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序章 第二話 羽ばたく翼…


わたしがまだ4年生のころ。

お兄ちゃんのバスケットチームの試合の応援へ行った。

相手のチームはかなり強くお兄ちゃんたちは苦戦をしいられていた。もう簡単に巻き返すのは難しいくらいの点差が開いていてお兄ちゃんたちのチームも半分諦めムードが流れていた。


「諦めてんじゃねーよッッ!!」


と、相手チームのタイムアウトに入るとひとつの怒声が木霊した。その声はわたしのところにまで響いてくる。

その怒声を発した人は見覚えがあった。たしか、お兄ちゃんの親友でチームのエースでもある篠崎涼介先輩。


「まだ試合は終わってねえんだよッッ!! 諦めてんじゃねーよッッ!!」


その怒声はなんだか見ているわたしも熱くしてくれるような気がした。

篠崎先輩の声に目が覚めたのかな? さっきまでのムードが嘘のように会場中に応援の声が飛び交う。


「かっこいいなぁ…」


気がついたらわたしは篠崎先輩のことを目で追っていたのに気付いた。


きっとこの頃からわたしの初恋は始まっていたんだ。


そして篠崎先輩率いるチームは逆転勝利をおさめた。



試合の後、わたしはお兄ちゃんへ会いにいくという口実で篠崎先輩に会いに行った。ごめんねお兄ちゃん…。


「あれ、澪じゃん? どうしたんだ?」


「えっ? この可愛い女の子が妹の澪ちゃんなのかっ⁈」


可愛い…可愛い…可愛い……

篠崎先輩にそう言われるとなんだかドキドキしてしまう。小学生ながらにすこしだけ嬉しくなってしまう。


「えと…はじめましてっ。さきほどの試合見せていただきました! とてもかっこよかったですっ」


「あはは、ありがとな」


「家ではこんな妹なんか見たこと…ヘブシッーーーー」


「なんか隆が腹押さえて悶えてるんだが…」


「気にしないでください♪ 最近お兄ちゃん便秘なんですよっ。ねー? お・に・い・ちゃんっ?」


わたしのお兄ちゃん、笹川隆≪ささがわ たかし≫はいわゆるおバカさんです。しょうじき篠崎先輩がお兄ちゃんだったらどれだけよかったか…。


「それはそうと澪ちゃんもバスケやってるだってね?」


篠崎先輩がわたしに話しかけてくれたよっ! はぅ……。


「は、はいっ。まだまだヘタクソですけど…」


「そうなんだ? じゃあ今度バスケ一緒に練習しようよ?」


「えっ?」


なになになに…⁈ もしかしてバスケデートッッ!?

まさかいきなり誘われるなんて…

頭の中が真っ白になってなんて返事すれば…?


「隆とか僕の妹もくるからさ」


「ぜひとも行かせてくださいっ……あれ?」


なんだ…ふたりきりじゃなのかぁ

ちょっぴり残念、ちょっぴりホッとした。


「じゃ、今度の日曜日にでも」


「は、はい! ありがとうございますっ」


ははは…。と笑いながら篠崎先輩は他の友達のところへむかって行ってしまった。

はぅ…かっこいいよぉ。


「次の日曜日、かぁ」


「俺の予定は無視なんだな…」


「楽しみだなぁ」


「無視かよっ⁈」



わたしは知らなかった…。

この約束が彼の翼を折ってしまうということに…



















































































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