私が子爵令息に一目惚れして婚約を結んだと噂になっているですって? ちょっと待って! 私が彼と話したのは、6年前に一度きり、30秒だけよ!
「お嬢様、最近学園で流れている噂をご存知ですか?」
学園のランチタイム。
サロンの専用席で、お気に入りのアップルティーに口をつけたとき、従者がそう切り出した。
「知らないわ。
何か面白い噂でも流れているのかしら?」
私は、カップをソーサーに戻し、従者の話に耳を傾ける。
クラウドは私専属の従者で、七歳年上。
黒髪、赤い目、私好みの影のある感じの美青年で、私のお気に入りだ。
皇帝の孫娘で筆頭公爵家の令嬢である私は、サロンでも二階の専用席が与えられ、学園内で護衛騎士や従者の同行を許されている。
入学して一カ月、ようやく学園での生活に慣れてきたところで、今回の報告を受けている。
「それが、申し上げ難いのですが……」
「勿体ぶらずにはっきりおっしゃい」
「では、失礼いたします。
噂話を詳細に申し上げます。
ディーツ子爵令息はお嬢様の幼馴染であり、幼いお嬢様はディーツ子爵令息に夢中になり、彼を追いかけ回し、熱烈にアプローチし、身分をかさに強引に結婚の約束を取り付けたと……」
「はぁぁぁ!? 何よそれ! ありえないわ!!」
私が子爵令息をストーカーした挙げ句、権力を振り回して、無理やり結婚の約束を取り付けたっていうの!?
「無い無い! 絶対に無い!
だって私、ディーツ子爵令息なんて知らないもの!
知らない人と、どうやって結婚の約束を結ぶのよ!」
「記憶にございませんか?
お嬢様はディーツ子爵令息と面識があり、言葉も交わしております」
「えっ? 嘘? いつ会ったの?
もしかして、記憶に残らないほど幼い頃かしら?」
私は幼い頃の記憶を思い出す。
「いえ、それもあり得ないわ。
六歳くらいまで、私の警備は今よりも厳重だったのよね。
その頃私に面会出来たのは、皇族と一部の上位貴族だけだ。
子爵家の子息が、幼い頃の私に会えるはずがないのよ」
彼が公爵家に不法侵入でもしない限りは、私と会うのは不可能だ。
「六歳以降の記憶はしっかりあるわ。
だけど、ディーツ子爵令息なんて名前は記憶にない。
クラウドの勘違いではなくて?」
「それはあり得ません。
しっかり記録に残っております」
「では、その子爵令息といつ会ったと言うの?」
「六年前、お嬢様の十歳の誕生パーティーでございます。
その際、三十秒ほど会話しております。
会話の内容は『ご機嫌よう』でございます」
カールが手帳をペラペラと捲りながら、答えた。
「はっ? 何それ??」
六年前にたった一度、しかも三十秒だけ?
交わした言葉は「ご機嫌よう」のみ?
「バカバカしい。
そんなの会話したうちに入らないわ」
私は深く息を吐き、紅茶に口をつけた。
せっかくお気に入りの銘柄を海外から取り寄せたのに、すっかり冷めてしまったわ。
「十歳の誕生日のことはよく覚えているわ。
皇帝であるお祖父様が、私の社交界デビューも兼ねて宮殿でパーティーを開いて、国中の貴族を招待したのよね。
次から次へと押し寄せる貴族に挨拶をして、喉は枯れるし、立ちっぱなしで足は痛いし、笑顔を作り続けたせいで、顔は引きつるしで、最低だったわ」
悪夢のような一日だったわ。
思い出しただけで、頭痛がしてきたわ。
「五百人以上招待して、その全てと挨拶したのよ。
全員の顔と名前なんて覚えていないわ」
お祖父様のデザインしたキラキラのドレスは綺麗だったけど、とっても重くて肩が凝った。
ヒールで立ち続けたせいで足は筋肉痛、喉が乾いてもほとんど水分も与えられず、ほぼ拷問だったわ。
パーティーの翌日、私は熱を出して倒れた。
それ以来、パーティーには皇族と近隣諸国の王族、自国の高位貴族(当主と嫡男のみ)しか招待しないことにした。
ドレスも靴もアクセサリーも、全部公爵家で用意することに決めた。
お祖父様は派手好きなので、彼に任せるとドレスもアクセサリーも華美で重くなりがちなのだ。
「子爵令息なんて、その他大勢の招待客のうちの一人。
名前を聞いても顔も思い出せないわ」
身分が高い者から挨拶を交わしていき、子爵家の人たちと話す頃には意識が朦朧としていて、この拷問から一秒でも早く解放されたいとしか思っていなかった。
それでも作りは笑いを維持し続けた、私って貴族の鑑ね。
「ディーツ子爵令息は、なぜ私の婚約者を名乗っているの?」
政治的な策略や、私を嵌めようとする思惑があるのかしら?
