凍るようだった。


水面下で徐々に激しくなる次期皇帝選考は皇子を支持する貴族らにも大きく影響を与える。



オーギュスト派の最大支持貴族であるスティルアート家に万が一があればオーギュストを支持する貴族らにも何かしら影響はあったはずだ。


オーギュストの命が助かったとしても派閥が瓦解しては次期皇帝への道は閉ざされたも同然である。




「それを直前で防いだってわけか」



ユリの花を返却している最中に魔道具に気が付いたメイドと執事たちが警備兵に通報し、速やかに魔道具は機能を消失。


花屋を通じて魔道具を仕込んだ犯人逮捕に至った。



魔道具を仕込んだ犯人は花屋でもメイドや執事らでもなく、花を運搬した業者に扮した雇われの暗殺者だったそうで当日の配達担当者と入れ替わっていた。



執事やメイドたちはともかく、花の配送担当者までは厳しく身元の調査を行わないことを見越しての計画だった。


最も身元確認を行なっていたとして犯人の持ち物から偽造された身分証明書がみつかっているため見抜くことは難しかっただろう。



「このほかにも警備兵たちが発見した暗殺者や不審物もみつかっておりますが全て会場に持ち込まれるには至っておりません」



「それで歓迎会は無事に終了。ルイも僕も楽しむことができたんだね。じゃあ次を」


「はい。殿下がスティルアート領に入った2日目、街と動物園を訪問されたときです。ここで10ほどの暗殺者を捕縛いたしました」



「そりゃあ…まぁ随分な数だね…そんなにいたのかい?」



10、という数字を聞いてオーギュストは少しだけ目を見開いた。



それは単純に人数と言う意味ではなく複数人で強襲を目論んでいた連中もいるのだろうから人数で数えたらもっと多いだろう。


今のところ裏で糸を引いている人数がわからないので捕まった数という意味だと捉えた。



それにしても、人目に触れる上に来訪者の制限や道を規制しないよう指示していたとはいえ、複数人から命を狙われていたとあれば多少は気づいても良さそうなものだ。



王都であればありえない失態にオーギュストは内心瞠目していた。



「我が領地内のことでお恥ずかしいのですが…スティルアート領の住人たちは移民が増えたことであまり見かけない人がいても不審に思わないのです。


たださすがに警備兵とウチの影たちの目は騙せなかったようで捕縛に至りました」



「そういえばあの時はルート変更をよくしていたね。そのせいかい?」



「まさにそのとおりです。どこかから当日の街の訪問ルートが漏れたようです。僕がもっと警備計画をしっかりと立てていればこんなことには…」



アルバートが眉を下げて悔しそうに言うが、オーギュストは特段珍しい事だとは思わなかった。


事前にどれだけ訪問ルートや計画を漏れないようにしていたとしても、あぁいう連中はどこからともなく情報を手に入れるのだ。



特にスティルアートの住人たち、ハロルド、アルバートを責める気も起きず、むしろ穏便に全てを済ませた彼らに敬意さえ抱いていた。



もし警備兵や街の住人らが新聞記者に不審人物を捕らえたことを話していたら大騒ぎになっていただろう。


彼らはきな臭い情報に目がないのだから。




「途中に起きたルート変更によって強襲計画に支障が出た結果、連携が取れず警備兵たちに見つかったと証言しております。


他領であれば皇族の訪問ルートは細かく計画しますので滅多に変更なんて起こりませんから」



ハロルドも皇帝の側近として今のアルバートと同じように地方の訪問に同行した経験は幾度とあるが、その全てで分刻みのスケジュールが立てられ警備計画が練られていた。


それを直前、しかも訪問の真っ最中に変更するなんて考えられないことだったのだ。



メアリーの発案だが、警備兵を始め影たち、そしてハロルドらもも大いに慌てた。




「そして動物園だね。正直あそこが最も危険だと思っていたんだ。新設の施設だし訪問者も多くいただろう?」



「はい。それについては我々も同様でした。特にメアリーは気合の入り方が違ったようで朝になって急に訪問客の手荷物検査を行うと言い出したり…」




動物園のプレオープンは基本的にスティルアート家が安全と判断した貴族や動物園のスポンサーとなった商会に限られた。



あまり馴染みのない手荷物検査を実施する事自体が異例だというのに、貴族らは急に検査をするなどと言われてはプライドが許さなかった。



自分達を疑っているのか?無礼である、という押し問答が繰り返され、オーギュストら到着するまでの間に彼らを説き伏せるために動物園側も苦労したそうだ。



ハロルドも彼らを信用していないわけではないが、いざ実施してみると持ち主も身に覚えのない魔道具が複数みつかっているので実施していなかったときのことを思うとゾッとした。



