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魔王城に響く英雄の唄  作者: ヴァルナ
3/12

出会い

ズキズキと頭が痛い……



俺は目を覚ました、自分の身体を確認し、包帯が巻いてあり誰かが処置してくれた事を認識する



「ここは、小屋か…?」


周りを見渡すと本棚や机がある


「誰かが運んで来てくれたのか…」


そう安堵していると



ガチャ


「あぁ、起きたのですか?

大丈夫です? 痛むところは?」


ドアが開いて小屋に入ってきたのは

20代ほどの背の高い女性であった



「」


ヨミは固まってしまう

女性は魔性と呼ぶに相応しいほどの美貌をもっていたのだ

すらっと伸びる足にくびれが見える腰

形のいい胸、整った顔、褐色の肌は妖艶さを際立たせている


そして、先のとがった耳、……耳?



とがった耳を持つ人のようでいて美しい

そんな種族はお伽噺で聞くあの気高い種族しか有り得ない


「ま、まさか…エルフ…?」


女性は少し驚いた顔を見せると

こちらに微笑み


「いいえ、私はダークエルフのミーナといいます。あなたの名前は?」


ダークエルフ、エルフと共にお伽噺に出てくる種族で魔族領に住み

魔物を狩ることに特化した種族だと言われている


「俺の名前はシノノメ・ヨミと言います

ヨミと呼んでください」


ミーナさんに答える


「では、ヨミくんと呼ばせてもらいますね」



さてと、とミーナさんが姿勢を整える


「ヨミくん、人間であるあなたがなぜ魔族領に? 見つけたとき血が流れていたりボロボロでしたがいったい何があったのです?」



一瞬身体が強ばり鼓動が早まっていく



「大丈夫ですか?」


ミーナさんが頭を撫でてくれる

落ち着く 心が安らぐのを感じる




「お、俺は… 」


俺はミーナさんにこれまでにあったことを話した

村で選定の儀式があったこと

その儀式のせいで村から追い出されてしまったこと

行く宛もなく森を彷徨ったこと

森でゴブリン変異種に遭い襲われたこと

全てを話した


ミーナさんはそれを黙ってずっと聞いてくれていた



全てを話し終わったあと俺は疲れて眠ってしまった




「そんなことがあったのですね…

ですが、彼を《鑑定》した時のあのスキル(・・・)は……あの方にも相談しなければ………」



穏やかに光る月を背に

ミーナはとある決意を胸に抱きヨミの寝顔を見つめていた…

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