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迅雷の逆襲譚〈ヴァンジャンス〉  作者: らーゆ
第5章 ■■の■■■
108/164

第01話 悪夢再来



 二回戦第一試合、刃堂ジンヤ対屍蝋アンナ。

 二回戦第二試合、黒宮トキヤ対夜天セイバ。

 二回戦第三試合、真紅園ゼキ対蒼天院セイハ。

 二回戦第四試合、赫世アグニ対ルッジェーロ・レギオン。


 以上四試合が終わり、一日の休みを入れた後に二回戦第五試合~第八試合が行われる。





 試合を終え、疲れ切った体を引きずり、ジンヤとライカはホテルの自室へ戻る。


「……すごかったね」


 自室へと繋がる廊下の途中、ライカがぽつりと漏らした。


「……ああ。それでも、何時も通りさ」


 今日の試合で勝ち上がった、ジンヤ以外の選手達は、いずれも劣らぬ強敵達だ。

 次の試合の相手、黒宮トキヤ。

 《開幕ライトアウト》を扱う《主人公》。

 アンナに続き、再びにジンヤは《開幕ライトアウト》なしで、《開幕ライトアウト》を超えなくてはならない。

 またあんなことができるのだろうか。

 不安は大きい。

 だが、たった今口にした通りだ。

 相手が格上なのはいつものことだ。何時も通り、それでもなんとかするしかない。

 考えなくてはいけないことも、やらなくてはならないことも山程あるが、今日のところはまず休息だ。


 そう思いつつ、部屋のドアを開く――、


 ――――そこで、違和感。


 人の気配。


 またアンナが勝手に侵入したのだろうか。


 そう思いつつ、電気をつけると――、

























「よお、久しぶりだね――――刃堂ジンヤ。

 まずは二回戦突破おめでとう、ぼくが直々にお祝いにきてやったよ、ギヒャヒャヒャ!」






















 無造作に伸びた黒髪の隙間から、真っ黒い瞳がこちらを覗いている。

 一見して平凡な少年のようにも見える。

 だが、彼こそはこの世界最悪の心性を持ち、他者の絶望を何よりも好む悪辣。


 《人類最悪》――罪桐ユウ。





「どうして……お前がッ!」


 ライカを素早く武装化させて構えるジンヤ。





 罪桐ユウ。

 屍蝋アンナの人生を操り、ひたすら絶望へと叩き落とし続けた。

 刃堂ジンヤを一度は剣祭出場停止にまで追い込んだ。

 ジンヤとアンナを戦わせ、アンナの手でライカを殺させようとした。

 あげていけば切りがないが、彼によっていくつもの絶望を味わってきた。

 その彼がどうして。

 彼が今いる監獄は、簡単に出てこられるような場所ではないはず。

 

 あり得ない。

 あり得ないのだ。

 こんなになんの脈絡もなく、突然彼がここに現れることなど、あり得ないはずなのに。


 



「どうしてって、キミに仕返しするためじゃないか、ジンヤ! キミのせいでぼくはとってもつらい思いをしたんだ。だからさあ……お礼をしなくちゃね……。ねえ、プレゼントがあるんだ」


 どこからともなく、ユウは箱を取り出した。


 真っ白い箱。しかしその箱は、底の部分から赤い何かが染み出している。





「開けて……つっても、ビビっちゃって開けてくれないかな? んじゃいいや自分で開けるからさ……」








 そう言って箱を開けて、







 中から出てきたのは、







 黒くて、丸い、ナニカ、
















        真っ黒の長い髪の毛、





 人の、女の子の頭部のような、




               その顔は、よく知っている顔立ちで、



  髪には、真っ赤な、■■■が、




       真っ赤な断面から血が滴ってて、




   箱の中身は、生首で、

 



              ■■■を、 リボンを、 真っ赤なリボンを、していて、























「じゃーん! 屍蝋アンナちゃんの生首でーす! どう、喜んでくれた!? ギヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

























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