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告白



この人は一体誰なのだろうか?

そんな思いが過って仕方なかった。


「貴方は誰…」


「俺は貴方の騎士だよ」


優し気な瞳はアレーシャを慈しむ。


「貴方を守る騎士だ」


「私を…守る?」


「そう」


アレーシャの瞳が揺れる。

もう守ってくれる人はいないはずだと思っていた。


なのにどうしてレオンハルトはそんなことを言うのか。


「どうして私に優しくしてくださるのですか?」


「どうしてって…解らないか?」


「はい」


伯爵令嬢だからか?とも思ったがレオンハルトはそんな権力に溺れる愚かな男のように見えない。


意地悪な一面もあるが正義感が強く優しい人だ。


「私には解らないです」


「男が女性に優しくするのは当然だが、それ以外にも理由はある」


「理由ですか?」


騎士道だからなのかと尋ねる。


「男は愛する女性には誰よりも優しくするものだよ」


「えっ?」


曇りのない青い瞳がアレーシャを見つめ影が重なった。


一瞬何が起きたか解らなかったが、気づいた時には遅かった。


「理由は解ったかい?」


「なっ…何を」


「何ってキスをしたんだけど」


悪びれもなく言い放つレオンハルトに真っ赤になる。



「何故…」


「したいから」


「したいからって!」


心臓の音が早くて息ができないながらも無理矢理落ち着かせる。


「レオンハルト様…今、ご自分が悪いことをされた自覚は?」


「ない!」


清々しいまではっきりと言う。


「そんな赤裸々な!」


「そんな誘う様な瞳をされて我慢はできない」


(誘う!?)


唖然とする。

そんな表情をしたつもりは一切ない。


「潤んだ瞳で俺を見つめられたらキスをするなと言う方が無理だ。ここで押し倒さない自分を褒めてやりたい」


(押しっ…!!)


その言葉が解らない程子供ではない。

ただそう言った行為の経験は一切ないのだが。


「なっ‥‥な!」


「俺は貴方を愛している。誰よりも」


射貫くような視線にアレーシャはダメだと思った。


(ダメ…ダメよ)


後ずさろうとするが、レオンハルトは距離を詰める。


「愛しているアレーシャ」


「ダメ…ダメです!」


拒もうとするアレーシャの手を引き抱きしめる。


囚われてはダメだと思っているのにアレーシャは逃げる術を持たなかった。



心が求めていたから。


レオンハルトを愛してしまっていると気づいてしまった。





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