だとしたら由々しき自体だわ。
「失礼ながら、お嬢様にとってディーツ子爵令息は、何百人もいる招待客のうちの一人でしかなかったのでしょう。
しかし、相手にとっては高嶺の花の公爵令嬢が、自分に笑いかけ、言葉をかけてくれた衝撃的な出来事だったはず。
彼の中に深く刻まれたとしても、不思議はございません」
「そういうものなの?」
「そういうものでございます。
これは私の推測ですが、ディーツ子爵令息は、お嬢様に直々に話しかけられたことで、『自分は特別な存在なんだ』と思い込んでしまったのでしょう」
うえ、何それ、気持ち悪い。
「そんな風に思われても迷惑だわ」
パーティーで愛想笑いを浮かべるのは、淑女の嗜み。
「笑いかけた程度で私の特別になれるなら、私の特別はそこら中に存在していることになるわ。
美しいって罪ね、愛想笑い一つで誤解されてしまうんですもの」
「子爵令息は、お嬢様の美しさよりも、身分の高さに惹かれたものと思われます」
もう、私がせっかく気持ちよく自分によっているのに……。ちゃちゃを入れないでほしいわ。
「こんなことなら仏頂面で出迎えて、挨拶をされても無視をすれば良かったかしら?」
「それはそれで、『公爵令嬢は下位貴族には笑顔を見せない、挨拶もしない、お高く止まっている』と、悪評の元になったことでしょう」
何よ、それ。
「微笑んだら勘違い男を作り出し、無視したら悪口を言われる……最低じゃない」
「高位貴族の辛いところでございます」
笑えばストーカーを量産し、蔑めば敵を増やす、面倒な立場ですわ。
「子爵令息が私に一目惚れした理由はわかったわ。
彼はなぜ私に惚れられてると思い込んで、婚約者だなんて言いふらすまでに至ったの?」
私が惚れる要素なんて一ミリもないんだけど。
「そのことについて説明いたします。
ディーツ子爵令息には、準男爵令嬢の幼馴染がおりました。
準男爵令嬢の名前はアマンダ。
栗色の髪に、翡翠色の瞳。
歳はお嬢様と同じ十六歳。
幼い頃は長い髪をリボンハーフアップにしていたそうでございます」
「私も幼い頃、髪をリボンハーフアップにしていたわ。
確か誕生日パーティーの時も、その髪型をしていたわ」
「アマンダ嬢は、熱烈に子爵令息にアプローチしていたようでございます。
アマンダ嬢に追いかけられた記憶と、お嬢様に出会った記憶が、子爵令息の中で混ざり合い、都合の良い記憶を作り出してしまったのでしょう」
「子爵令息は、アマンダさんとの思い出を私で塗り替えたというの?
気持ち悪いわ」
背筋がぞわりとした。
なんとも面倒な人間に入れ込まれたものね。
「アマンダさんと私の共通点は、年齢と幼い頃の髪型くらいよ。
記憶を改ざんするのには無理がないかしら?」
「おっしゃる通り、お嬢様は金色の髪に空のような青い瞳の持ち主。
一見すると共通点がないように思えます。
しかし、金髪と栗色、青と緑は、近い色です。
記憶の中で混ざっても不思議はないかと」
「混ぜないでほしいわ」
確かに、お年寄りの中には緑のことを青という人もいるけど……。
「高貴で美しいって罪なのね。
これほどまでに殿方を魅了してしまうなんて」
「お嬢様、自分に酔いしれているところ申し訳ございませんが、事態はお嬢様が考えているよりも深刻でございます」
「そうなの?」
「子爵令息は、自分がお嬢様の婚約者だと信じ込んでおります。
そしてアマンダ嬢との思い出を、お嬢様との思い出として、皆に話しております。
最初は皆、ありえないと笑い飛ばしておりましたが……。
嘘に真実を混ぜると、見抜きにくくなるものです」
確かに、アマンダさんとの思い出は本物なわけだし、簡単に嘘だと見抜くことはできないかもしれないわね。
「その上、本人がお嬢様との婚約を真実だと思い込んでいることが厄介です。
子爵令息の言葉を、信じるものが出始めております。
このままではお嬢様の悪評が広がってしまいます」
「冗談じゃないわ!
子爵令息の妄想のせいで、私の名誉が傷つくなんてあってはいけないことよ!
私だけでなく、公爵家の名誉にも傷がつくわ!
ひいては皇帝であるおじい様の名前を汚すことになるわ!」
そんなこと、あってはいけないわ!
「早急な対策が必要ね。
クラウド、何か良い策はあって?」
「ございます。
解決方法は二つ。
一つ目は、子爵令息の願いを実現させ、彼と婚約することです」
その言葉を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立った!
