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Chapter story  作者: 佐乃原誠
22/31

Chapter 1.22 話し合い

行動開始、ですね。

Chapter 1.22


話し合い


「とりあえず、目下やるべきことはこの三つですね」

 キルティスはそう口を開く。

「一つはラークさんの通勤経路の確認。これは五月十九日の退勤途中に何かが起こり、ラークさんの身に異変が生じたと思われるからです」

 キルティスはテーブルの上に置いてあるメモ用紙にその旨をペンで書く。

「次に二つ目はカルーアに点在する大病院への聞き込み。これはこの不可解な現象がカルーアのどこまで広がっているかを確認するためです。便宜上被害者と呼びますが、現在、東部記念病院で二十八人。他の病院でも同じような容態を呈している者がいるかを確認し、被害範囲、および人数を特定する必要があります」

 キルティスを除く三人はその言葉を聞き小さく頷く。

「そして最後に三つ目。現在確認されている二十八名の被害者、およびその近親者や職場からの聞き込み。ラークさんのような状態になった時間、場所を特定し、共通部分がないかを確認する必要があります」

 キルティスは最後の三つ目をメモ用紙に書きなぐる。

「現状、調査に動けるのはここにいる四人です。どのように動きますか?」

「そうですね。四人全員が聞き込みに回ってしまうのは非効率的だと思います。そうなると、今行うべき行動は最初の二つでしょうね」

 リアはキルティスの問いにそう答える。

「私もそう思います。では最初の二つを手分けして調査しますか」

「その方がいいと思います」

「だったらラークさんの通勤経路の調査は自分が請け負います。冒険者集会所にラークさんの職員登録書類があるので、それを取りに行けば通勤経路は把握できます」

 ルクスは真っ先に手をあげる。

 支部の協力を取り付けたとなればこれはもう仕事である。堂々と書類を預かることができるし、集会所の面々ともすでに顔を合わせている。そのことを考えると自分が適役だと考えた。

「わかりました。ではリアさんはどうしますか?」

「そうですね・・・。カルーアにある大きな病院となると、数はどれくらいですか?」

「昨日カナデと確認しましたが、東側には東部記念病院の他に一つ、西側には二つ、南側には三つ、北側には一つです。そうでしたよね?」

 キルティスはそう言い、カナデの方に顔を向ける。顔を向けられたカナデは緊張した表情ではい、と元気に頷いた。

「となると、とりあえず話を聞くべき病院は七つということですね?」

「ええ。状況によってはもっと多くの病院から話を聞く必要があるかもしれませんが」

「わかりました。病院の聞き込みは直接伺うとなると時間がたりません。時計型通信端末レガリアを使って電話で確認した方が早いかと思いますがどうでしょうか」

 リアは昨夜ルクスとの話で出た提案をする。

「そうですね。確かにその方が早いと思います。それであれば二人で手分けすればそれほど時間はかかりませんし」

「支部長とカナデさんで話を聞くことは可能ですか?」

「私は大丈夫です。カナデは?」

「大丈夫です!」

 カナデはキルティスの問いかけに対して元気に答える。

「でしたら自分もルクスの調査に同行します。個人的にラークさんの職場には目を通しておきたいし、二人の方が気づくことも多いでしょう」

「わかりました。ではルクスさんとリアさんは冒険者集会所でラークさんの職員登録書の受け取りと通勤経路の調査、私とカナデで病院への連絡ということですね」

 キルティスの言葉に残りの三人が頷く。

 するとルクスが何かを思い出したかのように口を開いた。

「そういえば、昨日の夜にセイクス管理官から連絡がありました。今日の昼過ぎにカルーアに到着するとのことです。あと、人手の件は調整するから気にしなくてもいいとも言っていました。」

 一応仕事なので、ルクスは上司であるセイクスを呼び捨てにせず、しっかり敬称をつけて呼ぶことにした。

「なるほど。それは助かりますね。それでしたらセイクス管理官がくる前にここに全員で集まっておいたほうが良さそうですね」

「そうですね。午前中に得た情報を統合して、セイクス管理官に報告して指示を仰いだほうがいいと思います。」

 キルティスの言葉にリアが同意する。

「では、十二時から一時の間に支部に集合ということで、各々行動を開始しましょう」

 その言葉に三人は頷き、ルクスとリアは軽い挨拶を済ませて支部長室から出る。

「さて、行くか」

「おう」

リアの言葉にルクスが返事をする。

 現在時刻は午前八時過ぎ。集合までのタイムリミットは約四時間。

 −−−この限られた時間で何かしらの情報は手に入れてやる。

ルクスはそう決意すると、リアを引き連れて支部の外に駆け出した。

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