イケ犬ちわわとファーストコンタクト。
ドラ乙視点です!(`・ω・´)がおー!
ボルゾイの方が好きだけど。
好きだけど。
でも、相手は犬には変わりない。
私は一人暮らしで、経済的に動物なんて飼えない。
そして、私は動物が大好きだ。
さ、触りたいいいいいい!!!!
私はチワワに突撃した。
チワワは一瞬怯むも、あまり動ぜずになすがまま。
私はチワワを手につかみ、手の中でわしゃわしゃした。
わしゃわしゃっていうより手の中で転がした感じもするけど、それでも私は満足だった。
ふおぉぉ、良い毛艶してますねぇぇぇ!
もこもこだぁ!よくお風呂入れちゃって毛の油が落ちちゃった系の手触りだ!!
このまま頬ずりして転がりたいぃぃ!!!
そうは思うけど、私はその辺にしてこの子を手放す。
チワワは服も毛も始めの様なぴしりと決まっていた頃の姿は見る影もなく寄れてしまっていたが、ふるふると体を震わせ、またピン、と胸を張る。
服も毛もあんまり戻っては居なかったけれど、チワワらしい偉そうな立ち姿だ。
ポメラニアンには適わないけれど、チワワもそこそこしっかりと胸を張るものだ。その小さな姿が堂々と胸を張る姿を見て、チワワの癖に生意気だ。と、愛を込めて言いたくなるのは仕方がないと思う。
うわぁぁ、可愛い!!
いや、誇張とかじゃなく、よく見ると本当にイケ犬だ。
顔と頭の比率もちょうど良いし、目もしっかりとみずみずしい。塗れた黒い鼻がひくひくと息をして、部屋のにおいを感じている。
犬種図鑑に載っていても可笑しくないくらいの、完璧なチワワとしての形と、その態度は素晴らしいものだ。後は、もう少し皮毛に油があって、四つ足であればだけれど。
良いなぁ、久しぶりだなぁ、犬なんて!
私は非常に舞い上がっていた。寧ろ、おっさんとか変態ちゃんとかと会ったときよりずっとうれしかった。
だって、人間って、怖い生き物だから。
あんな腹の中で何を考えてるかわかんない空恐ろしい生き物より、犬の方が純粋で、信頼できるというものだ。
信頼できるものが側にいるのは、本当に安心する。
この子は一体、何を好きなんだろう?どんな事をするんだろう?私と、友達になってくれるかな?
私はどんどん興味がわいて、仲良くして欲しくて、私は床に張り付いて視線を合わせた。
すると、向こうはふん、と鼻を鳴らし、そばにあった大きな籠をもってこちらに来ると、私の顔によじ登ってきた。
…チワワに夢中でさっぱり気づいて居なかったけれど、あんな大きな籠を持ち上げるとは意外に力持ちだ。
チワワは私のおでこの上辺りに腰を下ろし、角と角の間に籠をごん、と乗せてごそごそし出す。
何をしてるのかな、と思えば頭が何となくくすぐったい。
時折視界に布がちらりと見えるところを見ると、もしかしたら角を磨かれているのかも知れない。
頭を拭かれたら流石にわかるし、何となくもしょりとしてるだけにしか感じない辺り多分角だと思う。
流石に角にまでは神経は通ってないみたい。
動いてチワワちゃんを落としてしまうと忍びないのでそのままぼーっとしてると、扉が静かに開く。
随分と遠慮がちに開けるんだなぁ、と思っていると、そこにいたのはおっさんだった。
今日はローブっぽい服ではなく大きめの、ダボダボとした余裕のあるズボンをはいていて、上の服はシンプルだけれどどことなく品のあるデザインの服の袖を思い切り捲っていた。私は物珍しい光景に目を見開いて凝視する。
髭は相変わらずだけれど、こういうラフな格好をしているとおっさんって結構若く見えるのね。いっつもそう言う服にすればいいのに。
そうこう考えているとおっさんはさっさと横に控えておいたらしいワゴンをがらがらと音をたてて此方に持ってきて、私の目の前に来て何かを言っている。
餌の時間、とかかな?と思ったら、私のおでこの上辺りを見ているのに気づき、あぁ、チワワちゃんかぁ、とちょっと恥ずかしくなる。
その言葉に応えるように、頭の上からもの凄いエエ声が降ってきた。
「え?」
え?え、今、頭の上から、低くて格好いいエエ声、が?
私がエエ声の出所が信じられず、戸惑っていると頭からするりとチワワちゃんが降りてくる。
「ーーーーー。」
真剣なその所謂イケボイスは、チワワの口から出てきていた。
ちょ…ちょっと…っ!!
「チワワがイケボイスとかどゆことーーー!?」
どうしよう、どうしよう、先生!!?チワワがイケボイスですぅぅぅ!!!?
そのラブリーフェイスに余りに似合わないそのイケメンボイスのチワワちゃん…いや、ちわ様は、私の声に振り向く。
私の気が動転していた性だろうか、彼が少し笑ったような気がした。
メインキャラの一人、ちわ様参戦!
次はおっさんか、変態ちゃん視点で!どっちにしようかな(●´ω`●)
あ、あとドラ乙の人間嫌いが表に出てますね。
おっさんたちは良い人だし結構好きだけど、最近あったばっかりの人間はやっぱり気を許せるほどは信じられないとか、そう言う矛盾した思いなのです。
人間寂しくなると嫌いな人間にもすがりつくけれど、それ以上に好きなものが出てくるとつい飛びついてしまうものですね。