「無い無い!
それだけは絶対に無いわ!
皇帝の孫娘が子爵令息と婚約?
しかも過去を捏造する妄想男と!?
絶対にあり得ないわ!」
顔も分からない男と婚約するなんて嫌よ!
私の結婚相手になるからには、公爵家以上の美少年でなくては無理よ!
そう、例えばクラウドみたいな……。
彼も公爵家の次男なのよね。
顔は文句なしの百点満点だし、仕事もできるし、優男に見えてかなり強い。
問題は年齢だけど、七歳差なら守備範囲だよね。
ちらりとクラウドの顔を覗き見る。
視線に気づいたクラウドが「私の顔に何かついておりますか?」と言って首を傾げた。
「何でもないわ!」
私は彼から視線を逸らし、自分の頬に手を当てた。
イケメンは何しても絵になるから困るわ!
私の顔、赤くなっていないでしょうね?
それよりも、今はディーツ子爵令息の処分について考えるのが優先だわ!
ディーツ子爵令息の容姿は知らないけど、仮に美少年だったとしても、性格が問題だわ!
私に熱烈にアプローチされた記憶を捏造し、それを私に確認も取らずに言いふらすなんて!
婚約者どころか友人としても失格だわ!
「お嬢様なら、そうおっしゃると思っておりました」
「わかってるなら口にしないで!
鳥肌が立っちゃったじゃない!」
身の毛がよだつって言葉は、こういうときに使うのね。
「では、もう一つの手立てを使いましょう」
「もう一つの手立て?」
「完膚なきまでに相手の妄想を打ち破り、徹底的にひねりつぶすことでございます」
「え?
そこまでしなくちゃいけないの?」
なんだか悪役みたいだわ。
「お嬢様が思っている以上に、皇帝の孫娘で、筆頭公爵家の長女という身分は、尊きものでございます。
子爵令息への処罰を誤れば、より厄介な事態を引き起こしかねません。
過去を捏造し、嘘の噂を流し、お嬢様に近づこうとする者が次から次へと現れたら、いかがなさるのですか?
その中の一人と本当に婚約、などということになったら……」
「そんな縁起でもないこといわないで……!」
ディーツ子爵令息みないな妄想男は一人で十分よ!
「なので、ここは見せしめとして、ディーツ子爵令息を徹底的に叩きのめすべきです」
クラウドは、冷酷な表情でそう告げた。
普段の穏やかな表情も良いけど、こういう時の冷徹な表情も魅力的なのよね。
ゾクゾクするわ!
「確かにそうね」
次から次へと、妄想男が現れてきたのでは、こちらの身が持ちませんわ。
「わかったわ!
ディーツ子爵令息を、徹底的に懲らしめてやりましょう!」
「お嬢様の賢明なご判断を尊重いたします」
「まずはディーツ子爵家へ苦情を申し立て、慰謝料を請求するわ!
彼が逆恨みして私に危害を加える可能性も考慮して、学園長を呼び付け、彼を退学にしてもらうわ」
皇帝の孫娘で筆頭公爵家の令嬢である私の権力を舐めては駄目よ。
学園長だって、私には頭が上がらないんだから。
「潔い判断でございます、お嬢様。
では、直ちに実行いたします」
「お願いね」
これで、平穏な学園生活が送れるわ。
◆◆◆◆◆
――数日後――
「カロリーネ嬢!
どうして僕を退学にしたんだ!
実家に苦情を入れたのも君だろう!?
そのせいで、僕は勘当されることになった!
君が熱烈にアプローチして、僕に婚約を申し込んだじゃないか!
それなのに……!
こんな仕打ちはあんまりだ!!」
お昼休み。
従者とともに、サロンでまったりとした時間を過ごしていると……。
急にあたりが騒がしくなった。
声がした方向に目を向けると、学園の制服を着た男が、警備員に取り押さえられていた。
「クラウド、彼は誰?
なぜ私の名前を呼んでいるのかしら?」
「お嬢様。
彼が、ディーツ子爵令息でございます」
「ああ……あれが」
クラウドに言われ、男の全身をじっくりと観察した。
オレンジがかった茶髪に、黒い瞳、そばかすのある頬。
とりわけ特徴のない、どこにでもいるような顔立ち。
「平凡ね……。
私に惚れられたなどと自惚れるくらいだから、よほど自分の顔に自信があるナルシストだと思っていたのだけど。
予想が外れたわ」
それとも私が、クラウドを始めとした美形の従者や護衛騎士に囲まれているせいで、目が肥えてしまったのかしら?
