第2章5話
機械馬車に乗ってから約10分の時間が経った。目的地に着いたのか機械馬車が停止する。フロールとレブルは機械馬車から降りる。そこは空港みたいに滑走路があり、滑走路の両脇に多くの倉庫がある。
機械馬車から降りたらアッシュともう1人、俺と同じ軍の服を着た女性が立っていた。彼等は敬礼してから各自自己紹介を始める。
「機動兵器隊1番機のアッシュ・クレストです。今日は護衛と機動兵器の解説を担当させてもらいます」
「機動兵器隊2番機のレイラ・クレストと言います。今日はお兄……じゃなくてアッシュ・クレストの補佐を務めます」
レブルとフロールは軽く敬礼をする。そして、アッシュとレイラが倉庫の中に入って行く。レブルとフロールもそれを見て倉庫の中に入って行く。
中には全長5mの青い機体が仰向けになっている。整備士が機体の整備をしている。アッシュがあれを手で指して解説を始める。
「あれを機動兵器といい、正式名称は魔力動力炉機動兵器と言われています。我が軍が魔力工学を研究し、作り上げた最高傑作です。また、この機動兵器は作業用にも使用されており、あれが作業用の機動兵器となっています」
アッシュが3mの足にローラーが着いた、コクピットが前面にある兵器を手で指す。腕は片腕だけで2mで装甲が全く、コクピットも黄色のガラスがあるだけで剥き出し状態となっている。
「機動兵器は魔力炉と魔力増幅炉の2つを組み合わせる事で魔力動力炉を起動させています。ただこの魔力炉は他のエネルギー又は搭乗者の魔力を機動兵器用の魔力に変換し、それを増幅炉で増幅することでエネルギーを得ています。さらに機動兵器用の武装は多くの魔力を必要としています。その為、機動兵器を使用するには多くの魔力を必要とするため機動兵器は国から許可が下りなければ使用出来ません」
アッシュの説明にレイラが補足を入れる。
「機動兵器は運用に多くのコストがかかり、整備にも多くの設備を必要とします。コストの面ではこの兵器が1番高い為、使用許可がなかなかおりません。ですが、1度だけ前線で使用された時は魔人が使役する魔物で最高クラスの魔龍を圧倒しました。多くの厳しい条件がありますがそれらをクリアすれば強力な兵器となります」
魔龍は普通の鉄製の鎧と鉄製の剣の兵士2000人が居ても勝てないくらい強い。強靭な鱗に獰猛な牙、巨大な翼、鋭い眼光、まさに最強の魔物である。だが、魔龍は龍の中で弱い部類である。龍系列最強は龍神王で次に究極龍辺りが龍系列で強い部類である。だが目撃情報は極端に少ない。話がずれたが魔龍を倒せるということは機動兵器はかなり強い。
「解説は以上となります。これからは自由に機動兵器を見てください。俺達が護衛につきます」
俺は倉庫の中を歩く。アッシュやレイラが機動兵器や機動兵器用の武装を言えば教えてくれる。凄いとは思うけど、色々と現実離れしているから信じられないけどこれが現実だよな~と思いながら見ている。
1、2時間歩き回った時だった。急にブー、ブー、ブーとサイレンが鳴り、赤いランプがつく。アッシュ、レイラ、フロールがハンドガン、ハンドガンにはエレクトロンⅢと刻まれている。レブルを中心に3人は三角形の隊形をつくる。そして、アッシュの近くに男が近寄り耳打ちしてくる。アッシュが聞き終わると男はレブル達の歩いた道を行く。
「侵入者だ。クーデター軍、数は40程だ。魔法を使う奴が何人かいる。遠距離攻撃に注意しろ」
アッシュはそう言って、身体を隠す物を探す。大きなコンテナがあり、そこに俺を連れて行く。2人は後方と横を警戒しながらついていく。
走る足音が聞こえる。音からして1人では無く複数だろう。アッシュがレイラを見る。レイラは頷く。その後、アッシュが手で3、2、1とやり、0のタイミングで手を握る。レイラがコンテナから飛び出してエレクトロンで攻撃する。エレクトロンからピンク色の弾が飛んでいく。
エレクトロンに反応したのか呪文が聞こえてくる。
「炎よ! 龍の力を帯び敵を焼き尽くせ、炎龍弾!!」
そう唱えると龍の形をした炎が飛んでエレクトロンをかき消す。レイラは手を出す。そして、
「凍土壁!!」
呪文を詠唱せずに魔法を発動する。レイラの目の前に氷の壁が出来るそして、続けざまにレイラは魔法を使う。
「氷の腕!!」
氷の壁から無数の腕が生えて来て炎の龍を掴む。炎の龍は凍り付く。
それを見てレブルは驚いた。レイラが超魔法持ちという事に。呪文を詠唱せずに魔法を使えるのは超魔法を持つ者だけだ。レブルも加勢したいが魔法陣のせいでそれが出来ない。魔法陣を解除する方法を模索するが出てこない。その時だったレブルの脳に声が聞こえる。
『魔法陣のパターンを解析、完了。魔法陣の構成を解析、完了。魔法陣の分解、完了』
その声が聞こえて魔法陣が消える。どうやら知識の宝物庫がやってくれた様だ。全身に魔力が流れる。これなら!!
瞬間移動しようと思った時だったフロールに肩を掴まれて耳打ちされる。
「レブル様、戦闘に加勢するなら前線に私も瞬間移動させてください。貴方だけでは何をするか分かりません。せめて私だけでも連れて行ってください」
フロールはそう言う。レブルは少し気が引けたが仕方ない事なのでフロールも連れて行く事にする。そして、レブルは敵の中心に瞬間移動をする。




