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兄弟げんか、勃発

「てめえ、あたしに向かって、てめえって言うな!」

鋭く言うと、千紗は伸行の胸倉をつかんだ。

「やめなさい、千紗」

母の声が聞こえたが、千紗は、それに耳を貸さない。

「それに、ガキってなんだ、ガキはてめえだろうが。あたしがあんたに、何を押し付けたっていうんだ。え、言ってみろ。面会には、自分から行きたいって言ったことを、忘れんな、このクソガキ!」


「クソガキはてめえだ!!」

伸行は、千紗の手を振り解きながら、怒鳴った。

「何もかも、分かったような口を聞くな!!」

「面会が嫌なら、行かなきゃいいだろ。行きたいって言ったのは、お前だろうが」

「お前みたいに、単細胞にできてないんだから、しょうがねーだろ!」

「なんだと! それどういう意味だ!」

カッとなった千紗は、再び伸行の胸倉をつかんだ。

「そういう意味だ!この単細胞女!」

「てめえ、ぶっとばされたいか」

「二人ともやめて!」

「そうだ。お母さんの前で、こういう話すんなって、前から、言ってんだろうが!」


「うるせえ! 偉そうに俺に説教するな!」

 そう言うと、伸行は、思いっきり千紗を突き飛ばした。油断していた千紗は、思わず床に尻餅をついた。その千紗を見下ろしながら、伸行がまくし立てる。

「あーしろこーしろって、いい加減、うんざりしてんだよ。大体、俺にあれこれ言ってる中で、お前が出来てるものはあるか? 一つもないじゃねーか。なんだよ。偉そうに、『朝は自分でちゃんと起きろ』とか言いやがって。俺より早く起きれた日があるか? ねーだろ。ねーよな。へっ、笑っちゃうぜ。毎朝、大騒ぎして、俺の朝ごはん横取りして、やっと学校に行ってんじゃないか。お母さんが作る晩御飯だって、太るだなんだと、いろいろ文句ばっかり言いやがって。それで痩せられたのかよ。え? 痩せられるわけねーよな。お前なんか、口ばっかりで、何にも出来やしないんだ!」

「黙れ、黙れ! 何も分からないくせに、生意気言うな!」

猛り狂った千紗が、闘牛のように伸行に飛び掛る。

「何度でも言ってやる! お前なんか、口ばっかりで、何にもできないクソガキだ!」

すっ飛ばされながら、伸行も負けてはいない。

「クソガキ!クソガキ!クソガキ!」

「黙れ!黙れ!黙れ!」

二人は猛烈な勢いでつかみ合い、殴り合い始めた。



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