「よくあのような平凡な顔で、あそこまで自惚れられたものね」
「失礼ながらお嬢様。
自己肯定感は、必ずしも容姿に比例するわけではございません」
「そうなの?」
「仮令容姿が優れていなくても、親にとっては可愛い我が子。
世間一般では、自分に似ている子供や、出来の悪いポンコツ……もとい、手のかかる子供ほど可愛いとされております」
それはちょっとわかるわ。
猫を飼ったとき、優秀な子より、カーペットに粗相をするようなちょっと抜けている子を可愛いと思ってしまったもの。
「彼は、子爵家でよほど甘やかされ……御両親に愛されて育ったのでしょう。
誰しも幼い頃の記憶は曖昧なもの。
それでも皇帝陛下の愛娘で、筆頭公爵令嬢であるお嬢様と幼馴染で婚約者などと……そうそう思い込めるものではございません」
クラウドが子爵令息に向ける目は険しい。
クラウドも、彼の言動に腹を立てているようだ。
彼は今、私の為に怒っているのよね?
そういう場合と状況ではないんだけど、クラウドの冷たい表情にキュンとしてしまった。
「カロリーネ嬢!
俺の気持ちを弄んだのか!」
いい気分でクラウドを眺めていたのに……。
子爵令息の叫び声のせいで気分がぶち壊しだわ。
彼は私の名前を連呼しながら、私の記憶にない思い出を叫んでいる。
子爵令息の周囲に人が集まり、彼に同情的な視線を向けている。
このままではまずいわね。
「全く……。
どれだけ甘やかされたら、あそこまで自惚れられるかしら?」
私は深く息を吐いた。
「ちょうどいい機会だわ。
この場にいる者たちに、私と彼が無関係だと教えて差し上げましょう」
私は、食事を中断し子爵令息の元へと向かった。
◆◆◆◆◆
「カロリーネ嬢!
会って直接話がしたい!
俺を愛してると言ったのは嘘だったのか!」
その平凡な顔をぶん殴ってやりたいわ!
ここは学園、清楚で可憐なお嬢様はそんなことはしない。
暴力で訴えてたら負けだわ。
正論で論破しなくては!
「ディーツ子爵令息でしたわね?
ほぼ初めましてかしら」
私は子爵令息に近づき、彼に声をかけた。
私の背後には、クラウドを始めとした従者と護衛騎士がついている。
警備員に取り押さえられているとはいえ、子爵令息が制止を振り切り、私に危害を加えないという保証はない。
ある程度の距離を確保するのが正解だろう。
「カロリーネ嬢!
なんでそんな他人行儀な言い方をするんだ!
俺たちは幼馴染だろ!
昔のように“マルコ様”と呼んでくれ!」
なぜ私が子爵令息ごときを名前に様付けで呼ばなくてはいけないのかしら?
私は、眉間に皺が寄りそうになるのを、なんとかこらえた。
今の私はきっと毛虫を見るときより、冷たい目をしているわ。
「君が熱烈にアプローチしてくるから、仕方なく婚約を結んだのに、それを忘れこんな仕打ちをするなんてあんまりだ!」
どうやら子爵令息は、私と幼馴染で婚約者だと、本気で信じているようですね。
皇帝の孫娘である私が、子爵令息程度と婚約を結ぶことなんて、天地がひっくり返っても、あり得ませんのに。
「子爵令息、あなたは何か思い違いをしているようですわね」
私は極めて冷静に、言葉を紡いだ。
「思い違いなんかじゃない!
確かに俺は君と婚約したんだ!」
やっぱりこの男、殴りつけたいわ!
私は震える右手を左手で抑え、冷静に言葉を続ける。
「もし、あなたの話が本当だというのなら、私とは何度、どこで会ったのかしら?
詳しく説明できまして?」
「そ、それはっ……!
君が子爵家を訪れてその時に……!」
「そう、その時私は一人だったの?」
「いや、君の両親も一緒だった」
「他に誰か付き添いはおりましたか?」
「いや、君たちが家に来る時はいつも三人だった」
「それは確かですか?」
「もちろんだ!」
「それはおかしいですね。
私の付き添いが両親だけなんてありえません。
私が外出するときは、従者や護衛騎士を何人も連れて歩きますの。
皇帝の孫娘で筆頭公爵家の令嬢なんですから、当然ですわよね」
「そ、それは……!」
子爵令息の顔色が変わる。彼の目が泳いだのを私は見逃さなかった。
準男爵令嬢のアマンダさんとの思い出を、私で上書き保存しても、細かいところで矛盾が出るものですわ。
「私にプロポーズされたというのなら、何年何月何日だったのかしら?
ちなみに、私の外出は正確に記録されておりますの。
調べても、私がディーツ子爵家を訪れた記録はありませんでしたわ。
それどころか、侯爵家以下の貴族の家に訪問したことは一度もありませんの。
このことをあなたはどう説明しますの?」
「そうだきっと、俺が君に会いに公爵家に……!」
「公爵家の訪問者も正確に記録されておりますのよ。
あなたが訪ねてきた記録はありませんでしたわ」
「そんなはずは……!」
「屋敷に不法侵入でもしたのかしら?
