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予定

引き続き変態ちゃんです!

(追記)しまったー!!タイトルまちごえたぁぁ!!!修正しました!


地味に、語尾に“。”等が付いているのはドラ乙、文章の続きが略されているのがおっさん、単語だけなのが変態ちゃん、という区別が有ったりします。

ここからプライベートな部屋まではそこそこの距離だ。

僕は早くドラゴンの所に行きたかった。


先程は下らないことを考えすぎてしまった感がある。

…悪い癖だ。何の脈絡もない事をつい考え込んでしまう。

良いことを思いつくこともあるけれど、余りに建設的ではない蛇足を考えて時間が過ぎることはあまり誉められたことではない。


あぁいやいけない。…そう、食事の時間が過ぎてしまうかも知れないのだった。


そうだな、近道しようか。

僕の部屋に出られれば多少怪しまれても大丈夫でしょ。


そう思った僕は、一見何の変哲もない階段の下に潜って壁をあけた。

すると熱い風と共に、仄かな光しかない薄暗い空間が表れる。

明らかに古くさく、熱気の立ちこめるそこは、この城の発熱機の管が張り巡らされた裏通路だ。


僕は保温結界の作動を確認してから、その薄暗い道に足を踏み入れた。


淡く光を放つそれは、曲がりながらも延々と続く透明な管。

その中には水が流れているのが分かる。

…恐らく中に流れるのは熱湯で、その熱ががこの城を暖めると同時に、所々ある風呂に止め処なくお湯を提供する仕組みなんだと思う。


まぁ、この通路は設計上いろんなトコに繋がってて、場所によっては近道も可能な隠し通路ってトコ。

…ただし、本当にもの凄く熱いので、保温結界が無いと汗だくではすまされないだろうね。


お湯と言えば、凄くどうでも良いけれどこの城、いつでも入れる風呂が多いよなぁ…。

…お風呂自体はこの城に元々あったものだから魔王、どんだけ風呂好きなのって言う。


そんな取り留めのない事を考えながら僕は薄暗いそこを歩いた。

所々淡く水色に光るそれは、そこの暑さを忘れるくらい神秘的な光景だ。

普段は見えない場所なのに、年をとった金の装飾を施された壁が、疎らにきらきらと光っている。


この城の基礎を築いた魔王は、何を思ってここをこんな風に作ったのだろうか。

そして、忘れられてしまっていることに、何を思うのだろうか。

彼の亡き後、その心持ちは分からない。(まぁ、生きていたとしてもそもそも彼を討ち滅ぼした勇者の末裔が知れるものではないのだろうけど…。)


僕はそこを通って、半分程の時間で目的地の裏側に着いた。


ぎ、と開けると、そこは僕の私室。

足下の資料と書き散らかした紙を踏まない様に歩を進め、蝶の模様が入った懐中時計を見れば、今は丁度昼時。


これなら昼ご飯には間に合ったと思う。

世話を任せたミケーレの感覚にもよるけれど。

…そう言えばあいつ、一日何食食べるんだろう。

まぁ、出された物は何でも食べてたし、今日は試したいこともあるから昼は出して貰うけれど。


「さてと。」


僕は出てきたところとは反対側の、隣の部屋に続く壁を押し開く。

…これ、ミケーレに見られたらどう口止めしようかな?いや、今となっては彼も僕の配下も同然だ。

この間まで彼は、あの叔父さんが認めて直下に置くほどの人物だ。信頼は十分すぎるだろう。アレを下につけられたのはむしろ儲け物、と言ったところか。


「…まぁいいや。」


僕は二枚目の壁という名の扉を開く。


薄暗いそこを抜けるとそこには、僕のコボルトのジョディと、件のミケーレが互いワゴンを手にしたまま、ドラゴンと共に呆然と此方を見ていた。


「いやん、そんなに見られると照れちゃう!」


…意外と早いなジョディ!僕は君までいるとは思いも寄らなかったよ!

まぁいいや。


「ミケーレ!ドラゴンと僕も一緒に食べるーー!!」

「え、あの、ギュスターヴォ様、今あなた、壁から…」


動揺する彼に、僕はわざとらしく口元に指を立てて小首を傾げた。

我ながらキモいが、何故かウケはいいのでいつもこんな調子だ。


「ふふん、聞きたい?」


…そう、不真面目な馬鹿王子だと思わせておけば、アレは今のところは問題ない。馬鹿で、いつでも出し抜けると、そう思わせながら、密かに力を蓄えるのが得策。

奴の目が父に向いている今の内に、やることはやらせていただこうか。


「ん!秘密の通路があるんだ!だからいつでもドラゴンと一緒!!

あっ!!ミンナにはナイショだからねっ!!言ったらお金さっぴいちゃうかも!」


口を尖らせて言えば、ミケーレはひきつった笑いを漏らしながら頷いた。

これで話さなければ、本格的に引き入れても構わないだろう。


「あ、あとね、ゆみこまつりもドラゴンと一緒が良いなっ!えへへーそしたらかっこいいでしょ?」

「ゆみこまつり…平和条約成立150周年記念祭の事ですか?」

大胆な略し方ですね…と呟く彼は何かを考え込む様に腕を組んだ。


大方、ドラゴンの行く末を考えているのだろう。

ミケーレは、よほどコレを気に入っているようだ。

ならば、此方がドラゴンに好意を示せば、ミケーレは僕の味方に付いてくれると思う。


しかし、どんなに先を危惧されたとしても、これだけは外すわけにはいかないんだ。

きっと、ミケーレも気付いているとは思うけれど。


(僕のためにも、国のためにも、今は力を蓄えよう。

 ごく自然に、そして密やかに。)

やりたことは有るのに迷走中です(ノД`)

なま暖かい目で見守って下さればと思います(´・ω・`)


…実は予定では変態ちゃん視点を入れるのはまだまだ先だったのですが、一回入れた方が自然かなーと思って入れたらKONOZAMAです。(・∀・)

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