表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/40

第0章2話

うん、思い出しても何も変わらないなうん。俺は廊下を歩き出した。


その廊下はただ長く、終わりが見えてこない。歩くのがダルいと思えて来た時だった。石の壁が突然現れた。その壁には顔の彫刻がされており、顔は目を開くと喋り始めた。


「お主、名は何と言う?」


龍司の反応が遅れる。どうやら、予想してないことが起きたためか混乱しているようだ。龍司は深呼吸をすると自分の名前を言った。


「細川龍司です」


そう言うと、顔は質問をして来た。


「お主、得意なものは何だ?」


得意なものと聞かれて少し悩む。龍司は運動は出来る方だが得意ではない。かと言って勉強が凄く出来るかと言うとそうでも無いかもしれない(龍司の勉強の成績は200中50位くらい)。まあ、ここは勉強で答える事にした。


「勉強です。どちらかと言うと理数系です」


龍司がそう答えると顔は話す。


「うむ。先に通る事を良しとする。さあ行くが良い異世界の勇者よ」


そう言うと壁は消えて無くなった。最後に異世界の勇者とか聞こえたけど気のせいと思いながら龍司は先に進んだ。



廊下の終わりに木の扉がある。大きさはごく平均位の大きさだ。扉の両脇には青い炎が灯っている松明がある。俺はその扉を開ける。


中はそう大きくなく、何方かと言うと小部屋みたいなところであった。青い炎の松明を明かりにしていて、中心には丸卓と椅子が二つ置いてある。その一つに白い顎髭を生やした老人が座っていた。その老人はジッとこちらを見ている。どうやら、来いと言いたいのだろう。俺は、椅子に座る。


「よく来てくれましたな勇者様。我々は歓迎しますぞ。私はロベルト・ベーカーと申す者。よろしくお願いしますぞ」


ロベルトと言う老人。龍司でも分かった。この人は俺達とは違う人間という事に。多分、多くの修羅場を乗り越えて来た。そんなような覇気を身に纏っている。


「はは、結構緊張しておりますな。安心しなされ、私は貴方に危害を加える気はありませぬ」


ロベルトが陽気に言う。龍司も警戒を解いた。そして、ロベルトに言う。


「勇者様ってどういう事だ? そもそも、何で俺はここに居るんだ?」


さっきからやたら勇者様と呼ばれる。その理由を突き止める為、ロベルトに聞く。そして、ロベルトは答える。


「よくぞ、聞いてくれましたな。まあ、取り敢えず話を聞いてくだされ」


結構長い話だったので要約すると、この世界の名前はルミナと言われている。


ルミナには人間、魔人、竜人、獣人、妖精が居て、人間と魔人が今戦争中との事だ。魔人は人間程数は多くないが、それを大量の魔物で補っていた。それでも、人間側の方が有利であった。


だけど少し前に戦況が大きくひっくり返った。どうやら、魔人の作る魔物がより強力な物になって来たのだ。強力になった魔物を悪魔と呼ぶようになった。悪魔はそれなりに知性を持っており、かなり強いらしい。


竜人と獣人と妖精はこの戦争に興味を示していないのか、何方の方にも加勢はしていない。ただ、友好的な関係を築いているのは人間の方に築いているらしい。


そして、話を戻すと戦争が不利になったため、別の世界の強力な魔力を持った人間をゼウス神が呼び寄せたらしい。


ゼウス神は人間の多くが信仰している神様で、他にも多くの神がいる。勿論、種族によって信仰している神様が違う。


そして、ゼウス神は異世界から来た人間を勇者として、強力な力を与えたと言っていたらしい。


「早速ですが、この本に血を垂らして下さい。一滴で十分ですよ」


少し小さめの辞書みたいな本を置かれて、小さな針を渡される。本の表紙の中心が少しくぼんでおり、そこに血を垂らせという事だろう。俺は針で指を指して血を垂らす。


血がくぼみにはいると本が勝手に開いて字が浮かび上がる。


細川龍司 17歳 男 熟練度1(F)


職業 錬金術師


筋力 30


体力 50


耐性 40


知識 200


魔力 100


スキル 錬金術Ⅴ 鑑定Ⅳ 鉱石作成Ⅴ 薬物作成Ⅴ 言語理解



と表示された。平均値を知らない為、どれだけ凄いのかがよく分からない。そんな事を思っているとロベルトが説明をしてくれる。


「錬金術師か、中々珍しい職業になったな。さて、先ずは熟練度から説明しようか」


少し長めのテンプレ説明が続いたのでこっちで要約すると、どうやら熟練度は数字が能力値の成長具合を表し、英語がスキルの成長具合を表す様だ。そして、数字の方は100でカンストしこれ以上能力値は上がらない事を意味する。英語の方はF~ExまであってExがカンスト値の様だ。


熟練度の説明が終わり、次の説明が入る。


「この筋力とかが能力値じゃな。この世界の住人の平均は10くらいじゃから、そこそこ強いんじゃないか? 大体エリート騎士団と同じくらいじゃろ」


エリート騎士団という事はやはり、そこそこの戦闘は積んでいる筈だから熟練度も高い筈。それが最低値でこれだから訓練を積み重ねればメッチャ強くなるという事。チートでは無いけどこれでもいいかも知れない。


そして、説明が続く。どうやら、錬金術師は国でも多くない方で少し珍しい職業らしい。そして、錬金術師は錬金系のスキルが高いと色んな物を作れる様になるらしい。錬金術、鉱石作成、薬物作成はⅤが限界でそこから様々なスキルが付け加えれる様になるらしい。これがどれだけ凄いのかと言うと、そこそこの設備があれば錬金術の代表的なアイテム、賢者の石が作れるらしい。


設備などは俺達を向かいいれてくれる国が用意するらしい。


「さて、あの祭壇に乗ればワープする。そこから先はブリリアント王国の騎士団が世話をしてくれるであろう。幸運を祈る。それと、これは私からのプレゼントじゃ。きっと役に立つであろう」


ロベルトが机に辞書くらいの厚さの本と羽ペン、それを入れるウェストポーチを置く。


「その本には役に立つ道具の作り方が書いてある。例えば賢者の石とかな。その羽ペンはさっき渡したステータスブック専用の羽ペンじゃ。それを使えばステータスブックの白紙のページに色んな事が書き込める。使ってくれ。このウェストポーチは賢者のポーチと言って通常じゃあり得ないくらい物が入る様になっている」


色々と役に立つ物の様だ。特に錬金術の本と賢者のポーチはかなり役に立つであろう。俺はポーチの中に貰った物とステータスブックを入れる。


そして、祭壇に乗る。祭壇から光が溢れ出てそれが俺を包む。そして、視界が完全に光に染まる前にロベルトの声が聞こえた。


「また会おう」


その言葉が聞こえて、そして、俺は光に完全に包まれた。

17時くらいに第0章3話を投稿します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