もしそうだとしたら、あなた処刑されても文句言えませんわよ」
「……!」
子爵令息の表情がどんどん青ざめていく。
状況を見守っていた周囲がざわついている。
子爵令息の話など、ちょっと突けばボロが出るものです。
それを信じて、噂を広めた生徒にも何らかの処罰が必要ですわね。
「あなたの話には矛盾があることをご理解いただけたかしら?
私とあなたが幼馴染というのは、あなたの捏造ですわ」
「だけど、俺は君に過去に会ってる!
幼い頃の君の顔が今でも、鮮明に記憶に残っている!」
「私とあなたが会ったのは事実ですわ。
しかし、それは一度きりです。
私の十歳の誕生日パーティーを、お祖父様が宮廷で開きました。
その際、国中の貴族を招待したので、その中にあなたもいたようですわ」
お祖父様が私を可愛がっているのはわかりますが、誰でも彼でも招待するのは感心いたしませんわ。
このような、勘違い男を生み出してしまったのですから。
「あなたと私が面会したのはパーティー会場で三十秒ほど。
周囲には従者も護衛騎士も大勢おりましたわ。
そして、交わした言葉は『ごきげんよう』のみですわ」
「そんな……そんなはずは……」
子爵令息は、目に見えてうろたえていた。
周囲の野次馬が先程よりざわついている。
「やはり、ディーツ子爵令息の話は嘘だったんだな!」
「皇帝の孫娘で、筆頭公爵家の一人娘であるカロリーネ様に、そんなに簡単に会えるはずないよな。ましてや幼馴染で婚約者だなんて……」
「自惚れるにもほどがあるだろ」
「俺は最初からおかしいと思ってたんだよ」
子爵令息を軽蔑するもの、私の話に納得するもの、反応は様々だ。
「私は皇帝の孫娘で、筆頭公爵爵家の長女。
私の傍には常に従者が付き添い、私の行動を逐一記録しておりますの。
もし私があなたと何度も会っていたのなら、そのことも当然記録に残っておりますわ。
クラウド、そんな記録はあって?」
クラウドに尋ねると、彼は静かに首を横に振った。
「お嬢様の行動は赤子の頃より、分単位で記録されております。
ディーツ子爵家に訪ねた記録も、子爵令息が公爵家を訪れた記録もございません。
ましてや、お嬢様と逢瀬を交わすなど、天地がひっくり返ってもございません」
クラウドがはっきりといい切った。
彼が子爵令息に向ける視線は、ゴミに向けるのと同じものだった。
「そういうわけなの。
あなたと私は、パーティーで一度だけ挨拶を交わしただけの関係。
ディーツ子爵令息、ご理解いただけたかしら?」
次からこのような不届き者が現れないように、しっかりと引導を渡しておかなければ。
皇帝の孫である私の、醜聞を広めたのです。
学生といえど、「勘違いでした」や「ごめんなさい」では済まされない。
ディーツ子爵令息はもちろん、面白おかしく噂を広めた者たちにも、きっちりと罰を与えるつもりよ。
「私、あの日は大勢の招待客に挨拶しましたの。
自国の皇族から始まり、他国の王族貴族、その次は自国の貴族……休む暇もありませんでしたわ。
挨拶を交わした人間は、五百人を超えましたわ」
五百人という数字に周囲が再度ざわめく。
「子爵家の方々と話す頃には、疲れが限界に達しておりましたわ。
あの時、私の頭にあったのは『このパーティーが早く終わればいいのに』だけ。
あなたにとって私との面会は、一生忘れられない思い出になったのでしょうが、私にとっては記憶にすら残らない些細な出来事でしたわ」
私にとって子爵令息など、その他大勢の中の一人に過ぎないのだ。
「ですから、此度の不名誉な噂が流れたとき、あなたのお名前を聞いても、何も思い出せませんでしたわ」
「でも、君は俺に微笑んで……」
「微笑みを浮かべたら、相手に好意があるとでもおっしゃるの?
誕生日のお祝いに来てくれた方々を、仏頂面でおもてなしするわけには参りません。
私は、全員に笑顔で対応しましたわ。
ずっと微笑みを浮かべていたので、パーティーが終わるころには、顔面が筋肉痛でしたわ。
微笑みを浮かべた方に好意があるとおっしゃるのなら、私はパーティーの招待客全員に好意があることになってしまいますわ」
「……!」
自分だけが特別ではないとわかり、子爵令息は相当ショックを受けたようです。
彼の顔は青を通り越して、土気色でした。
「だけど、俺には君との思い出がある!
一緒にブランコに乗ったり、庭を駆け回ったり、君にプロポーズされたり!
