静かにならない日常
次の日
ジーラス「えー、昨日転入してきたユズさんの事なんですが……男になって戻ってきました」
「「「はぁあ!?」」」
クラス全員の声が教室に響き渡る。
当たり前だが、シャル、アリス、ユイ、グルは驚かない。
昨日あんなことがあったからだ。
ジーラス「それでは、改めて自己紹介お願いします!」
ユズル黒板に名前を書いていく。
ユズル「改めて、ユズル・シントウです
女になってたのには深い事情がありましたが、あまり気にしないでください」
「「「きゃー!」」」
爽やかな笑顔に女性陣から悲鳴があがる。
はっきり言って、ユズルはイケメンの類に入ると思われる。
21歳の時よりも4歳ほど若くなりピークが再来したのだ。
ジーラス「シントウ……って事は、あのシントウくん?」
ユズル「あぁ、この前誰かさんのせいで暴走したロボを止めるためにぶっ壊したあのシントウだよ」
ジーラス「なんだか若返ってないかい?」
ユズル「ちょっと、ワケありでなっ」
ジーラス「なるほど……
ま、とりあえずこれから宜しくね」
ユズル「おう」
ジーラス「一応私は先生だから敬語でお願いね」
「「「ユズル(さん又はくん)と先生の間になにがあった…」」」
ユイ「お兄ちゃん何かしたの?」
シャル「それは……」
シャルがこの前にあったロボ暴走事件の事を話した。
ユイ「へぇー、お兄ちゃんやるじゃん
でも、私もそれくらい出来たけどなぁ」
アリス「…!? 嘘ですよね?」
ユズル「嘘じゃないぞ、石の板を5枚くらい積み重ねたやつを拳で割るからな」
「「「…!?」」」
ユズルがサラッとえげつない事を言い出したことにより、クラス中が静まりかえった。
ユイ「も〜お兄ちゃんっ!
今では30枚でもいけるよっ!」
ユズル「そうか? 10枚でも無理だったくせに、やっぱり成長したんだな、ははは」
「「「そういう問題なのかっ!?」」」
この時間、こんなにもクラス全員の意見が一致した日はない
ユズル「ちなみに、俺は100枚でも余裕だそ?」
シャル「……あほらしい」
その後、1時間目を潰してユズルはクラスのみんなと仲良くなった。
──昼休み──
ノア「……あぅ///」
目をとろんと溶かしたような眼差しでユズルを見ている、その頬は何故か赤めいていた。
ユズル「どうした?
顔真っ赤だぞ?
それに、いつもと表情が違う……」
ノア「な、何でもない……///」
咄嗟に机に伏せて顔を隠した。
ユズル「…? おかしなノアだな
ちょっと、学院内を探索しようかな…」
ガタッと椅子から立ち上がって学院探検に向かった。
ノア「お兄ちゃん……はぁ…はぁ…かっこいい…///」
──中庭──
ユズル「へぇ〜、ここ中庭なんかあるだなぁ」
元の世界の方の学校ではこんなに広い中庭はない、と言うか…日本の面積が少ないんだよ!
もっと土地広めろよ!
ユズル「ん? あれは……」
ユズルの視線の先には、段ボールが積み重なった荷物の山の前に1人の女の子が立ってた。
背はノアやユイより小さくて、茶色の髪の華奢な少女だ。
ユズル「あのリボンの色、多分1年生か……?」
ユズルの学年のリボンやネクタイは青色で、3年生は黄色、1年生は赤色なのだ。
「……こんなの…絶対無理だよ
なんで私引き受けちゃったんだろ…はぁ
ううん、こんな弱気になってたら絶対運べない! せっかく引き受けたんだからちゃんと運ばないとっ!」
少女は、そのダンボールを持ち上げたが…、今にもプルプルして落としそうだった。
「よいしょ……ゆっくり、ゆっくり……はぁ…はぁ…よいしょ…──きゃっ!?」
ユズル「危なっ!」
少女が後ろに倒れそうになったのを、ものすごいスピードで後ろから少女と段ボールを支えた。
「ひゃ、ひゃあぁぁあ!?」
ユズル「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!
あ、ああありがとうごじゃいます!」
ユズル「ごじゃいます…?
と、とりあえず荷物置こうか」
ひとまず少女が手に持っていた荷物を地面に置いた。
「あ、あなたは?」
ユズル「俺はユズル・シントウ」
「ユズル先輩……ですか
わ、わ私はエア・リュンスです!
あの、先程はありがとうございました」
ユズル「困ってる人がいたら助ける、当たり前だろ?
で、なんであんなことになってたんだ?」
エア「実は……、」
エアの話によるこうだ。
今日日直っぽい感じのあれで先生に荷物を運ぶのを頼まれていたらしい。
──数十分前──
先生「リュンスさんとローズさん、この荷物運んでおいてくれますか?」
エア「あ、はい!
わかりました!」
スノウ「了解であります!」
先生「職員室にお願いします」
先生はそう言うと急いで何処かに行ってしまったという、その後2人で運ぼうと言っていた2人だが。
スノウ「さ、運ぶよエアちゃん」
エア「スノウちゃん先行ってていいよ?
私全部運んでおくから」
スノウ「え、無理だよね?
エアちゃんあんまり力ないし……」
エア「よいしょ……い、いける…よ
だ、大丈夫……」
スノウ「手がプルプルしてるよ!?
それ色んな意味で大丈夫じゃないよね?」
エア「大丈夫だって! スノウちゃん用事あるんでしょ?」
スノウ「そ、そうだけど…」
エア「私なら大丈夫!
だから……早くっ! 行ってっ!」
スノウ「くっ…わ、わかった!
ありがとっ! エアちゃん!」
と、まぁ、なんか変な茶番になった末にこんなことになったらしい。
ユズル「なるほどなぁ…で、エアは1人でもてると思ったのか?」
エア「も、持てる気がしました…」
ユズル「持てる気がしただけだろ?」
エア「……はい」
ユズルは落ち込むエアの頭を優しく撫でた。
エア「ひゃああ! ゆ、ユズル先輩…!?」
ユズル「友達思いだな
よしっ、俺が運ぶの手伝ってやるよ」
エア「だ、大丈夫ですよ」
ユズル「大丈夫つっても何時間かかるんだよ」
エア「……宜しくお願いします
あの…それと…///」
ユズル「ん、どうした?」
エア「いつまで撫でてくれるのでしょう…?///」
ユズル「あ! ごめんごめん!
可愛いし撫で心地がいいしで忘れてたぜっ!」
キラッとグッと親指を立て手を突き出した。
エア「か、可愛い…!?///」
ユズル「いくぞ〜」
エアは頭から煙を出しているがそれを気にせずユズルは段ボールを持って職員室に向かった。
エア「ま、待ってくださいよ〜///」
そのユズルの後をエアが追いかけていった。




