魔術機関とユズル
これは…ユズルがノアをエンジェ家に連れていった後のお話。
ユズル「よし、これでいいな」
なにやら荷物をまとめどこかに行く準備をしていたユズル。
ユズル「えーっと、ノアは寝てるし……アリスも寝てる、シャルも寝てるな」
ユズルはアリスの部屋、シャルの部屋、ノアが寝ている自分の部屋を確認し、外に出た。
目指すはこの街ーーイブファードの中心部にある魔術機関本部。
そこにシャルとアリスの両親が住んでると言う
ユズル「…っつ〜 さみぃ…
今って夏じゃねぇのかよ……」
外に出ると気温2℃あるかないかくらいの寒さだ。
ユズルは執事服を着ているが寒いことに変わりはない。
ユズルは黙々と歩みを進め、魔術機関本部に着いたのだ。
ーー魔術機関本部ーー
受付「あのどちら様でしょうか?」
と、若い女性が訪ねてきた。
ユズル「私は神藤弦と申します
ここにエンジェと名のつく人が働いてるって聞いたんですが…」
受付「クラウド様とアイリス様の親戚の方ですか?」
ユズル「まぁ、そういうところです」
受付「ここを真っ直ぐ行った先に転移装置があります
それに乗って3階に行け!と唱えてください
そして、3階に行ったら左に進んでください
大きな扉があればそこがクラウド様とアイリス様の部屋です」
受付の人は表情を変えず早口でそう言った。
ユズル「ありがとうございました」
そう言うとユズルは転移装置に向かった。
ユズル「……これが転移装置?」
そこには難しそうな魔法陣が書かれていた。
なんか危なっかしいな…とユズルは思いつつもその上に立った。
ユズル「3階に行け!」
ヒュン!と音を立てて3階に飛んだ。
ユズル「……マジで行けるのかよ
くぅ〜やっぱり魔術っていいな!」
初体験にウキウキしつつスキップをしながら大きな扉の部屋へ歩みを進める。
ユズル「そういえばクラウドとアイリスって言ったか…当たり前だけど俺より年上なはず、ここはやっぱり第一印象を大切にしないとな……」
そう、ブツブツと言いながら大きな扉の前についた。
コンコン、と二回ノックし
ユズル「失礼します」
と言うと
?「入りたまえ」
なにやら低くてかっこいい声で返事が返ってきた。
まさか…イケメンなのか…? ユズルは少し予想しながら部屋に入る。
?「何か用かね?」
予想通りのイケメンで銀髪、紳士の中の紳士を描いたような男ーークラウドだ
ユズル「クラウドさんですか?」
クラウド「あぁ、如何にも」
ユズル「実はで…」
?「あら? お客様?」
要件を言おうとしたらなにやら可愛い声が入り込んできた
ユズル「…えっ?」
そこにいたのは栗色の髪で見た目が小学生くらいの子だ。
クラウド「アイリス、お客様にお茶を出してくれ」
アイリス「ただいまお持ちするね〜♪」
は? この人今アイリスって言ったよな……
アイリスってシャル達の母親のアイリス? なんで小学生くらいの格好をしてるんだよ
えっ? まさか幼児体型だったりして…!?
そんな事を考える時間わずか10秒。
アイリス「お待たせ〜♪」
クラウド「ところで君は?」
ユズル「あ、申し遅れました
僕は神藤弦と申します
シャルロットさんとアリスさんのところで執事をやっています」
クラウド「な、なんだって!?
一体誰が許したんだ!?」
ユズル「僕がこの街を歩いていたらチンピラたちに絡まれていたのを助けたんです
そしたら仕事を探してた僕に執事の仕事をやりませんか?と声をかけてくれました」
クラウド「ほほぅ……ユズルくんがチンピラ達から娘達を助けてくれたということか……」
クラウドは真剣な顔をして黙りこむ。
部屋には重い空気が流れている。
クラウドは机をバンッ! と叩きユズルに近づく。
ユズル「えっ…あの…すみま…」
クラウドはユズルの手を掴んだ
クラウド「よくやってくれた!
君みたいな人が執事をやってくれるというなら娘達を任せても安心だな! はっはっは!」
アイリス「そうね〜♪
ユズルさん…と言ったかしら、娘達をよろしくお願いしますね♪」
ユズル「任せてください!」
クラウド「よし! そうと決まればこんな堅苦しいのは無しにしよう!
ユズルくん! 私のことはクラちゃんと呼んでくれ! 私もユズルくんのことをユウちゃんと呼ぶからな! はっはっはっ!」
ユズル「そ、そうですか…」
アイリス「私のことはアイちゃんで構いませんよ〜♪」
ユズル「アイリスさんはアイリスさんでお願いします!」
アイリスはむぅ〜と頬をふくらませた。
クラウド「ユウちゃん用はそれだけなのか?」
ユズル「クラちゃん実は……かくかくしかじか」
アイリス「へぇ〜それ便利ね〜♪」
ユズル「メタイ発言はダメですよ!」
そんなやり取りをしながら要件を話した。
クラウド「なるほどな…家族がいない子のお兄ちゃんになったと…それで私の家に住ませたい…と」
ユズル「やっぱりダメだよな?」
アイリス「どうして? 別にいいんじゃない? ねぇあ・な・た?」
アイリスは少し威圧をかけるかのようにクラウドに言った
クラウド「あぁ! もちろんいいともユウちゃんの頼みだからな! はっはっはっ!」
そんな威圧もクラウドには効かなかった
ユズル「クラちゃんありがと!
そうだ! 差し入れ持ってきたんだ〜
良かったら飲んでくれよ」
アイリス「わざわざありがとうございます〜♪」
ユズル「……」
お酒を持ってきたけどアイリスさんは飲めるのか…? 年齢的には大丈夫なはずだが、身体的にはダメかもしれない…
まぁ、なんとかなるか
アイリス「どうしたんですかぁ? 私が身体的に子供なのにお酒は飲めるのか……みたいなことを思ってる顔してますよ」
この人…っ! やれるっ!
ユズル「そういえば娘達に伝言ない?
今ならこの携帯使って映像を保存できるけど……」
クラウド「おっ! そんなものまであるのか! やってみる価値はありそうだな!」
アイリス「そうね〜♪
楽しそうだからやってみましょう〜♪」
ユズル「それじゃあ、スタートっていうのでしゃべってね」
クラウド・アイリス「は〜い」
ユズル「スタート…!」
こうしてクラウドとアイリスと仲良くなった。
ユズルはこんなに幸せな家庭は無いと思うのであった。
9話終わりっ!