俺のその思い出は何だと言うんだ……!」
妄想と、アマンダ嬢との本当の思い出が混ざってしまったのは厄介ですわ。
「マルコ様!」
その時、サロンに茶色の髪をお下げにした少女が現れた。
少女の年齢は私と同じくらい。頬にはそばかすがあり、とりわけ特徴のない平凡な容姿をしていた。
お下げの少女は、子爵令息のもとにまっすぐに駆けて行った。
「マルコ様! お久しゅうございます!」
お下げの少女は、子爵令息を見つめ満面の笑みを浮かべた。
子爵令息は、警備員に取り押さえられているので身動きが取れない。
「君は誰だ!?」
子爵令息は少女の顔に見覚えがあるようで、戸惑いの表情を浮かべている。
「そんな!
マルコ様、酷いです!
幼馴染の私を忘れるなんて!」
「幼馴染だと……?」
「幼い頃、あなたの家の隣に住んでいました!
何度も一緒に遊んだじゃないですか!
ブランコに乗ったり、お庭を駆け回ったり、覚えておりませんか?」
「記憶にない……!」
「そんな……!
結婚の約束だってしたのに!
あんまりだわ!」
「なっ、結婚の約束だって……!」
子爵令息は、動揺を隠せないようで唇が震えていた。
「クラウド、彼女は誰なのかしら?」
「お嬢様、彼女こそ、ディーツ子爵令息の本当の幼馴染のアマンダ嬢でございます」
「まぁ、そうなの。
どうして彼女が学園にいるのかしら?」
見たところ彼女は学園の生徒ではないようだわ。
学園は部外者の立ち入りには厳しい。なのによく入れましたね。
「ディーツ子爵令息に現実を突きつけるために、私が招待いたしました」
「そう」
うちの従者は仕事が速いわね。
「アマンダさん、とてもいいタイミングでいらっしゃいました。
ディーツ子爵令息、あなたの幼馴染で、あなたと結婚の約束をしたのは、私ではなく彼女ですわ」
「知らない!
こんな女、幼馴染じゃない!
俺の幼馴染で、結婚の約束をしたのは……!」
「あなたは私とパーティーで会った時の印象が強く残り、アマンダさんとの記憶を、私に置き換えてしまったのよ」
子爵令息がすがるような目で私を見る。
そんな目で見られても困りますわ。
あなたを助ける義理はありませんもの。
「幼少の頃より、お嬢様のスケジュールは厳しく管理されております。
子爵令息に過ぎないあなたと、お嬢様が幼馴染になることなどありえないのです。
ましてや結婚の約束など、夢物語もいいところです」
クラウドが子爵令息の視線から私を守るように、前に立つ。
頼もしいわ。
「ディーツ子爵令息、残酷ですがこれが真実です。
我々があなたの周囲の人間に聞き込みをし、導き出した答えです」
クラウドが冷酷な表情で事実を突きつける。
「嘘だ……!」
「私の優秀な従者が調査したのよ。
間違いなんてあるはずがないわ」
クラウドを嘘つき呼ばわりするのは、この私が許さなくてよ。
「ディーツ子爵令息、あなたは皇帝の孫娘であるお嬢様の誕生日パーティーに呼ばれ、微笑みを向けられた出来事に衝撃を受け、そのことを記憶に深く刻み込まれた。
同じ頃、アマンダ嬢に好意を向けられ、熱烈にアプローチされ結婚の約束をした。
年月が立ち、記憶はいいように改ざんされ、幼い頃結婚の約束をした相手がアマンダ嬢からお嬢様に塗り替えれてしまった」
「そんなのでたらめだ!
俺は信じない!」
「信じないのはあなたの勝手ですが、これが真実よ。
これ以上、私に関して不名誉な噂を流すようなら、勘当や退学処分では済まないわよ。
うちの従者は、怒らせると怖いんですのよ」
「お嬢様を守るのが我々の務め。
主を害するものには、それ相応の報いを受けていただきます」
クラウドが形の良い眉を釣り上げ赤い目を細め、子爵令息を睨みつけた。
「ひっ……!」
子爵令息は悲しみと恐怖が混じった表情で、短く悲鳴を上げた。
「子爵令息の言葉を信じ、面白おかしく噂を流していた方々にも忠告しておきますわ。
私の不名誉な噂を流すのは、当家の名誉を傷つけるのも同然。
噂を流した者だけではなく、ご家族にも、それ相応の罰を受けていただきますわ」
私は、サロンに集まった人々の顔を、記憶に刻みつけるように一人一人じっくりと睨みつけた。
私と視線が合うと、彼らは気まずそうに顔を背けた。
自分たちにも何らかの咎めがあると理解したようで、全員、顔色が悪い。
貴族は何より面子を重んじる。
私の不名誉な噂を流すのは、筆頭公爵家や皇帝であるお祖父様に喧嘩を売ったも同然。
学生だからとか、若気の至りとか、そのような言葉で許されるほど甘くないわ。
「話は以上よ。
目障りだから、私の前から消えてちょうだい」
子爵令息は警備員に両脇を拘束され、強制的に連れ出された。
彼の姿を見ることは、もう二度とないでしょう。
私に懸想されているなんて思い込んで、それを周囲に言いふらすような危険人物を、従者や護衛騎士が王都に置くとは思えない。
きっと彼は、名前を聞いたこともない辺境に送られ、そこで残りの人生を過ごすことになるだろう。
「皆様、席に戻ってはいかがかしら?
