2人の少女と街騒動
異世界について数十分がたった…
弦「そういえばアルカが異世界で役に立つものをくれたんだったな」
それは弦が異世界に行くと決めた時にアルカから渡されたものだ。
弦「…カード? いや、何か絵が描いてるけど何の絵だ?」
そのカードには死神が鎌を持っているような絵が描かれているのだ。
弦「まだ何かあるな…」
死神のカードが入っていた反対側のポケットには紙切れが入っていた。
弦「……取扱説明書?」
そこにはカードについて書かれていた。
このカードはいわゆるチート機能を搭載しています、あらゆる魔術や魔法を無効化にできるカードです。 でも効果が発揮されるのは相手が魔術系統を使う前に発動させてください。
まぁ、だから相手と闘うのが決まる前や、攻撃される前に使ってくださいな。
P.Sこのカードは私の手作りとなっていますので無くすともう手に入りませんのよ?
弦「…闘いってまじかよ、こっちはこの世界でのんびりと暮らしたいだけなのに…」
そうブツブツと、文句を言いながら足を進めた。
弦「闘いかぁ…って魔術系統の攻撃ってこの世界魔術も存在するのかよ! うわぁぁ…嬉しいような嫌なような… でも俺も魔術覚えられるかもしれないしそれはそれでいいか!」
新生活に期待を抱き弦は街に向けて走る事にした。
ここからは少し神藤弦について語ろうと思う。
神藤弦ー弦は小さい頃から格闘技を習っている。まぁ習っていると言うよりかは父がバリバリの格闘家だったって言うことだ。
今では弦に勝てる人はいない、いわゆる世界チャンピオンと言うのに21歳の若さでなっているのである。
そしてとある事件をきっかけに本気で武闘に励むことになった。
まぁこれは追々話すとして…街に着いたようだ。
走り始めて小一時間、なにやら大きな街に着いた。
弦「うわぁぁ…すっげー発達してる!」
レンガ造りの街並み、大きな噴水、ここは本当に異世界のようだ。
弦「まずはお金を稼がないと… でも最初は戸籍を作らないといけないのか…? うーん…さっぱりわからん」
ここは大都会にあたる街らしい、それに周りの人の言葉はわかるが所々に書かれている文字は読めない…。
中心部を目指し人混みを避けつつ進んでいると何やら前の方が騒がしい。
弦「…なんだ? 揉め事か?」
弦の予想は合っていた、成人男性2人と学生の少女2人がもめているのだ。
?「何よ! あなた達がぶつかってきたんじゃないの! それなのに私達がぶつかったとかいう言いがかりはやめてよね!」
金髪の気が強い少女が男性2人と話をしている。
隣の青髪の大人しそうな少女は「まぁまぁシャルも落ち着いて?」とシャルと呼ばれる少女を落ち着かせている。
だが男性も黙ってはいない
男性「お前らがぶつかってきたせいでコーヒーが服にこぼれたんだけど? ちゃんと責任取れよ!」
などとよくいるチンピラなどの輩だ。
隣にいる男性も弁・償・!弁・償・!と騒ぎ立てている。
シャル「ぐぬぬ…アリスも言いなさいよ!
ぶつけられて転んだんだから!」
アリス「別に私は…大丈夫だよ」
アリスは大丈夫と言っているが膝からは血が流れている。
男性「そこまでして責任取らないなら力づくでも取らせるしかないな…」
男は指をポキポキ鳴らしながら殴りかかろうとした。
男性「っ!」
風を切る音がなったその時
シャル「きゃ!」
弦はその拳を軽くを受け止めた。
弦「女の子相手に手を出すなんてあんた子供だね〜」
弦は挑発するかのように男性2人に話をする。
弦「ぶつかってきたせいでこぼれたとか言ってるけど、まずこんな人混みの中でコーヒーを飲みながら歩いてる方がおかしくね?」
男性「お前誰だよ!急に話に入ってきやがって!」
弦「俺?神藤弦と言うものだが?」
弦は名前を名乗る、だが挑発は終わらない
男性「そんなことを聞いてるんじゃねぇよ!
なんで話に入ってくるのかを聞いてるんだよ!」
さっきと言ってることが変わっている、自分の立場がおかしくなったからであろう。
弦「だって〜女の子相手に本気のパンチを繰り出そうとしてる人を〜ほおっておけなくて〜」
シャル「…な、何なの…この人…」
シャルとアリスは唖然としている、なぜ何も関係ない人が私達を助けてくれているかわからないし清々しいほどに煽っていくからだ。
弦「はいはい、わかりましたよ
ちょっと待ってねお兄さん!」
男性「はぁ?!」
男性との会話を一時中断させ弦は二人の少女の方を向きアリスの怪我の手当をした。
応急処置と言ってもハンカチを膝にくくりつけただけだけど。
アリス「あ、ありがとうございます」
弦「ま、ただの応急処置だ。
それより、おい何があったか詳しく教えてくれないか?」
シャル「まずあなたは誰ですか?
