14話/ロスト・ナンバーワン
(……思ったより、ちゃんとやれてるな……)
トウジが全ての訓練用狂化異物を倒した頃。
こっそりと学院に侵入したミライは、彼の活躍する姿を物陰から眺めていた。
隠れながら見ているのは、強化学院が父兄の見学等を原則として認めていないためだ。つまるところ不法侵入である。
一応、部外者を通さないためのセキュリティはあったのだが、ミライは全く苦労せずにすり抜けることが出来た。髪を針金代わりに使うピッキングや、『静死勢』の完全無音駆動など、落第後数年間の無法生活で得てしまった技術が活きたのだ。
《八咫鏡》の転送時に行われる、登録者以外を弾く生体認証も、登録者と同じ生体情報を持つミライには上手く機能していなかった。仕様の穴を突いた形である。
(でも、御剣のクソも特に何もしてこないし……。ちょっと、過保護過ぎたか)
今になって自分の行動が恥ずかしくなってくるミライ。
そもそも、冷静に思い返してみれば、ハヤトがトウジ(ミライ)の能力を奪うのは今から一年以上先の話だ。
あの白い女という例外こそあるが、流石に今の段階で事件が起こることは無いだろう。
久しぶりの母校を見たことで、少々、浮かれてしまったらしい。
ミライは少しだけ照れたように頬を掻きつつ、鏡の世界を出ようと、学院内の所々にある鏡文字が併記されたコントロールパネルに手を伸ばす。
そして、通常世界への転送用ボタンに触れた、次の瞬間。
「《全生徒・全職員に緊急連絡。継承武装《八咫鏡》管理システムへの不正アクセスを確認しました。仮想空間内で授業を行っている生徒の皆さんは、教師の指示に従って――》」
(やっべ)
突如として響いた校内放送にたじろくミライ。
慌てて転送ボタンを押し込むが、「《現在、教師用端末以外の接続がロックされています》」という表示が出るのみで、一向に転送されない。
ミライがうろたえる中、実践授業の教師である不知火クルミが教師用端末で連絡を取る。
「はい、はい……分かりました。ええと、みなさん。大きな問題があるわけでは無いそうなので、安心してください。ですが一応、ここらで授業は切り上げてしまいましょうか」
そう言って、端末を弄る教師。いくつかの操作が行われた後、タン、と叩かれる決定ボタン。
同時に、生徒たちの周囲に次々と光が浮かんでいく。
《八咫鏡》の転送機能が使われた予兆だ。
「《生徒ID:391401、雨内ミナミ転送開始》」「《生徒ID:391402、一ノ内ダン転送開始》――」
響くアナウンスとともに、生徒たちが大講堂に転送されていく。
「《生徒ID:391437、竜胆トウジ転送開始》」
「《生徒ID:391437、竜胆トウジ転送開始》」
そして、トウジの周囲に光が浮かんだ瞬間、ミライの周囲にも同じように光が浮かんだ。
(まずい……ッ!)