幸い誰もオーギュストらの暗殺を企んでいたわけではなくいつのまにか同行したメイドや執事、夫人の手荷物の中に見知らぬ魔道具が紛れていて、証言によると動物園に来る直前怪しい人物に声をかけられたことがわかった。



会話の内容もありふれたもので特徴もない。


ただハンカチを拾ってもらっただけとか、少し肩が当たったとか、その程度なので気にも止めていなかったのだ。



「動物園の訪問時間が延びることもあって警備をさらに厳重にしていました。


そのため動物園に入ることもできなかった者や新聞記者に紛れていた不審人物はメアリーが仕込んだ同じく新聞記者に扮した警備兵たちに捕縛されています」



「新聞記者に紛れ、って…あの中に警備兵がいたのか…」



オーギュストはカメラを構えてギラギラとした視線を送る記者たちを思い出して少しだけ呆れてしまった。


警備兵とは真面目で寡黙、質実剛健、堅実な者たちが選ばれる。


とても飢えた肉食獣かハイエナのように新たなネタを追い求める記者とはイメージが合わない。



「厳密にはうちの暗部組織である影たちです。彼らはその場に合わせて自分たちを変えることに長けていますから」



「あぁ…噂にきくスティルアートの影か…」



スティルアート家の騎士団は有名な話であるが、影については一部の人間しか知らない話だ。


大きな貴族であれば暗部を持っているものであるが、スティルアート家のそれは他と一線を画すると、オーギュストは聞いていた。


あくまで、噂でしかないが。




「で、大活躍だった我が婚約者殿だけど…オリバーはみていてどう思った?」


「はい。さすがスティルアート家のご令嬢とでも言うべきでしょうか…公の場での振る舞いに関しては既に成人した貴族のものと言って差し支えないかと」


「すいぶん褒めるね。でも彼女はずいぶん巷では悪評高い令嬢だと噂だよ?」


意外そうに口元を緩ませオーギュストは先を促した。


一見温厚そうに見えるオリバーであるがその内面は自分に厳しく他者にも厳しい。


特にオーギュストの周囲については評価が一層厳しく年長者として年若いアルバートやユリウスを厳しく指導することもあるほどだ。


そんなオリバーが手放しに誉めるということは珍しく、オーギュストの興味を誘った。



「言動に関してはたしかに今後改善の余地はあるでしょう。


が、殿下に過度な接触を取らず常に控え次期当主であるアルバート様の裏方に徹するご様子は『理想的な淑女』と判断できます。将来の殿下の伴侶としては理想的ではないでしょうか?」


