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序章
序章
ほんの十年前まで人間は、陸の上で暮らしていた。
だが、今人間は合金の上で生活せざるを得なくなっている。
これを書いている今、人間は合金でできた箱舟の上で生活している。今、地球には箱舟が百五十隻近く浮かんでいる。
人間は愚かにも、環境を破壊しすぎたのだ。
おかげで自然の氷はすべて溶け、海位は驚異的な速さで上昇し地面という地面は海の下へと消えた。
唯一残っている生粋の地面はエレベスト頂上のみ。かつて草木が一本も生えなかったそこも現在は木々が青々と生い茂り、世界箱舟機関――ＮＯＡＨの居城となっている。
世界規模の人口も十年前と比べると以前の三割以下と格段に減少している。
これは、そんな世界に住む高校生達の物語だ。
