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布石




セラフィーヌは満足そうに微笑む。


「大儀であった。そなたの布石は見事じゃ」


「「「え!」」」


「戦後で焼け野原となった領地を買って更地にしたのちに牧場に作ったであろう?」


「何故…」


どうして知っているのかと驚く。


「私を甘く見る出ないわ。ここ五年程でミルク、チーズの出荷率が上がっておる。その領地を調べれば容易き事。実に天晴じゃ」


全てお見通しだったセラフィーヌに驚くが、やられっぱなしではなかったことにも驚くレオンハルトだった。



「アレーシャ…何時の間に」


「給料を土地に代えてしまえばピーナツ親子に奪われる心配もない。寄付しているお給金は給料の明細に残らぬ」


一同はポカーンと口を開けたまま立ち尽くす。

今まで黙って奪われるだけだと思っていたら既に先手を打っていたのだと気づく。


「我等は地方にまで目は行き届かぬ。王都が最優先じゃ。だが地方を蔑ろにすれば本末転倒」


「その穴をアレーシャは埋めていたのですよ」


セラフィーヌとアンジェリーナは最初から解っていた。



「それから報告がある」


「お父様?」


「お前が買った土地だがな…ダイヤモンド鉱山だったようだ」


「ダイヤモンド!?」


渡された書類を見ると長い間湧き水の場所を封鎖していた岩は巨大なダイヤモンドだったらしく。


その所有者であるアレーシャに権利があることになる。


「ダイヤモンド鉱山を持っている貴族なんていないですわ」


「ああ…見つけるのだけでも大変だと言うのに」


当初は何もない大自然の土地で買い手はなかった。

人口も少ないので破格の値段で売られていたのをアレーシャが買い取ったのだが、こんな展開になるとは思わなかった。



「流石お金の神様の娘。現段階でそなたは国一番の資産家じゃ」


「えっ‥‥あっ…あの」


「お金は天下の回りもの、使うから入って来るのじゃ。まぁそなたの場合は正しく使ったから倍で戻って来たがのぉ?」


ダラダラと滝のように汗を流すアレーシャ。

伯爵家でも見たことがないほどのお金回りだった。



この日、アレーシャは国一番の資産家となり。

尚且つ功績により侯爵家の爵位を与えられることになった。




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