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第3章1話

ギガースとの戦いから1週間が過ぎた。戦いの後は舞花に怒られたが、今は気にしていない様だ。俺は今、部屋の中でルミナ神話を読んでいる。軍の図書資料室にルミナ神話が置かれていたので借りて来た。


ルミナ神話ではコスモ・リングはプリーモという男が使用していた様だ。どうやらプリーモという男はとある農村に現れた暴君の能力を持つ者で、彼は王国を築いた男と書かれている。


さらに、プリーモは世界各地を回って自分の信頼をおける者を自分の部下にしていた。そして、部下達もプリーモに絶対的な忠誠を誓っていた。


神話によると彼は王国を築き、王国が安定した頃に最も信用していた部下に王国を任せ、親友と共に旅に出た。と書かれている。


始まりは自分と同じ様な物だと思った。そして、右手を見て考えてしまう。これは偶然ではなくて必然なのかと。自分も彼と同じ道を辿るのかという事を。


運命とは可笑しい物だと思う。余りそういうのは信じないがこればかりは信じてもいいと思う。


自分に似ている者がルミナ神話にいる。彼は元々人間だったが、仲間と思っていた人間に殺され、復讐を誓い転成した者だ。


彼は常に1人、彼に帰る場所はなかった。彼は神話の中で


「復讐者に帰る場所、仲間はあってはならない。何故なら、帰る場所、仲間が復讐にあうかもしれないからだ。復讐者は常に1人で復讐を果たさないといけない。そして、復讐者は1人で戦い続けなければならない」


彼はそう言っていた。俺はそれを見て、自分は甘いというか弱かったかもしれない。俺は復讐を果たして帰ると言ったがそれは俺の甘さであってそれと同時に弱さだったのかもしれない。俺はどうするべきなのか、それを考える必要がある。




~~~~~~~~~~~~~~~~~




「舞花様!!」


フロールが舞花の部屋の扉を思いっきり開ける。舞花はフロールの慌てぶりを見て言う。


「何かあったの?」


「レブル様が手紙と設計図を置いて、何処かに行ってしまいました!!」


フロールは手紙を舞花に渡す。舞花は手紙を開ける。


『これを読んでいるという事は俺は復讐に行ったのであろう。俺は甘かった。俺は人間の心を忘れていなかった。だが、それでは復讐は成せない。もっと残酷に冷酷にならなくてはいけない。俺は魔人を超えた存在。魔王になる。人間の心を捨てて。

俺が人間の心を持っている最後の頼みを聞いてくれ。ディバイン樹海にある村がある。帝国軍が植民地にしていた村だ。その村に俺の残した設計図を渡してくれ。そして、君だけでもいい。あの村を助けてくれ。ミリアや村の連中との約束を破るという事になるが、お前だけでもいい。あの村を導いてくれ。そして、俺を見つけて魔王となった俺を殺してくれ。それだけでいい。それが最後の頼みだ』


そこで手紙は終わっていた。舞花は涙を流していた。そして、舞花は2人に指示を出す。


「レブルの残した設計図と私の管理している範囲での物資を明日村に届け、話し合いの場を設ける様に頼みます。2人共、準備をお願いします」


舞花がそう言うと、フロールとアリスは準備にかかった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~



後日、舞花達はディバイン樹海の村でミリア、ロウシ達と会合。レブルの残した設計図をミリアに渡した。そして、舞花達と村は協力関係を結ぶ事になる。


そこから1週間後、サイレンスが前線に輸送中に何者かの襲撃を受ける。サイレンスは修復不可能までに破壊された。輸送部隊は全滅、輸送馬車に血でレブルの書かれていた。


その後も、多くの国の輸送部隊、貿易部隊が襲撃されるという事件が起きる。全て、レブルという文字が必ず何処かに書かれていた。


これを重く見た各国は輸送部隊などを強化、そして帝国は監視クリスタルからレブルの似顔絵を描き、各国に渡し、発見して倒した者には多くの報酬を渡すという事を決める。


多くの討伐隊がレブルを討伐しようとするがレブルを討伐した者は1人もいない。


レブル自身は魔剣デスペリアを進化させ、双魔剣ツインデスペリアを作り上げる。そして、レブルは孤独の魔王と人間達に言われる事になる。


魔人達はこの自体を好機と見て、魔王達はレブルに接触を図る。レブルは魔王達に


「もう少しだけ待ってくれ。目的を果たせば、お前達の所に出向く」


と言った。魔王達はそれを良いと見て、レブルにこれ以上の接触はすることをやめた。


そして、1ヶ月の時が流れルミナの何処かでレブルは………


「お前がバハムートだな?」


レブルは白い鱗を纏い、白の翼を持った翼竜に向かって言う。翼竜はレブルの問いに答える。


「その通りだ。遂にここまで来る者が現れたか……。目的は私だな?」


「よく分かっているじゃないか。俺はお前を殺して、さらなる力を手に入れ、復讐を果たす」


「復讐は復讐しか産まない。貴様は負の連鎖を歩む事になる。それでもいいのか?」


レブルは腰にある剣を抜く。黒と赤の双剣。刃渡りは100cmに及び、柄の部分に魔法陣が刻まれている。


「悪いが俺はそれを歩むつもりでここにいる。さて、行くぞ」


レブルは翼竜に向かって走り出す。翼竜は


「貴様が望むのなら……来い、孤独の魔王!!」



そして、物語は1ヶ月後に再び始まる。





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