これ以上、ここにいても何も出なくてよ」
パンパンと手を鳴らすと、集まっていた生徒たちはのろのろと席へと戻って行った。
ほとんどの生徒は、背中を丸め、病院から抜け出してきた重病人のように顔色をしていた。
当家からの報復を恐れてのことだろう。
口は災いの元。私の悪い噂を流すからそうなるんですよ。
「アマンダさん、本日はご足労いただき、ありがとうございました。
子爵令息を追わなくて、よかったのかしら?」
アマンダさんは、サロンの入口を見つめたまま放心状態だ。
彼女が望むなら、子爵令息と同じところに送り、二人で暮らせるようにしてあげてもいい。
アマンダさんに罪はないので、彼女が彼の後を追った場合、子爵令息の生活は当初の予定よりだいぶマシになるでしょう。
「公爵令嬢、私のような者にまで配慮してくださり、感謝申し上げます。」
アマンダさんはこちらを向き、深々と頭を下げた。
「でも、もういいんです」
彼女は諦めたように、静かに首を横に振った。
サロンに入って来たときは、恋する乙女特有のキラキラした瞳をしていたが、今はその輝きがない。
「マルコ様は私の顔を見ても何も思い出しませんでした。
いいえ、それどころか汚い物を見るような目を私に向けたんです」
年頃の少女になんて視線を向けるかしら。子爵令息はデリカシーがないのね。
「その瞬間、初恋から覚めました。
彼への感情は幼い頃の憧れだったようです。
準男爵令嬢の私にとって、子爵家の嫡男の彼は、王子様だったんです。
でも今日、それが幻想だとわかりました」
汚物を見る目で蔑まれたら、百年の恋も冷めるわよね。
「これからは、男性に過度の理想を求めないことにします。
現実をしっかりと見て、自分の足で歩いていきます」
そう言った彼女の瞳には、強い意思が宿っていた。
「そう、頑張ってね」
「はい、ありがとうございます!」
アマンダさんは、丁寧にお辞儀をしたあと退室した。
彼女なら、自分の力で生きていけそうね。
この騒動で、食事をする気も失せてしまったわ。
私も教室に戻りましょう。
◆◆◆◆◆
――数日後――
「はぁ〜〜、やってしまったわ……」
今日は気分を変えて、庭園にあるガゼボでランチを取っている。
空は晴れ渡り、小鳥のさえずりが聞こえ、花々が美しく咲き誇り、空気も澄んでいる。
だけど、私の心はどんより曇り空。
「お嬢様、ため息などつかれいかがなさいました」
クラウドがカップに紅茶を注いでくれた。
「子爵令息も排除でき、お嬢様の不名誉な噂を流した者たちも処分……相応しい処罰を下しました。
それのに、なぜ落ち込んでいらっしゃるのですか?」
クラウドが不思議そうに首をかしげる。
あの日以降、私と子爵令息の噂をする者はいなくなった。
以前、噂を広めていた生徒たちは、全員もれなく処罰を受け、学園を退学になった。
こういうことは最初が肝心。
次にそういう輩がでてこないように彼らには見せしめになってもらった。
その甲斐もあって、ディーツ子爵家の名を口にすることすら、タブーに近い状態になっている。
それは、良かったのだけど……
「私、幼少の頃から、皇帝の孫娘兼筆頭公爵家の一人娘として、大切に育てられたわ。
お祖父様からも、お祖母様からも、両親からもたっぷり愛情を注がれてね」
「良いことではありませんか」
「そうなんだけど、周りが過保護過ぎたせいで、お友達を作る機会がなかったのよね。
審査基準が高すぎて、みんな排除されてしまうんですもの」
同年代の子と話せるのは、パーティーやお茶会などの百パーセント監視付きの場所のみ。
しかも話題は、天気とお花の話だけ。
「ディーツ子爵令息のような勘違い人間が出て来ることもあるので、そのくらい厳重に管理されていて、ある意味良かったのかもしれないわ。
でもね、それはそれとしてお友達が欲しいのよ」
これは本音だ。
「学園では普通の貴族令嬢として、平穏に過ごしたかったの。
クラスメイトと一緒に課題をこなしたり、図書館で試験勉強したり、放課後はやりのカフェに行ったりしたかったの」
普通の学生の有り触れた日常を体験したかったのだ。
「だけど今回のことで、警備が以前よりも厳しくなって、挨拶以外の言葉を交わすことがなくなってしまったわ。
その上、サロンで一件以来、クラスメイトの私を見る目が変わったわ。
まるで、恐ろしいものを見るような目を向けられ、誰も私に近づこうとしないの。
私を爆弾か何かと勘違いしているのかしら? 触れるだけで爆発したりしないわ」
私は危険人物ではないのよ。
「こんなの私が思い描いた学園生活ではないわ!」
皆、触らぬ公爵家に祟り無しと思っているに違いない。
「お嬢様、貴族というのは孤独なものでございます。
それこそがお嬢様が望んでいた道ではありませんか?」
クラウドの言ってることは正しい。
だけど……。
「いずれはそういう道を歩むつもりでいたわ。
“孤高の女公爵”なんて素敵じゃない!
