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第0章5話

コメット平野迷宮。内部は薄暗く、前来た人が置いたと思われる松明が幾つか置いてある。


メンバーは基本的に戦闘系の職業で構成されており、その他の職業は城下町で別の勉強をしている。龍司は後衛で皆のサポートに徹している。


この迷宮は確認されているだけで200層はある。人間が到達した中で最も深い層が145層。下に行けば行くほど、魔物が強くなり、また迷宮も広くなっていく。


今日、ここに来たのは実戦訓練の為にここに来たので30層で訓練という事になっている。


30層は迷宮攻略の為のキャンプが作られており、人も何人かいる。


30層にいる魔物は凄く強い訳でも無く丁度いいくらいの魔物である。龍司は薬の補給係として騎士団のメンバーと行動を共にしている。


龍司はクラスメイトの戦いを見て、一週間の間にかなり成長した事に気付く。一週間前まではただの高校生だったのに、戦い方に迷いが無いと感じた。


特に坂井輝は客観的に見ると危なっかしい所が幾つかあるが、自分の武器である大剣のリーチの長さを利用したなぎ払いは見ていて気持ちいいものである。


自分の幼馴染である片岡彩香はタンクトップに下はジャージで手に何も無いところを見ると格闘家ポジションだと思われる。彩香は魔物との距離を一瞬で詰めて、蹴り技を中心とした攻撃をしている。運動神経がいい彩香には相性がいい職業だと龍司は思った。


そんな事を考えているとこっちにも魔物が数匹やってきた。見た目は犬だが、赤い瞳をしており、爪が異常に長い。名前はグラトニードッグと言われていて、初心者には手強いとされている。


「龍司君! 二匹、そっちに行ったぞ!!」


前衛で戦っているラグラスが龍司に向かって言う。


龍司はコートの裏側に取り付けてある弾帯ベルト(爆弾バージョン)からダイナマイトに良く似た形をしている爆弾を2個取り出す。ダイナマイトと唯一違うのは導火線が無いところだろう。


龍司はそれをグラトニードッグに向けて投げた。爆弾本体に赤の線が出て来て、それが中心に向かって行く。そして、赤の線が中心に到達した時、爆弾は音と共に爆発した。グラトニードッグは跡形も無くなった。


この爆弾は魔力を流す事で内部にある魔力の伝導率が高い火薬が詰められており、中心部には魔力に触れる事で爆発を起こす鉱石が埋められている。手に触れるだけで使える爆弾なのでかなり使える。


騎士団のメンバーは龍司の事を今回の迷宮攻略で評価を高くした。サポートが出来れば攻撃も出来る。彼は優秀な人材だと騎士団のメンバー全員がそう思った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~




数時間後。輝達が何かを見つけたらしく、騎士団のメンバーと龍司はそこに向かっていた。


龍司達が到着していた時は全員何かに目を向けていた。龍司もそれを見る。


そこにあったのは鎖で繋がれた人形だった。人形の顔の部分は口以外のパーツは無かった。口も不気味に笑っている感じがする。


人形に不気味なオーラを放つ黒いシルクハットが被せてあり、赤黒いネクタイを締めた黒いスーツが着られている。


「僕が先行して調べます。皆さん下がっていて下さい」


そう輝が言う。ラグラスが輝に向かって声をかける。


「待て! まずは周辺に何かがあるのか調べてから………!?」


ラグラスの声は遅かった。輝が一歩、たった一歩踏み出しただけだった。人形の口が動き、そして笑った。


全員、背中に嫌な物が走った。それと同時に、人形を中心にドス黒い魔法陣が展開される。



~~~~~~~~~~~~~~~~



龍司達は別のところにワープされたのか見知らぬ場所に居た。そこはただ広く、前方に何かが居た。


前方に居たのはさっきの人形が人間らしき姿になっていた物だ。顔には形は無くて、影が揺らめいているだけである。顔のパーツは口だけである。


手と足も顔と同じく形は無くて、影が揺らめいているだけである。


そして、そいつの背後には大きな魔法陣と魔法陣から黒い腕が伸びている。


龍司はその姿に見覚えがあった。アリアの錬金工房にあった本でその姿は見た。


かつて、魔人がとある人間を殺す為だけに作り上げた悪魔。その人間と悪魔は死闘を繰り広げて、最後は人間と相打ち。その人間によって体は封印された。


本にはそう記されていた。だがあの話は古代の出来事。さらに人間と悪魔の死闘が行われたのはこことは全く関係ないところである。何故、そいつが今ここにいる? 龍司の頭の中で様々な物が駆け巡る。


悪魔は右手でシルクハットを掴むと不気味な笑いを上げる。


龍司達の後ろに影の騎士と呼ばれる魔物が現れる。普通は70層にいる魔物で個々の戦闘力は高くないが数で攻めてくる魔物である。


そして、悪魔の後ろに赤い鎧を纏い、巨大な斧を持って、10mはある巨人。名前はギガンテスと言われる魔物。


ギガンテスが咆哮を上げて、戦闘の幕が切って落とされた。




第1章1話は今日か明日に投稿します

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