第1章16話
レブルはミリアの元に着く。何か巨大な装置が稼働しており、中から木箱が排出されている。レブルはミリアに話しかける。
「ミリア、ロウシから聞いたが俺に何か用があるのか?」
ミリアは振り向いて、レブルに話す。
「説明している時間が無いから、指示だけだします。ウィズダム本体のクリスタルを掴んでください」
レブルは頷き、ウィズダムにある2つのクリスタルを掴む。
「私の言うタイミングで魔力を流し込んでください。行きます。1、2、3……やってください!!」
レブルはミリアの合図で魔力を流し込む。ウィズダムも稼働しているせいか、ウィズダムからも魔力を流れる。レブルとウィズダムの間で多くの魔力が流れている。
レブルの目に何かが映る。目には誰かの視界、そして耳には音が流れる。まるで誰かの記憶が脳に流れ込んで来る。
その映像は普通の人間が見て耐えられる様な内容ではなかった。誰かの苦痛の叫び、助けを呼ぶ声、何かが弾け、液体が周囲にばら撒かれる音、何かが折れる鈍い音、そして、視界にはとある1人の男の背中が映る。おの男は徐々に振り向く。そして、その男の口は「よ、う、こ、そ」と動いていた。
そこで映像が終了した。全身から汗が肩でレブルは肩で息をしている。ミリアが慌てて近付く。
「大丈夫ですか!? 顔色、凄く悪いですよ!!」
ミリアが身体を支えてくれる。かろうじて、魔力コントロールは保てているが、映像の時は魔力コントロールが崩れていた。
だけど、兵器は完成したらしく、ウィズダムから黒い箱が排出されている。俺はミリアに身体を支えて貰いながら、黒い箱に近付き、黒い箱を開ける。
「これは……、弓なのか?」
中に入っていたのは折りたたまれた弓だった。弓矢を入れる矢筒は背中にかける式のと、腰につけるポーチ式の2つ、あった。
さらに黒い小型の箱があり、中には小型の色付きのクリスタルが4つあった。
ミリアが黒い箱と共に排出された紙を見て、この兵器について説明してくれる。
「この兵器の名前はリボルト・ボウと言います。使用者の魔力に反応して、弓を引く際に必要な力を少なくなっております。弓矢も引かれた時に使用者の魔力に反応して発射された時の速さと威力を上げています。さらにクリスタルをリボルト・ボウに装着することで弓矢に追加効果を与える事が出来ます。赤はブラストモード、弓矢が着弾と同時に爆発するモードで青がアブソリュートゼロモードで対象を氷結させる事が可能です。黄色がサンダーストームモードと言い、対象に電撃による攻撃を与える事が出来ます。緑がブロウモードと言い、風を纏う事で弓矢の速度を上げる事が出来ます。また、この弓はレブルの魔力以外には対応しないため、レブル本人以外使用不可となっております」
少し長い説明だったがある程度は覚えた。俺は、矢筒を背中と腰につけて、クリスタルの入ったケースを腰につける。そして、弓を展開させる。
正直言って、俺は弓なんて使った事がない。これをちゃんと使えるかどうかは不安だが、魔力がサポートしてくれるだろうし、多分大丈夫であろう。
俺は戦場に向かおうと瞬間移動の準備をする。魔力コントロールも今は安定している。これなら低燃費で瞬間移動を使用できる。
ミリアがレブルに話しかける。
「あの………、戻って来ることを約束してくれますか?」
レブルはミリアの問いに笑顔を作ってから答える。
「当たり前だ! ちゃんと戻って来てやる!!」
レブルはそう言って瞬間移動をする。
レブル、前線に到着。
今回は少し短いです。次話は今日の夜に投稿します




