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第0章4話

龍司達が異世界へ転移されてから約1週間という時が流れた。龍司はアリアの元で錬金術を学び、そして賢者の石や高位な薬剤などの作成に成功した。その噂は瞬く間に国に広まった。


「凄いじゃない! 龍司君、もうすっかり有名人になったじゃない! 師匠として嬉しいよ」


龍司が錬金術の師匠と呼んでいるアリアは龍司の成功を一番喜んでくれた。無論、騎士団の施設からも大量の手紙が届き、それは龍司の成功を祝う物であった。団長であるラグラスは施設からわざわざこちらまで出向いて祝いの言葉をくれた。


この世界に来て成長したのは龍司だけではない。どうやら、ラグラスの話によると他の生徒も着々と力を伸ばしているのだ。二日後にコメット平野という国から少しした所にある迷宮に訓練に行くらしい。コメット平野の迷宮はそこそこ良い鉱物が採取出来るのでこれに参加しようとしている。


だけど、戦闘訓練を受けていない龍司が行っても足手まといになるかと言われればそうではない。錬金術師にも戦う方法はちゃんとある。


錬金術師の戦い方は道具を使用したものである。傷薬などの使用で後衛に回る事が出来れば、爆弾とかを使って前衛に回る事も出来る。現在、龍司は迷宮攻略の為の爆弾と薬の製作をしている。


「ありがとうございます師匠。え~と、迷宮攻略なら爆弾と薬、それ以外に使う物はありますか?」


龍司がアリアに聞く。爆弾は威力調整が出来る様に大と小を作り、薬は傷薬と解毒薬、魔力回復の為の薬を作った。(魔力回復の薬は龍司は使用しないが魔法使いとかが使用するかも知れないから一応作成したらしい)


「ん、ん~。スペアの賢者の石を幾つかと後は身体強化薬とか必要じゃない? 龍司君は確か強化薬の上位バージョン作ってたけど、あれは副作用が強いから普通のを幾つか作ればサポートも出来るんじゃない?後は小型錬金釜ね。現地で錬金術を使うのなら持っていった方がいいよ」


そう言われて、龍司はそれ等の製作に入る。賢者の石は簡単に作れるのか?となるが案外簡単に作れる。ただ最初の一個に辿り着くまでが遠いだけで。スペアを作る意味は?と聞かれれば、賢者の石は無限に近い魔力を内包していて、知っている鉱石なら幾らでも作れるが、その度に賢者の石の魔力を使用する。かなり高位な部類の鉱石を作っても、魔力はそう簡単に無くならないが、迷宮攻略に行くのならスペアは幾らか欲しい。と言っても賢者の石を使えるのは錬金術師だけなので余り多過ぎても困るだけだが。


身体強化薬はその名の通り、身体能力を強化する薬である。普通の物なら副作用は無いが、龍司が作り上げた身体強化秘薬は身体能力が他のと比べものにならないくらい強化される。が、副作用が半端では無い。全身に激痛とかが可愛いくらいに思える様な、死んだ方がマシな様な痛みが全身を駆け巡る。何でここまで詳しく知っているのかと言うと、一度試作を飲んだからである。(その後、アリアが薬を飲ませてくれたから無事であった)


そう言われて龍司は二つを作成する。机の上に鎖みたいな物に爆弾が幾つも付けてある武器がある。


これは、龍司が開発したチェーンボムという物で鎖を対象に巻き付けて、爆弾の起爆ボタンを押す事で連鎖的な爆発が起きる様になっている武器である。鎖はかなり頑丈に作られており、爆弾を取り付ければ再利用も出来る物となっている。


その他にも色々な物を龍司は独自に開発している。身体に巻き付ける弾帯ベルトを爆弾を入れれる様に改造したものを開発したり、火縄銃に限りなく近い物を作成している。


龍司の兵器オタがこんな所で役に立つとは本人も思っていなかったであろう。そもそも、火薬があれば爆弾位は作成出来るし、火縄銃位も作れるだろう。もう少し追求していけば現代兵器を作る事も可能であろう。というか本人は義手にガトリング砲を内蔵するのが目標にしているらしい。


まあ、そのような話は置いとくとして、今の彼のステータスを見てみよう。一週間でどれ位成長したのか見てみよう。


細川龍司 17歳 男 熟練度20(D)


筋力100


体力350


耐性300


知識1000


魔力600


スキル 錬金術Ⅴ[超高速錬金][錬金効率アップ特大][高位錬金術][品質強化特大] 鑑定Ⅴ 鉱石作成Ⅴ[賢者の石作成可能][使用効率アップ大] 薬物作成Ⅴ[秘薬作成][農薬作成][強化薬作成] 自己流錬金術 爆弾強化 簡易錬金術[能力強化大] 言語理解


さて、スキルの欄が凄い事になっている。スキルの後ろにある、かっこで囲まれた所を追加スキルと呼ぶ。これは熟練度とは関係無く習得出来るスキル。追加スキルは本人がどのような経験を積んだ事によって習得出来る物が違う。追加スキルを手に入れる一番の近道は様々な経験を積む事。これに限る。龍司が短時間で多くの追加スキルを手に入れられのは師匠であるアリアが今までの経験を元に錬金術を教えたからである。こういうやり方でも追加スキルは習得出来る。


スキルの中に自己流錬金術と簡易錬金術という物がある。これを見ていく事にしよう。


まず、自己流錬金術は自分だけのオリジナル道具を作成出来る様になる。錬金術の一流を目指すにはこれが不可欠である。


簡易錬金術は道具が無くてもある程度の物なら錬金出来る様になるものだ。錬金術は錬金工房みたいな施設を必要とされるが、このスキルさえあれば迷宮の中でも錬金術が行える様になる。(小型錬金釜というアイテムがあれば作れる物も増える)


さて、長々と説明が入ってしまったが龍司は迷宮攻略の為の準備は済んだ様だ。後は騎士団からの連絡を待つだけだ。


錬金術があらかた終わって龍司は退屈し始めた。龍司はあの時、ロベルトから貰った本を見ている。そこに書いてある錬金術は出来そうで出来ない。そんな感じがした。あまり市場に出回らない希少な鉱石や薬草を必要としている辺り、作るのは不可能に等しいだろう。


龍司は何故この本を渡したのか?と思う。賢者の石や秘薬はまだ作れる。だがその他の物は作る事すら出来ない。賢者の石や秘薬のレシピは少し高い錬金術の本を買えば書いてある。この本の9割は太古の時代に作成された物と伝説に記されている。さらに素材を扱うという点では超一流の錬金術師でも苦労しそうな素材ばかりである。ロベルトはいつか、この本に記された錬金術を使うのを望んでいるのでは?と思う。


龍司がそんな事を考えている時に窓から外を見た。すっかりと日は落ちていた。龍司は体を伸ばす。


「どうやら、お疲れみたいね。今日と明日はゆっくりと休んで。私はご飯の買い出しに行ってくるから」


アリアはそう言うとカバンを持って出かけた。龍司は机に置いてあったチョコパイを幾つか食べてそのまま寝室に向かう。そして、龍司は死んだ様に眠った。



第0章5話は19時〜20時の間に投稿します

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