告白 場所
あの子に告白したい。
けど、障害がある。
この恋心が叶うかどうかは問題じゃないんだ。
その問題は、告白場所だ!
俺は学生だ。
あの子とは学校で会うのみ。
だから家とかは知らない。
つまり、告白するなら学校のどこかなんだけど。
でも、問題はひやかしだ。
馬鹿で阿呆なやじ馬たちに聞きつけられたら、残りの学生生活を決まずい思いをして過ごすことになる。
俺は嫌だし、あの子も嫌だと思う。
だから、人目につかない場所を考えなければ。
屋上、はどうだ?
人気はなさそうだけど、立ち入り禁止だ。
カギを調達すれば入れるんだろうけど。
職員室からカギを拝借して、後で教師から怒られるのは避けたい。
じゃあ、校舎裏。
定番だよな。
でも、あそこは敷地外の道路から丸見えだ。
学生たちに冷やかされなくても、近所のおばちゃん達のせいで噂になったら元も子もない。
図書室?
いやいや、論外だな。
うちの学校では、文学少年&少女が少ないせいか、いつも図書室がガラガラなんだけど。
常駐している司書さんが噂好きだからだめだ。
じゃあ、体育倉庫とか?
行く時間を考えれば、人が来ることはないだろうし。
でもあそこは野良猫が住みついてる。
人懐っこいネコで、生徒達によくからんでいるそうだ。
猫の可愛さで、俺の存在がかすんでしまう!
なら、残された選択肢は一つだ!
全校生徒のやんちゃさん達、ごく一パーセントしか立ち入らない場所、
呪われた噂が立ち込めている、あの場所。旧校舎!
「という事で、俺とつきあってください!」
「ごめんなさい。心霊スポットで告白するような人と付き合うのはちょっと」