21話
「君たちには迷惑をかけてしまったね。彼らはきっと組織の人間だ。やっぱり能力者を守るには君たちのような能力者だね。今からどこの組織のものか聞いてくる。それと、知っている情報はすべて吐き出してもらわないと」
清木教授の顔から微笑みが消えている。これ以上僕たちが清木教授の邪魔をすることは許されなさそうな雰囲気だ。
「それじゃあ、僕たちはこのあたりで失礼します」
「そうだな。これ以上は邪魔してしまう。
「気を遣わせてしまって悪いね。本当にありがとう。また何かあったら頼むね」
「「はい」」
僕たちは理事長室を後にした。
その日の夜。寝付けなくて起きてしまった。飲み物でも買いに行こうか。寮に備え付けられている自動販売機に向かうと、すでに一人飲み物を買っている人がいた。工藤君だ。随分顔色が悪いみたいだけれど......。
まあ、関係ないや。彼が何を考えているかとかは僕の生活に関係ない。僕も飲み物を買おうと自動販売機に近づくと、工藤君が口を開いた。
「君、能力があったそうだね?」
「......まあね」
少しの間答えるか悩んだけれど、素直に口を開いた。工藤君が知っているということは、僕の能力が見つかったことはみんな知っているのかもしれない。
「おめでとう」
「嫌味にしか聞こえないよ」
お金を入れて適当な飲み物を買う。工藤君に顔を向けず自分の部屋に戻ろうとする。特に工藤君も止めることはしなかった。
「......俺は、間違っていない」
そんなつぶやきが耳に届いた。
翌日。早速大学で初めての講義を受けて、疲れ切った体で寮に戻る。大学は高校と違って一回の講義の時間が長いなあ。
さて、このボロボロの体で何をしようか。入りたいサークルもないし......。
いろいろ考えていると、部屋の扉をノックする音。誰だろうか。
「はーい」
返事をしながら扉を開くと、そこには清木教授がいた。なんの用事だろう。
「どうしたんですか?」
「いや、少し頼みたいことがあってね。上がっても大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ」
清木教授を部屋に上げてお茶を淹れる。お互いに机の対面に座ってお茶を一口飲むと、早速清木教授が口を開く。
「実は昨日君たちを襲ったやつらの正体が分かってね」
「っずいぶん簡単に口を割りましたね」
少し驚きながら返事をする。
「まあ俺の手にかかれば簡単だよ。それでそいつらはある組織......いや、大学の学生で、雪音ちゃんじゃなくて君たち能力者を狙っていたみたいなんだ」
「? 僕たち、ですか?」
「うん。昨日話したと思うけれど、能力者が多ければ多いほど能力者を守っているって話をしたでしょう? でも、少なければ少ないほどこの大学は守られない。さらに、能力者が多くても能力者一人一人を管理しきることはできない。だから、一人ひとり無力化、まあ殺したり攫ったりして弱まったところを一気に襲おうという考えみたいだよ。まあ俺の推測も入っているけれど」
「なるほど」
合理的で有効な作戦かもしれない。その作戦の最初のターゲットが僕たちだったようだ。まあ、正一人だったら勝てなかったかもしれないし、僕一人だったら当然勝てなかった。もしかして今狙われている僕たちはかなり危険な状態かもしれない。
「そこで、君には秘密のサークル『防人』を発足してほしい」
「へ?」
「主にサークルの活動は能力者たちの保護。能力者にはGPSの付いた発信器を渡しておく。何かあったらとりあえずこれのボタンを押せば防人に情報が伝わってすぐに助けに行くことができるというわけ」
「いや、待ってくださいよ!」
蔵介は適任じゃないと思う。
※投稿遅れ申し訳ございません。