「なるほどね」



オリバーの言うことは最もだった。


どうしても自分と同じくらいの女の子というのは自分の目を引こうとあれやこれやと、かまいたがり話したがり鬱陶しいことこの上ない。


自分も婚約者候補の椅子を獲得しようと躍起になっているのがまるわかりでオーギュストとしては常に愛想笑いという苦痛を強いられていた。



しかしメアリーはどうだっただろう?自分の背後に控え何かあれば即座に対応する臨機応変さをみせながらそれを主張してくることは一切ない。



警戒心が薄れるほどに王都や他の領地では感じたことのない快適さで思う存分に知的好奇心を満たすことができた満足感がオーギュストの中には生まれていた。


心地よい解放感と満足感。


オーギュストにとっては生まれて初めて感じたものだった。



「しかし殿下の伴侶としては理想的でも『9歳の女の子』としてはそれはどうでしょう?」


「なに?」


「…」


オリバーの鋭い指摘にハロルドが膝の上で拳をギッ握った。

痛いところを突かれたのだろう。


表情こそ変化がないことはさすが政治の中枢で戦ってきただけはある。


「殿下もお気づきでしょう。メアリー様は今回、国民誰一人として犠牲を出すことなく殿下たちを守りと押して見せました。


本人に自覚があるかはともかく。


通常9歳の女の子といえば殿下の興味を惹きたくて仕方ないものです。


まして自身で暗部組織を指揮するなんて考えられません。スティルアートの教育の高さを評価すべきなのでしょうが…


…私の目には彼女の生来もった素質ではないかと思います」



「それは確かに僕も感じていたよ。彼女は他のお嬢様たちとあまりに違いすぎる。


今回の街の衛生状態だって彼女の指揮であそこまでやり遂げたのだろう?」



「…はい。街の衛生計画や公共施設、道の改修にいたるまで全てメアリーが役人たちを指揮して行ったものです」



「9歳の女の子にそんなことできると思うだろうか?」



スティルアート領に実際に来てみて、オーギュストは何度も驚いた。


まずは道だ。魔車を使っているせいかと思っていたが街を歩いてみると綺麗に整えられガタツキや段差、穴が開いていない綺麗な道。


糞便どころかゴミ一つ落ちていない、上下水道が整備された街とそれらを彩る花や植木。異臭の一つもしない。



そして動物園という先進的な公共施設。動物愛護の観点から多くの反対があったと言うが、それを押し切っての開業。蓋を開けてみるとそこは先進的な教育施設であった。


これから動物園という名を借りた研究施設にするということは内部の設備や環境をみれば一目瞭然だった。


畜産が盛んなスティルアート領において家畜の飼育の研究所とするつもりなのだろう。もし機動に乗れば今以上の生産量を望むことだって可能だ。




「…スティルアート家では御家創立のときより人材不足でしたから魔法が使えるのならたとえ幼い子どもであろうと仕事を行っております


…アルバートもメアリーくらいの歳の頃には既に殿下の側近として、私の仕事にも就いておりましたから」



「苦しい言い訳だね。嘘はないけど、彼女のそれは一線を画している」


「…」



「僕としては彼女をどうこうしようっていう気はないから安心してよ。優秀な女性が伴侶となってくれることに異存はないしありがたい話だからね」



安心させるように言うとハロルドはホッと肩を撫でおろした。


しかし、


「でも僕は彼女が何者なのか、には興味があるんだ。まぁこれからじっくり調査させてもらうかな」



スティルアート家の当主としてはこのままメアリーが婚約者候補として在ることに安堵を覚えるが、父としてはメアリー同様に同世代とは一線を画した皇子が興味を持ってしまったことが気が気でならない。



特にこの皇子の父親は一度気に入ったら地の果てまでしつこく追いかけ、一度手にしたら相手が根を上げようと絶対に何が何でも手放さない粘着質な男であった。



その父親の血を色濃く引く息子が一体何を企んでいるのか…。


ハロルドは新たな不安材料に胃のあたりがきりきりと傷む気配を感じる。



どうしてこの兄皇子は母親の聡明さと強かさ、父親の性格に粘着質という組み合わせを引いてきたのか。


弟は母親の美貌と優しさに父親のひたむきさを受け継いできたというのに。



とうのオーギュストは新しい本か魔道具を入手したときのように上機嫌で今にも鼻歌でも歌い出しそうなほどだったが、それが純粋な楽しさではないことは確かだった。


そして、オーギュストの小さな変化に恐らく彼の執事であるオリバーも、本人ですら気づいていない。


ハロルドは友人であり主でもある皇帝にオーギュストの面倒をみるように言われたときのことを思い出した。


『あいつが一番俺に似ている。俺の扱いはおまえが一番うまかった』


周囲はオーギュストの母親であるクラリスとハロルドの妻が親友であった繋がりからスティルアートはオーギュストを支持していると思われているが、実際は少し違う。


ハロルドも主の命令であったりこの幼い皇子が友人の過去と重なって心配なことが理由の大部分として大きい。



「娘は少し大人びているかもしれませんが殿下と同じ9歳のただの子どもですよ…」



「なんだ、父親としては心配かい?


いいじゃないか。僕の結婚相手なんて兄らに比べたらよっぽど優良物件だよ?


仕事さえしてくれたら何も要求しない。好きにしてくれてかまわない。


あれをしろこれをしろって命令する気もないし」



「調査なんて難しいことを言わずにふたりとももう少し仲良くなったらいいんじゃ…。

これを機に連絡を取り合ってみるのはどう?


メアリーは婚約者候補な訳だし不自然ではないよ」


アルバートの無邪気な提案にオーギュストは明暗を得たと言わんばかりに頬を緩ませた。


「仲良く、かぁ…考えたこともなかったなぁ…うん。良いかもしれない。早速僕の連絡鏡をメアリーに渡しておこう」


オリバーは手配します、と短く答えた。



「たしかにウチのを使って調べるより僕が直接調査したほうがより多くの情報が得られる」


「だから調査なんてしなくても…」


「同じようなものだろう?」


悪気なくそう言うオーギュストにハロルドは娘の父親として不安を覚えた。


スティルアートの当主としてはオーギュストがメアリーに興味を持ったことは喜ばしいのだけどそれは好奇心や興味の一環でしかない。


どうせ結婚するなら自分達と同じように幸せな結婚をと僅かには望んでいるが、貴族に生まれたのならそれは難しいことだったのかもしれない。


どうか奇跡が再び起こってほしいものだと、望まずにはいられなかった。



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