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過小評価


レオンハルトは整った顔立ちをしている。

仕草も洗練されており貴族の令息として申し分もない。


貴族の令嬢が見れば一瞬で虜になる程に。


ただ男性経験が皆無なアレーシャには刺激が強かった。


今迄対応したのは年配の男性ぐらいだ。

後は近づいて来ると言えばプライム家の財産目当てか、カテリーナ目当てだ。



「レオンハルト様、近いです」


「ええ」


(ええじゃない!)


自覚があるならいいが、ないなら質が悪い。


「アレーシャ様は美しい」


「え!」


そっと手の甲にキスをされ顔が火照りそうだったがなけなしの理性で耐え忍ぶ。



「貴方のような方が王女殿下の教育係であれば国も安泰でしょうね」


「そのようなことは」


「貴方はご自身の価値を解っていらっしゃいませんね」


レオンハルトの言葉が良く解らなかった。

これまで冷遇されて来たのに今更価値なんて見い出せない。


「私は価値がありません。それに貴族でいるのも後少しですから」


「何故?」


「私の噂は社交界に知れ渡るでしょう‥‥そうなれば伯爵家の娘としての役割を果たせません」


ぐっと唇をかみ締めながら話す。


「王女殿下も成人なされば私の役目は終わります。そうなれば私は…」


王都にいることはできない。

カテリーナがプライム家にいる以上、追い出されるのは確実。



父もアレーシャに関心など無いならば自動的にそうなる。


「貴方が嫁ぐと言うことは?」


「ありえません。誰が好き好んで傷物令嬢を…灰かぶり姫を嫁にもらうというのでしょう」


それこそありえないのだ。

いくらプライム家が財産持ちでもメリットが少ない。



「貴方は王族に嫁ぐことも可能な身分なのに」


「私がですか?ありえません」


「そんなことはないでしょう?大公殿下は未だ独身ですし、王弟殿下もしかり」


確かに王族の直系である王の弟は上王と王太后の実子。

本来ならば王位に就くはずだったが兄に王位を譲ったとされる。


現在は国を離れ戦場を駆けているとのことだ。

実際アレーシャは会ったことはないのだが、英雄と呼ばれる程の王族だった。


その弟もしかり。


「ありえませんよ。私などが」


「この世に絶対なんてことはありませんよ」


そんな雲の上の存在の人の元に嫁ぐなんてありえないと思っていた。



思っていたのだが‥‥



一週間後、開催される舞踏会に招かれてしまった。


しかもその舞踏会では大公妃を選ぶためのパーティーだと知らされる。


(どうせ私は選ばれないわ)


当て馬か数合わせかと思い期待することはなかった。





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