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能力者か無能力者か  作者: 紅茶(牛乳味)
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23話

「それで、相談って?」

「実はな。また新しい作品が完成したんだ。ただ、何か足りない」

「何か? それを知りたいとか?」

「いいや。ほら、前に話しただろう。俺の悩み」

「ああ。シナリオがあんまり上手に書けないんだっけ?」

「そうだ。そしてやっぱりうまくシナリオが書けない」

「うーん、そう言われても僕もシナリオを書いたことなんてないしなあ。力になれるかどうか」

「いいや、ここはお前の意見を聞かせてもらおう。これが今回のシナリオだ」

 そう言って僕にA4用紙を渡してくる堂次郎。

「僕はよくわからないけれど、シナリオってA4用紙一枚で済むようなものなの?」

「う」

 痛いところを突かれたようで、表情を一層険しくする堂次郎。というか、A4用紙も半分くらいまでしか書いてないし。

「......ま、まあ、今回のゲームは短編だし、な」

 僕に向かってというより、自分に言い聞かせるように呟く堂次郎。本当にシナリオを書くことが苦手なようだ。

とりあえずざっとシナリオを読んでみると、......確かに、これは面白くない。まとめると、内容は王道ファンタジー。魔王を倒すために勇者が冒険をして、魔王を倒す。それだけの内容だ。それ以外に物珍しいイベントは起きないし、言ってしまえばほかのゲームで見たようなイベントばかりだ。

「ど、どうだ?」

「これは少し......いや、かなりひどいなあ」

「やっぱりそうか......」

 目に見えて肩を落とす堂次郎。というか、このシナリオで星が3つもらえるって、相当グラフィックや音楽、ゲーム性が面白いのだろう。

 まあ、防人という危険なサークルに入ってもらうんだ、少しくらいアドバイスをしないと。まあ、僕のアドバイスが役に立つかはわからないけれど。

「基本コンセプトはこれでいいと思うんだけど、シナリオとして面白くするなら、少し捻ってみない?」

「というと?」

「えっと、シナリオのここで仲間が現れるでしょ? 実はこれが魔王でした、みたいな」

「詳しく聞かせてくれ」

「結局、オチが分かっていると面白くないからさ。予想外なことが一つでもあればやっぱり気になっちゃうものなんだよ」

 素人意見だけど。

 そんな感じで僕がアドバイスをしていると、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「二人とも、何を話しているんでござるか?」

 まあ、聞き覚えのある声というより聞き覚えのある話し方だ。

「朝倉か。いや、実は俺の悩みを相談していてーーーという話なんだ」

「ほう。まあ、拙者は本を読むことはあってもゲームはしないでござるから、あんまり助けにはなれないでござるね」

 苦笑しながら席に腰を落ち着ける朝倉くん。

「ところで、拙者も悩みがあって」

「どうしたの?」

「実は、ぱふぇというものを食べてみたいんでござるが、何分、注文するのが恥ずかしくて」

「ああ、それなら一緒に買いに行く?」

「本当にござるか?」

「まあ、そのくらいなら」

「うう、ありがたきお言葉」

「大げさだなあ。堂次郎、ちょっと席を外してもいい?」

「......構わないが、もう少し席についてろ。今は危険だ」

 堂次郎が声を潜める。どうしたのだろうか。

「堂次郎、なにが「防人としての初任務というところか。見ろ、あそこの女だ」

 堂次郎が顎をしゃくった方向には両目を黒い前髪で隠した小柄な女性がいた。女性が近くに座っている人の首筋に触れると、触れられた人は一瞬体を跳ねさせてから、机に突っ伏してしまう。ほかにも机に突っ伏した人が3,4人いる。これは異常だ。

 ただ、不幸中の幸いといったところか、今は講義の時間。僕のように今日の分の講義が終わっている人はそもそも寮や自宅に帰ったりと大学を離れている。なので人はほとんどいない。僕らと敵を除いてちょうど5人というところだろうか。受付のおばちゃんも厨房に引っ込んでいる。まあ要するに、僕らが能力を使っても問題ないということだ。相手はこれを計算していたのかもしれないけれど。

 さて、ちょうど5人が机に突っ伏したわけだけど、それ以上何をするのかわからない。人質のつもりだろうか?

 とりあえず、敵から何か情報を得ないとこちらは一切動けない。まずは話しかけてみようか。

蔵介のアドバイスが耳に痛い。

※以下、言い訳です。休んでしまいすみませんでした。

 実は今回の話はボードゲームを題材にしようとしましたが、失敗したのですべて書き直しました。そのため一回休んでしまいました。申し訳ございません。こちらを書いてから1種のジキルとハイドの方を書くつもりだったので、あちらも休んでしまいました。

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