名を名乗るのが基本だと私は思うんですが…」
弦「だから神藤弦だつってんだろ?」
シャルのきつい言葉は弦には聞かなかった。
むしろ弦はイライラしながら会話を進めた
シャル「ユズルね、私はシャルロット・エンジェです」
弦「だからそんなことより何があったか教えてくれないか?」
シャル「なんですか!急に話に加わるなり急がせないでください!」
アリス「まぁまぁシャルも落ち着いて
実はですねシントウさん」
弦「弦でいい」
アリス「あ、はい
実はですねユズルさん私達学校が終わって帰りに何か買っていこうってなってここまで来たんですよ、それで立ち止まってお店を探してたらこの人たちが私にぶつかってきて自分の服にコーヒーをかけてたんです」
アリスは嘘一つ言わない子だとこの時ユズルにはすぐわかった。その目は嘘などつかない、真剣な眼差しだったからだ。まぁ直感だけどな…。
シャル「ユズル後ろ!」
アリスと話しているとシャルが叫んだ。
アリスと話してたのが長かったせいか男性が殴りかかってきたのだ。
だがしかしそんな攻撃をユズルは受けるわけがない。
ぱっと受け止め、話を続ける。
男性「ぐっ!離せ!」
弦「なるほどな〜
それとさお前らって魔術とか使えたりするの?」
シャル「つ、使えますよ」
アリス「でも学園外では使っちゃ停学になっちゃうんです…」
自分の身を守るために使っても停学とは…意味がわからん。
弦「それじゃあもう終わりにするかな」
アリス・シャル「えっ?」
弦「ねぇねぇお兄さん〜?
正当防衛って知ってますぅ?」
シャル(うざ…)
男性「そ、それがなんだっていうんだよ」
弦「やられた方はやり返しOKなんですよぉ〜
と、言うわけで俺はお前にやり返す権利があるってわけだ」
弦の表情は一変した。
さっきまでのへらへらした顔ではなく、怒りに満ちた顔をしている。
男性「ひっ!」
あまりの怖さに男性も怯えている。
周りの人達はどうなるのか興味津々に見ている。
男性「やるなら魔術で勝負だ!
俺は魔術以外で負けるのは大嫌いなんだよ!」
魔術を知らないユズルに魔術で勝負を挑むと言う事は確実にユズルの負けになってしまう。
だが勝負は受けるのがユズルという男だ。
ユズル「いいぜ」
と、その前に…死神のカードを発動っと…。
カードを手にし効果を発動させる。これで相手の勝ちは零に等しい、そんなことも知らないで男性は魔術を発動させる。
男性「《雷の精よ》!」
何も起こらない。
ユズル「あれあれ? 魔術で勝負って言ったのにまさか魔術使えないの?」
ユズルは容赦なく煽っていく。
シャル「おかしい… 」
アリス「…そうだね、普通ならあれで黒魔ライトニングが発動してもおかしくないのに……」
男性「くそっ!《雷の精よ》!
《雷の精よ》!」
何度も叫ぶがライトニングは発動しない。
ユズルが死神のカードを持っているあいだは使えなくて当たり前だ。
ユズル「それじゃあこっちも行かせてもらうからな」
ユズルは目の前で拳を握り見事なフットワークをしている。
男性「な、なんだよその構えは!
魔術で勝負っつてんだろ!」
ユズル「魔術だよ?
黒魔ミラクルパンチ」
シャル「は?」
ユズル「ほらぁ、歯ぁ食いしばれ
行くぞ〜
黒魔ミラクル…」
男性「ま、まて!
たの…」
ユズル「パァァァァンチ!」
ユズルのパンチを受け鈍い音を立てながら男性は噴水の方にぶっ飛んだ。
男性2「は…はは…お助け〜!」
もう1人の男性は後ずさりしながら走って逃げていった。
ユズル「ったく…」
自分より大きな男性を殴り飛ばした事により周りからは歓喜の声が鳴り響いた。
アリス「あの…ありがとうございます
わざわざ関係無いのに助けていただいて…ほら、シャルもお礼いいなよ」
シャル「うっ…あ、ありがと…」
アリスは素直だがシャルは素直ではなかった。
ユズル「俺もあいつに腹が立ってやったことだ気にするな
それじゃあな」
そう言うとユズルは中心部へと向かおうとしたその時。
シャル「あのっ…!」
シャルがユズルを引き止めたのだ。
ユズルはまた何か言われるのではないかと思いながら嫌々振り返った。
ユズル「なんだ?」
シャル「い…家に来てくれませんか…?」
ユズル「…えっ? えぇぇぇぇ!!」




