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能力者か無能力者か  作者: 紅茶(牛乳味)
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22話

 僕は慌てて清木教授の発言を遮る。清木教授は僕の反応を予想していたようだ。

「そう言うと思って。もしこのサークルのリーダーになってくれたなら学費の免除をするよ。もちろん、メンバーも4人までならある程度の免除を」

「いや、そういう話じゃないです!」

「? どういう話だい?」

 清木教授はキョトンとしながら聞いてくる。この人はお金で何でも解決させるタイプの人種なのだろうか?

 僕は咳ばらいを一つして答える。

「あのですね。僕はこの大学がどうなろうが正直知ったことではないです。もちろん志望校ではあったし、卒業まで面倒を見てもらいたいですけれど。ただ、そのサークル活動で背負うものはこの大学の命運なんかじゃなくて能力者たちの命ですよね? それは無能力者に等しい僕には荷が重いと言っているんです」

「それだよ。俺は君のその責任感に惹かれたんだ。というわけで、よろしくね」

(まあ、君の場合は責任感と言うよりか自己肯定感の低さなんだけどね。まあ、サークル活動を通して成長してくれるだろう)

 ......なんだか、納得できない。僕は別に責任感があるわけではないぞ。言ってしまえば逃げ癖があるだけだ。

 まあ、愚痴っても仕方がない。こうなってしまった限り、僕がやるべきことは仲間を集めることだ。そうじゃないと誰かが助けを求めた時に助けるどころか共倒れしてしまう。

「それじゃあ、話はこれで終わりだよ。あ、そういえばこの話は雪音ちゃんも知っているから。彼女は入る気はないって」

「元々誘うつもりもないですけどね」

 雪音は今まで散々誰かを守ってきたから、これ以上彼女の手間を増やすのは僕としても避けたい。

「それじゃあ、これがさっき言ったGPS付きの発信器ね。防犯ブザーって名前にしよう」

「持ちたがる人減りそうですね」

 たくさんの防犯ブザーが入った袋を僕に渡して、清木教授が部屋を出て行った。さて、早速何人か勧誘しようかな。とりあえず、知っている人に声をかけよう。

 部屋の外に出て適当な人を探し始めると、見覚えのある女の子の後ろ姿が目に留まった。あれは雪音かな。

「雪音」

「うん? あ、蔵介。どうしたの?」

「はい、これ」

 僕は防犯ブザーを雪音に渡す。雪音はキョトンとした表情で防犯ブザーを受け取った。

「ええっと。これは?」

「え? 清木教授から聞いたんでしょ? 防犯ブザーだよ」

「名前は初めて聞いたけど。これ、GPS付きの発信器でしょ?」

「うん。まあ、雪音にはいらないかもしれないけど、心配だから。どんな要件でも承るよ」

「浮気性だね」

「雪音にしか言わないよ」

「そのセリフがまさに」

「......ま、まあ。本当に要らないんだったら部屋にでも置いておいてよ。それじゃあね」

「............あ、ありがとね、蔵介」

 少し歩いた辺りで雪音からお礼を言われる。僕は振り返らずに手を振った。自分でもわかるほど顔がニヤついているだろうから。

 雪音から分かれて数分。知っている顔の人があんまりいないなあ。もう少しこちらから話しかけておくべきだっただろうか? そんな風に自分の過去の行いを反省していると、またもや見知った人が目に入る。あれは。

「おーい、堂次郎」

「ん? おお、蔵介か。どした?」

 やっぱり。小太りで金髪のイケメンなんて堂次郎くらいしかいないだろうからね。

「実はねーーー。」

「なるほど。なかなか面白いことになってるな。そういう展開もあるのか......」

 堂次郎は僕の話を聞きながらメモ帳にペンを走らせている。まあ、しっかり話は聞いてくれているみたいだし、気にせず話を続ける。

「というわけで、是非サークルに入ってほしいんだよ」

「ふむ。もちろんオーケーだ。ただ、代わりと言っちゃなんだが、少し相談してもいいか?」

「なに? サークルに入れば多少の学費の免除があるらしいけど」

「それはありがたいが、それとは別だ。少し場所を変えようか」

「? まあ構わないよ」

 よくわからない。頭に?を浮かべながら堂次郎についていき、大学内のカフェで腰を落ち着ける。早速話を聞いてみよう。


堂次郎の悩みといえば......。

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