表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/37

Episode19 suit of Sword

「はああああああ」

 唯一の得物である剣を振るう紅崎。が、一直線で移動し攻撃するのでPriestessに簡単にかわされる。攻撃が大振りになりがちになってしまい、かわされると大きな隙が出来る。その隙をPriestessが見逃す訳なく光弾を放つ。一方的に攻撃されるのはつい先日の美咲との戦闘を思い出させるものだった。

(くそっ!!あの時と何も変わってないじゃねえか)

 進歩のない自分に苛立つ紅崎。

(俺は剣すらろくに扱えてない………)

 Emperorから戦闘のレクチャーを聞いてはいたが、その通りに動かない己の手を憎らしげに睨む。

 そんな時だった。紅崎は自分の腰に付いているケースに新しいカードが入ったことを思い出した。

 そのカードは昨日、水無月邸を出る時に貰ったものだった。


『そうそう、これを持っていきなさい』

『…………これは?』

『小アルカナ−−剣のスートに属するカードよ。1〜14番の全てが揃っているわ』

『どうしてこれを俺に?』

『あなたなら使いこなせる。そう判断したからよ。それに今のあなたには遠距離攻撃手段がない。それって致命的な弱点よ』

『俺にくれることには感謝します。でも、俺はあなたに従う気はありませんよ』

『好きにしなさい。私が勝手にやっていることよ。それをどう使うかはあなたの自由よ』

『俺はこいつを−−−』


(今こそこいつを使う時じゃねえか。試させてもらうぞ)

 そうして紅崎は一枚のカードを取り出してスキャンする。

「Approve suit of Sword・Ace」

 その音声と共に剣が薄い光の膜で包まれる。ただそれだけの事であり、特に切れ味が上がった訳でもない。

 が、それを確認すると紅崎は居合斬りの構えをし、全力で振り抜いた。

 すると、振り抜いた時に発生した遠心力で光の膜はその形を留めたまま一直線にPriestessへ飛んで行き、吹き飛ばした。

『……これが………俺の?』

『あぁ、お前に出来る遠距離攻撃だな』

 再び立ち上がったPriestessを見ると、それなりの威力だったようで少しふらついていた。

 弱っている今がチャンスだと判断した紅崎は一気に距離を詰めようと駆け出し−−。


「それ、譲ってもらうわよ」


 背後から聞こえたその声と銃声に脚を止めた。振り向けばやはり、そこには姫矢美咲がいた。

「姫矢さん……譲れ、って………」

「言葉通りよ。そいつを倒すのは私。あなたは下がっていて」

「そんな事に黙って従うとでも?」

「別に従わなくても良いわ。その場合はあなたも含めて倒すまでよ」

 獲物を前にしていがみ合う二人。それを見かねてEmpressとEmperorが助け舟を出した。

「それなら競争にすれば良いじゃない。先に倒した方が封印するって事にしてさ」

「確かにその方が良いな。元々、コネクターはそうやって封印してきたからな」

 その言葉を聞き、互いに顔を合わせる。どうやら二人とも異論は無いようで、

「じゃあ、そうしましょうか」

「あぁ。その方が分かり易いな」

 そして、EmperorとEmpress、Priestessによる三つ巴の闘いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