アナウンスが二重だったところを見るに、どうやらトウジと同一人物であるミライまで転送対象だと判断されてしまったらしい。
咄嗟に光を避けようと飛び退いてみるが、特に意味はなかった。
淡い光はミライの体にまとわりつき、彼女を学院の大講堂へと移動させる。
「うぁっ……!」
「ぐぇっ!?」
視界が体育館から木造の大講堂に切り替わる。
ミライは転送時に体勢を崩し、受け身を取れずに落下。ちょうど真下に転送されていたトウジが押しつぶされ、困惑の悲鳴を上げた。
「だ、誰?」「別校舎の先生? あんな人いたか?」「ちょっと竜胆と顔似てない?」「目つき悪いけど、美人……」
大講堂の席に座る生徒たちが口々に言う。
ミライにのしかかられたトウジも、眉根を寄せて問いかけた。
「何やってんだ、ミライさん……」
「いやその、し、心配で……」
弁明しようとするミライだが、上手く言葉が出てこない。というより、弁明の余地が無い。
そのまま、何事かとやってきた教師により、ひとまず講堂の隅へ連れて行かれる。
「竜胆くんの知人ですか? 彼との関係は?」
「いや、まあ、家族というか。弟っていうか」
「どうやってここまで入ってきたんです? 校内立ち入りの許可証、持っていませんよね?」
「えっと、違うんですよ不知火先生、これは、あの」
「どうして僕の名前をご存知で……?」
「あー、そのー」
たじたじになるミライ。彼女は学生時代、この教師に何回か世話になっていたこともあり、あまり強く出ることが出来ないのである。
そんな中、ミライと手元の端末を見比べながら話していた教師が、ふと何かに気づいたように声を上げた。
「……ああ、もしかしたら、先ほどのシステム障害の影響かもしれませんね」
「え?」
「この学院にある《八咫鏡》という武装の力が、敷地外にまで作用しているというのはご存知ですか?」
「それは、まあ。この辺りの土地は大体学院の物ですし、所々に注意書きとかもあるので」
「実は数分前にその《八咫鏡》に不正アクセスがあったようでして。その時のエラーに巻き込まれたのかもしれません」
「あ、多分そうですね。きっとそれだと思います、ええ」
しれっと答えるミライ。
どうして教師がそんな勘違いをしたのかはわからないが、これを利用しない手はなかった。
「現在システムの復旧中なので、もう十数分ほどお待ちいただけないでしょうか。強制転送なら出れなくもないのですが、これは結構痛みがあるので……」
「全然大丈夫です。ちょうど暇だった所なんで」
ちらちらと生徒たちの視線がミライに集まる中、講堂の端にある席に案内される。
学院内をうろついてこれ以上教師に迷惑をかけるのもどうかと思ったので、講堂に待機しておくことにしたのだった。
(……ん?)
が、何やら、様子がおかしい。
「おい、なんで強警志望科の奴らまで来てんだ?」「全校生徒が集まるのって、入学式と卒業式の時だけじゃなかった?」「というかねこがいるんだけど」
次々と転送されてくる生徒たちの中には、強襲科のみならず、強警科の生徒たちもが混じっている。
高級そうな日傘を杖のように突く、頭にホワイトブリムを被ったメイド風の女子生徒。
パラボラアンテナを背中に背負った、メガネをかけた放送委員会副会長。
背中にかばんをくくりつけ、あくびをしながら歩いてくる黒猫。
そして、強警志望科最強である、サイドテールの風紀委員長。
普通の高校とは数も個性も桁違いな、強化学院の全校生徒。
それが一堂に会し、大講堂の席につく。両科の生徒たちがいがみ合っていることさえ除けば、なんとも壮観な光景だった。
だが、本来、強化学院において全校生徒が集まるのは入学式と卒業式の時のみだ。
この広い学院内で全校生徒をまともな方法で集めようと思えば相当に時間がかかるため、通常の式では、生徒たちは八つの校舎にそれぞれ存在する小講堂に分かれて集まる。理事長は中継で行事を執り行い、それを各校舎に存在する教頭が補佐するのだ。
(なんだ……? というか、五年前の始業式って、こんな感じだったか?)
全校生徒が集まることは強襲志望科の生徒だけでなく、強警志望科の生徒たちも知らされていなかったらしい。波が広がるように、ざわめきが大講堂の中を埋め尽くしていく。
そんな中、演劇舞台のような壇上に、大きなスクリーンが降りてきた。
映写機によって映されたのは「SOUND ONLY」の九文字。
世界第七位のSランク強化者であり、この学院の理事長である真稜マナブ氏の声が響く。
映像がないのは、この理事長が現在療養中であるためだ。かなりの高齢である彼は度々体調を崩すが、それでもこの理事長もまた歴戦の強化者。病に罹ろうと必ず全快し蘇ってくる、不死鳥の如き老兵士なのだ。
