Episode0 始まり
−−−日本・とある雪山−−−
吹きすさぶ吹雪。辺り一面雪以外のものは存在しない。そんな厳しい環境の中で避難所のようにぽっかりと開いた洞穴。
その奥には怪しげな札で封印“されていた”箱がある。“されていた”というのも今となっては怪しげな札は破かれ、既に封印が解かれているからである。
「博士、この中に・・・例の・・・」
「あぁ、そうさ。伝承通りなら、我々は絶大な力を手に入れることができる」
封印を解いた研究者達は伝承という不確かなものに魅了されていて、自分達が如何に危険な状態であるか気づいていない−−−箱の中にあるカードが光っていることに。
「ッ!?博士、カードが光っています!」
「何!?そんな馬鹿な!?」
気づいた時には既に遅い。カードの中に封印されていたモンスター達は解放された。
「人間。封印を解いたことに感謝する。その礼だ、お前達を永遠に眠らせてやろう」
モンスター達がそう言うと周囲に黒い霧が立ち込め、洞穴内に断末魔の叫び声が響く。
霧が無くなるとそこは何もなかったかの様に静寂だった。ただ一つ異常なのは地面に“適合者”と記されていることだった。
プロローグだから主人公出てないけど大丈夫ですよね。次回から主人公と愉快な仲間達の登場です。