第2章1話
少しバタバタしていて、昨日投稿出来ませんでした。すみません。今回からは第2章ギガース編です。
レブルが目覚めるとそこは馬車の中であった。何故、一目で分かったのかと言うと、レブルも馬車には乗っているからだ。目の前には赤いチャイナドレスを着た女性が座っている。彼女は笑顔でレブルに話す。
「初めまして! 貴方がレブルね! 私はアリス。貴方を護衛する者であって、貴方を監視する者よ。よろしくね!!」
一瞬、言っている意味が分からなかったが自分の手を見て気付く。手首の所に手錠がされている。手錠は想像していた物よりかは随分と小型で薄い。これ位なら力を入れれば破壊出来ると思ったが、力が入らない。と言うか、さっきから魔力が手首の辺りで遮断されている。
「手錠を外そうと思っても無駄よ。その手錠は帝国軍が使用している特殊な手錠。魔力の流れてをせきとめて、力を入らなくする。魔人の君でもこの手錠は破壊出来ないわ」
多分、彼女の言っている事は正しいであろう。魔力が全然流れない。手首と手以外の全ての身体の部位が魔力コントロール激でも手首の先に魔力が流れる様子が全く無い。
「まあ、君は確かこの村のトップだったよね。何か伝言を残すなら手紙を書いてあげるけど」
彼女がそう言う。伝言か……。一応残しておくか………。
俺は彼女に伝言を書かせる。内容は『俺はこの村から去る。約束を破る様で心苦しい。すまない。
もし、俺が再び戻って来た時に歓迎してくれると嬉しい。
今後の村の指揮はミリアに任せる。皆でサポートしてやって欲しい』
と言った内容の手紙を書いて貰う。書き終わった時に確認為に手紙を見せて貰ったが彼女の字は綺麗である。字崩れが殆ど無い。
「これでいい」
それだけ言うと、アリスは一旦馬車から降りる。直ぐに帰ってきた。
アリスが馬車に乗り込むと少し馬車が上下に動いたら馬車が動き始めた。
馬車の中ではただ沈黙。どちらも話す気はないのか口を開かない。そのためか、レブルは急に睡魔に襲われ、いつの間にか寝てしまう。
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龍司は走っていた。レブルでは無く、龍司としてだ。彼は学校の制服、夏服だろうか半袖の白いカッターシャツに黒の学生ズボンをはいている。ただ龍司は走り続けた。学校の白い階段を上がり続けた。息を乱しながら走った。
そして、階段は途切れる。そして、扉を勢い良く開ける。そこは屋上。綺麗な青空が広がっている。普通なら空を見ていたいと思うが龍司はそんな事を気にしている余裕は無い。
龍司はフェンスの向こう側を見る。そこには白い半袖のセーラー服を着た女子生徒が居た。少し歩けば地面に落ちてしまう。ここは4階の上、下はアスファルト。落ちたら確実に命を落としてしまう。
龍司は叫ぶ。その女子生徒に向かって。
「おい!! そこから飛び降りようとするな!!」
龍司は女子生徒を振り向く。女子生徒の黒く長い髪、パッチリした黒い目。誰が見ても可愛いと思える顔。彼女は目に涙をためながら、笑顔を作る。そして、龍司に話す。
「ありがとう。私を見つけてくれたのは君だけだよ……」
「皆、血眼になって探している!! だから考え直してくれ!! そこから飛び降りようとするな!!」
龍司は声が枯れそうになるが、必死に叫ぶ。
「龍司君は優しいね。いつもクラスの中心に居て、皆を引っ張って、凄く……明るくて……」
彼女は笑顔になりながら大量の涙を流している。途切れ、途切れになりながら、彼女は話している。
「そんな君が私は凄く好きだった。私の初恋。散ってしまった初恋」
「散らせるか!! 君の初恋なんて終わらせる物か!! 俺はお前の事が大好きだ!! だから死ぬな!! 俺がお前を幸せしてやる!! だからそこ落ちようとするな!!!」
龍司も涙を流しながら叫ぶ。
「大丈夫。そんなに泣かないで。私達は巡り合う。必ず。だからそれまで我慢して。その時言うから。必ず」
龍司は走った。頭に嫌な映像が流れたから。ただ闇雲に走った。そして、必死に手を伸ばす。彼女も手を伸ばす。そして、弱く握る。龍司は引こうとするがその前に弱く握った手は離れる。そして、彼女は笑顔で落ちて行った。
龍司には何が起きたのか分からなかった。そして、叫ぶ。ただひたすら泣き叫ぶ。
「うあああああああああああ!!!!!!!!」
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その数日後。学校は夏休みに入った。龍司は何もする気が起きず、ただ起きて、ご飯を食べ、寝る。彼女の事を思いながら。
ある日、彼女の母親から封筒を貰う。少し大きめの封筒の中にはボイスレコーダーが入っていた。龍司は自分の部屋で1人でそのボイスレコーダーを再生する。
『これを聞いているという事は私はこの世界に居ないという事でしょう。メビウスの黒輪から脱出するには私がメビウスの輪に入る必要があった。だけどメビウスの輪に入ったという事は必ず巡り合う。君と私は必ず巡り合う。多くある世界の何処かで。
今までありがとう。そして、好きだったよ。舞花より』
龍司はボイスレコーダーを聞いて1人泣いた。ただひたすら泣いた。
これが龍司の中学3年の夏の出来事であった。
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レブルは目を覚ます。どうやら夢を見ていた様だ。とても懐かしくて、とても悲しい夢を。
今思うとメビウスの黒輪やメビウスの輪の意味が分からないが、俺達がこの世界に来たのもそれが関係しているのだろうか?
今思うと分からない事だらけだ。
レブルはそう思う。馬車が止まる。アリスが馬車にある窓から外を見る。
「さて、着いたから降りようか」
そう言ってレブルの手を引く。馬車から降りるとそこは都市と言える所だった。ブリリアント王国はそれこそファンタジーの世界にある王国だったが帝国はその逆で現代には及ばない物のれっきとした都市であった。
アリスとレブルの前に紅のチャイナドレスを着た女性が現れる。アリスと顔がそっくりだ。彼女は自己紹介をしてくれる。
「私の名前はフロール。アリスの姉です。私も貴方の護衛と監視を任された者です。よろしくお願いします」
フロールはそう言う。彼女達の外見は身長は170cm位で頭に白いお団子の髪飾りを左右にしており、髪型はフロールが長めのツインテールでアリスが三つ編みとツインテールを合わせた様な髪型である。顔は2人ともモデルとかに居る、男を魅了出来る顔である。そっくりだが、アリスは少し強気な表情でフロールは控えめな表情である。
脚は2人とも美脚と呼ぶに相応しく、細く綺麗な脚である。
「私達の上司がお待ちしております。どうぞ此方へ」
そう言ってフロールが立派な建物の中に案内してくれる。こうして見れば普通にしっかりとした護衛対象だけど手錠があるせいでそうも言ってられないのが難点だな。
そう思いながら建物の中を案内されながら歩く。
第2章2話は明日投稿します。




