天使の友人
天使の友人
私、河原木美希には同じクラスに好きな人がいる。
私には悩みがある、それは……。
「ねえねえ南乃花ちゃん、聞いてよ香澄ちゃんのSNSが恥ずかしくてフォロー出来ないんだけどどうしよう!!」
「そんなの軽~い気持ちでポチッと押せばいいんよ」
「それが出来ないから困ってるの!!」
「あ~もうじゃあ見てられない貸して」
「待って待って待ってよ、まだ心の準備が~」
ポチッ
「はい、これでフォローして……あっ」
「どうしたの? ……嘘!?」
「フォロバされたね。メッセもきたよ(同じ教室にいるんだから普通に話せばいいのに二人とも両思いなんだから、本当にこいつらじれったいな)」
「メッセージってどんな?」
ゴゴゴゴゴ
「あぁもうめんどくさい!! ちょっときて美希!!」
「ちょっとどこに行くの?」
香澄ちゃんに連れられたのは南乃花ちゃんのところだった。
「南乃花、面倒だから美希を頼む」
「みみみみみ美希を!? 香澄何を言って」
ポチポチポチ
「はいはい美希にメッセする暇があるなら話をしてね。また後で」
ガラガラ
そして場面は美希と南乃花の友人の香澄に切り替わる。
「これにて三十五回目の攻略を始めます」
「今度こそ頼むぞ。世界の命運はお前の仕事にかかっているのだから」
「分かってますよ」
私の正体は香澄ではなくいわゆる恋のキューピッドというやつだ。
そんな私がなぜ世界の命運がかかっているかというと美希と南乃花の魂が勇者と魔王だからだ。
失敗=世界の崩壊なのだが、三十五回目というのを見て分かる通り私は、失敗を繰り返している。
その度に時を巻き戻している。
互いに勇者と魔王だと気づかせず付き合わせないといけないのが、もうめんどいのなんのって……殺すほうが楽なんだけどな。
「殺すのは絶対にダメだからな!!」
「言われなくても分かってますよ、私を誰だと思ってるんすか? "天界一の仕事人"シエルですよ」
「お前は気づいているのか、その称号が不名誉なことに……というか素が出ているぞ」
「そりゃあ気づいてますとも。天使というより死神みたいになってることぐらい」
「この任務をお前に任せたのは、お前なら負けることはないと思ったからというのもあるのだが……さすがに殺し過ぎではないか?」
「仕方ないです、双方が気づいてしまったんですから」
「殺すにしても同時に殺せばこっちでなんとか出来るというのにお前は……はぁ、今度は本当に頼むぞ」
「任せてくださいよ」
「ものすごく心配だ」
さて、二人はどんな調子かなっと。
キャッキャッキャッキャしてるし、このままにしておこう。
記憶を取り戻している面倒な奴らの声が聞こえてきた。
「貴様ら、魔王様に何の様だ」
「お前たち、軽々しく勇者様に近づくな」
前はこいつらのせいで二人の記憶が戻った。
なら消そう……でもそうしたら面倒になるし、記憶だけにしとくか。
「お二人さ~ん、覚悟!!」
ボコスカボコスカ
キラーン
「ふ~、スッキリした」
「香澄ちゃん、どうしたの!?」
「……うっ、何か思い出しそうな」
暴力を見たからなのか南乃花が思い出しそうだな、今なら二人いるけどさっきの様子を見てると一番良い状況だったし殺すのはやめておこう。
「ちょっと喧嘩売られたら買っただけだから安心して」
「いやそれもだけど、その鎌のことを聞いたんだけど」
「その鎌、思い出したぞ!! 貴様、我を殺したあの忌々しい天使か!!」
「南乃花ちゃん何を言ってるの、天使って香澄は人……間」
あ~あ連鎖した、これはもう殺すか
コツコツコツ
このうるさい足音はまさか
「その脳筋思想をどうにかしなさいシエル、それではいつまで経っても私みたいになれませんよ」
「ゲッ、やっぱりピンク先輩」
「誰がピンクですか! 私はリーラという名前ですね」
ガミガミ
「聞いていましたかシエル? 私が手伝ってあげます、たとえ人間だろうが魔族だろうがこうすればいいんですよ」
巻き込まれる前に退散!!
そして私はピンク先輩の能力が充満するまで天界に戻った。
ピンク先輩の能力を簡単に言えば範囲内の生物を強制発情させてなんやかんやさせて操ることができる。
だから私はピンク先輩と呼んでいる。
「お前戻って来過ぎではないか?」
「ピンク先輩が来たんすよ仕方ないでしょ」
「それなら仕方ないか? おっ、そろそろ帰っても良さそうだぞ、とっとと仕事に戻れ」
そして私が戻ると素っ裸の南乃花と美希がお付き合い報告をしてきた。
「ピンク先輩……私の仕事取らないで」
「これを機に私を見習ったらどうです?」
「それは無理」
「シエル気がついていますか、今日が何の日なのかを」
「エイプリルフールでしょ、それが何かあるの?」
「実はシエルに私たちは嘘をついていたのだけど気づきました?」
「……さあ?」
「それは貴方が実は天使ではなく死神だということです」
「…………え? 私生まれたときに天使って言われたんだけど」
「その日がエイプリルフールで……嘘だって伝えるのを忘れて九百年が経ちました。みんな信じてたのを見て言いづらくなりました。主様行きますよせーの」
「「ごめんなさい」」
謝るにしても軽過ぎない、小学生かな?
「いや別にそれはいいんだけどエイプリルフールって午前中に嘘を言って午後に嘘でしたって言うって聞いたけど」
「そうらしいです。初めてエイプリルフールに嘘をついたので焦って忘れてしまったんです」
「ピンク先輩でもテンパることあるんですね、意外です。それはいいですけど、今後の私の仕事ってどうなるんですか?」
「それは当然命の帳尻を合わすために生き物を殺してもらいます」
「殺しの仕事とか私に合ってるじゃないですか!! それじゃあ早速仕事ください、そして一ヶ月だけ給料を増やしてください」
「それは……」
「嘘をついて私に天使の仕事をさせたのはお二人ですよね?」
「はい」
そして私が命じられた仕事は異世界の勇者の殺害だ。
どうやら召喚したのはいいものの、クズすぎて手に負えないと担当の天使から要請があったようだ。
一つのエイプリルフールの嘘から始まった私に合わない天使生活は転職の死神生活へと様変わり
「ギャァァァ」
「本当殺すのが性に合ってるわ私って」
おしまい
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
エイプリルフールネタの話です一応




