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第2話!! 厳格な父は幻!でも凄い人!!


今日も、誰にも話しかけられることなく・・・本当に残念なことに、事務的な連絡以外は話しかけられることなく学校が終わってしまってそのまま帰宅・・・


あぁ、いつかは友達と寄り道というものをしてみたい・・・


首都にある高級住宅地から少し離れた一角。

他の家の数倍、いや十数倍は確実にある屋敷が私の家だ。

相変わらず、無駄に大きい気がする敷地内に入る正門を抜け、玄関へと続く庭園の中を抜け、玄関をくぐる。



「お帰りなさいませ、お嬢様」



「お召し物をこちらに」



「はい、ただいま帰りました。

父か母は居ますか?」



「奥様は会議のため会社の方へ出向いております。

旦那様は、書斎で書類関係のお仕事をなさっております」



「分かりました」



出迎えに来たメイドと執事に、鞄などの荷物と防寒着を預けつつ、両親の所在を確認する。


母は居なかったが、幸い父は今日、家で書類関係の仕事をしているという。

今話す時間があるか分からないけど、友達が欲しいから世界で話題のゲームをしたいという話をしなければ!


書斎の厳粛な雰囲気の漂う扉の前に立ち、扉の縁を軽く3回叩く。



「真桜です。入っても大丈夫ですか?」



「ふむ・・・真桜か、入れ」



威厳のある声が中から響く。



「失礼します」



扉を開けるとそこには、そこいらのアパートの一室ほどはあろうかという広さの書斎が広がっている。

いつもと変わらない引き絞られた弓のつるのように、キリキリと張り詰めた空気が充満している。



「いつの間に帰ってきたのか」



「先程帰宅しました。

今日中に少しだけ話がしたいのですが、どの時間帯なら空いていますか?」



「別に今でも構わんが・・・ところで今日は友達は出来たか?」



ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる我が父。

一気に張り詰めていた空気が霧散する。


くっ、これだからこの人は・・・



「・・・話というのはそのことについです」



「なに?

まさか本当に友達が出来たとでも言うつもりか?

それが本当なのであれば、良くないことでも起きる前兆か・・・会社の経営にでも気をつけておくとしよう」



冗談めいた口調で端末を確認する父・・・いや、割と本気の視線で会社情報を調べ始めてる!?

いやいや・・・私も流石に怒るぞ。



「馬鹿にしないでください!?」



「なんだ、本当に友達が出来たのか」



「・・・いえ、まぁ友達は出来ていないんですけどね!!」



「ふっ、やはり真桜に友達が出来るなどという天変地異が起こりうることはないか」



「・・・とにかく!

私は真面目な話をしているんです!」



「まぁ、親子のスキンシップもこのあたりで終わっておくか。

それで、今日はどんな用事で来たんだ?真桜にしてはなかなか珍しい行動だが」



「実は、私はとにかく友達が欲しいのです」



「それは知ってるが」



「なので、話題作りのために今話題となっているVRMMORPGというゲームをしたいので、その許可を貰いに来ました」



霧散していた空気がギシリと復活する。

・・・これだ、この空気の切り替えこそが、父がここまで会社を大きくできた要因だ。


『メリハリの付け方が上手い人は成功する』

この言葉が父以上に似合う人間は少なくとも現代には居ないだろう。


「・・・なるほど、要件は把握した。

一応聞くが、その方法は友達作りのための最終手段か?」



「・・・わざわざ禁止されてきたゲームの許可を取りに来ているんです。

父さんも理解しているでしょう?」



「くくっ、それもそうか。

・・・まぁいいだろう、真桜も既に17歳。

ゲームに現を抜かすなどという間抜けな失態を犯すことはないだろうからな」



「本当ですか!

とりあえず一安心ですね!」



許可さえ取れればこっちのもの。

まずはVRヘルメットである『Nevaネヴァ』の予約からかな?

現在所持している旧型の『Nevaネヴァ IV』でも、ゲームのプレイ自体は問題ないそうだけど、やはり、ゲームに比重を置いたタイプである新しく発売される『Nevaネヴァ Ⅴ』の方が快適にプレイ出来るとのこと。


でも、出来れば、それと同時に販売される『Nevaネヴァ』のゲーム特化型モデルであり、ベットと一体化したゲーマーが喉から手が出るほど欲しい『Nevaネヴァ Ⅴ【ゲーミングカスタム】』を手に入れておきたいのが本音。


何をするにしても、出来る限り最高の環境を整えてから始めるのが私の信条だから。


さっき調べたら、どうやら今日の深夜0時からゲームの予約が開始するらしく、初期生産ロッドとしては1万台限定らしい。

メイドと執事をフル活用して、予約開始時間になったら人海戦術でなんとしてでも予約してみせる!!



「ああ、そういえばそのVRヘルメットの開発会社はうちの会社が支援しているところだ。

ヘルメットとゲームのセットを1つや2つ譲り受けることぐらい、わけないぞ?」



それからゲームの予約も・・・ってはい?



「それは寝耳に水なんですが・・・」



「言ってないし、そもそも真桜に言う必要もないからな」



「それは確かに・・・

では、現物は予約しなくとも受け取れるということで?」



「ああ、なんなら余分に貰っておき、予約を逃したクラスメイトにでも渡したらどうだ?

支援者に配られるヘルメットとゲームは、一般販売の1万台とは別枠だ」



素晴らしい提案!!

流石我が父、企業家として成功しているだけのことはあるぅ!!


・・・あー、でも。



「話しかける話題としてはとてもいい考えだと思いますがなんだかそれだと、札束で頬を叩くようで気が引けますし、やめておきます」



「正しい選択だ。財力で友達を得る、これ以上に虚しいことはない」



・・・もしかして試された?ここで「ください!」とか言ってたらせっかく取れたゲームのプレイ許可も水の泡だったのかも。


まぁ、いいか。

過ぎたことは気にしないタイプだから。



あぁ、ゲーム開始の(友達ができる)時が待ち遠しいなぁ!



会話文は2行改行。

地の文は1行改行って感じですけど、読みづらいですか?

よければ意見お願いします!



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