だけど、学生の間は普通に生活したかったの。
友達と楽しくランチを食べたり、休日にお買い物行ったりしたかったの」
カップに口を付けると、大好きなアールグレイがいつもより苦く感じた。
「お嬢様、差し出がましいようですが、このようなことで離れていく人間は、最初から関わりを持つ必要がなかったということでございます」
「そう言って慰めてくれるのは、あなただけだわ」
「機嫌を直してください。
もうすぐお嬢様のお誕生パーティーがあります。
きっと、今年も陛下と旦那様と奥様が、選りすぐりのメンバーを集めて、洗練されたパーティー会場を作り上げ、選ばれた名家の者のみを招待することでしょう」
「それが憂鬱なのよ。
たかだか三十秒、作り笑いを浮かべて挨拶を交わしただけで、惚れられてしまうのよ。
ほら、私って可愛いから。
どんな顔で出迎えて、どんな会話をすればいいのか、わからなくなってしまったわ」
美しいって罪よね。
「お嬢様におかれましては、大変お悩みのご様子。
このような場合は、普段通りの表情で、いつも通りの挨拶をすればよろしいかと。
万が一、またディーツ子爵令息のようなものが現れたらこちらで処刑……いえ、駆逐、もとい処罰いたしますので」
クラウドったら、爽やかな笑顔で恐ろしいことを口にするわね。
でも、それぐらいでないと私の従者は務まらないわ。
「そうね、気にしてもしょうがないわね!
年に一度のお誕生日ですもの、思いっきりパーティーを楽しみましょう!」
「そのいきでございます」
「まずは、ドレスを作らなくてはね。
ドレスに合うアクセサリーもほしいわ。
カタログを取り寄せて……いいえ、デザイナーを直接呼んで頂戴」
「承知いたしました、お嬢様」
すっかり冷めてしまったのでお茶を淹れ直してもらった。
今度はアールグレイの爽やかな香りと味を楽しむことができた。
お茶を飲むと、今度は甘いものが欲しくなる。
ケーキスタンドのフルーツサンドに手を伸ばす。
苺の酸味が甘い生クリームと混ざって美味だわ。
次のパーティーは何色のドレスにしようかしら?
アクセサリーに使う宝石は、今流行りのダイヤモンドがいいわ。
そんなことを考えているうちに、不安や悩みはどこかに消えていた。
「次のパーティーも、思いっきりおしゃれを楽しまないとね。
とびきり美しい私を、みんなに見てもらいましょう」
不審者やストーカーが現れたら、有能な従者が対処してくれるから心配いらないわよね。
◆◆◆◆◆
その後……。
「子爵令息のような勘違い男が現れるのは、私に婚約者がいないからだわ!」
という結論にいたり、お祖父様に「クラウドを婚約者にして!」とお願いしたら、お祖父様が卒倒してしまった。
お祖父様が「従者が主に懸想するなど言語道断!」と激昂して、クラウドを左遷し、激怒した私がお祖父様と口を聞かなくなったり。
そもそも、クラウドの気持ちを確認していなかったことに気づいたり。
婚約者が決まるまでに一悶着あったのは、また別のお話。
―終わり―
読んで下さりありがとうございます。
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誤字報告ありがとうございます!!
大変助かっております!!
皆様のご厚意にこの作品は支えられております!!
【後書き】
このお嬢様は、「子供が出来たらお祖父様も認めてくださるわ!」とか言って、クラウドを押し倒しそう。やってることが子爵令息と対して変わらない……(^_^;)
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【お知らせ】
『妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される』
コミカライズ版の6話が本日、5月1日に配信されました!
茶賀未あと先生による美麗な作画が目印です。
コミカライズ版でも、リアーナとアルドリックの物語をお楽しみいただけると幸いです。
作画:茶賀未あと先生
原作:まほりろ
配信先:コミックシーモア(先行配信)