「《元気か、諸君。私は元気ではないが、まあ数ヶ月後には復帰するつもりだ》」
しゃっきりとした老人の声。その響きに、私語を交わしていた生徒たちが口をつぐみ、姿勢を正した。
「《さて、私としても長話は少々つらい。式典は後で教頭たちに任せるとして、今は手っ取り早く本題に入ろう。――狂教会、という組織についてだ》」
その単語に、ミライやトウジ、そして、生徒会役員の中にいた金髪のツーサイドアップが揺れる。
「《諸君らもこの組織の名を耳にしたことはあるだろう。体内に狂化異物を埋め込み、強化者ならぬ身で超常を振るう者たちのことだ。しかし彼らは人心を持たず、ただ徒に人々を傷つけるのみ。狂教会は模倣犯などを取り込みながらその規模を徐々に拡大させており、既に社会へ少なくない被害を出している》」
理事長の重々しい声に、いくらかの生徒たちが真剣に耳を傾けるが、ミライは気もそぞろだった。
そもそも生徒ではないというのがあるが、それ以上に、ミライにとって狂教会は一、二年も経てば勝手に滅ぶだけの弱小組織でしかないというのが大きい。
大体、狂教会が何をしてこようと、強化学院の生徒たちに出来ることなど無いだろう。超常を持った人間相手の戦闘経験を積もうにも、強化者同士の戦闘は国際的な条約によって禁止されている。
強化者は、使いようによっては核兵器をも上回る恐るべき戦力である。各国が強化者を抑止力として扱い、衝突を避けているのが現在の社会情勢だ。
この現状で、強化学院が超常を持った人間に対抗するためのカリキュラムを組めるはずも無い。
結局は、注意喚起程度の話なのだろう。そんな風に思い、ミライは小さくあくびをする。
「《故に、強化学院では今学期から――超常を持った人間との戦いに備えるべく、対異能者戦闘カリキュラムを新たに実施する》」
「ばっ……!?」
そして、次に放たれた理事長の言葉に度肝を抜かれた。
思わず立ち上がってしまい、生徒たちの視線を集め、そして慌てて座り直す。
だが、動揺は抑え込めない。
(どうなってる……? 対異能者戦闘カリキュラムだって!? 五年前には絶対にそんなの無かった! 遊園地の事件で歴史が変わったのか?!)
混乱するミライをよそに、理事長は言葉を続ける。
彼女の混乱を、更に加速させる言葉を。
「《このカリキュラムを実施するにあたり強化学院は、対人・対物、あらゆる戦闘を経験してきた世界最強の強化者をここに招聘した。そう――》」
舞台袖から壇上へ、硬いブーツの足音が響いてくる。
純白の、美女だった。
一本結びにした白の長髪に、銀の煌めきを宿す双眸。色素を失ったような青白い肌。
銀世界から降りてきたような雪色のダッフルコートが、差し込む夏日に照らされる。
それはきっと、「忘れられるはずもない」姿。
神聖さと禍々しさが同居する、青褪めた白。
あの日よりずっと近い距離に女はいた。
「《――Sランク強化者第一位である、『御剣セツナ』氏を》」
一週間前。
ミライが遊園地で見た、あの白い女が、堂々と壇上で口を開く。
「はじめまして、御剣です。どうぞよろしく」
そう言った女の笑みは、まるで感情の無い機械のようだった。
※
理事長の中継が終わり、教頭が話を引き継ぎ始める。
「えー、今回アドバイザーとして来ていただいた御剣セツナ氏は、皆さん知っての通り、第一位のSランク強化者であり、強化者の中でも稀少な空間干渉能力を持つ方でして、その空間干渉を利用した攻撃『零秒の絶対切断』は、彼女の代名詞として知られるほど有名で――」
だが、もはやミライには、そんな長々しい言葉など耳に入らない。
(どういうことだ……?)
御剣セツナ。そんな名前の強化者など、ミライは知らない。聞いたこともない。
まして、それが強化者の頂点。
最強であるSランク強化者の第一位であるなど……そんな事実は、もはや、違和感などという言葉では済ませられない。
(御剣ってことは、あのクズ野郎の家族か、親族? だけど、それがSランク、しかも第一位だって? 有り得ない、Sランク第一位は――世界最強の強化者は、【凍結犯】リリー=ケーラーだったはずだろう!? 完全に過去が変わっている!)
五年前には無かったはずのカリキュラム。五年前には存在しなかったはずの世界最強。
ミライは歴史が変えられたことを確信する。
(けれど……)
あの、御剣セツナと名乗る女の狙いが、分からない。
時間干渉を利用してSランク第一位になったというだけなら、まだ理解できる。ミライもやっていることだ。
だが、こんな対異能者用のカリキュラムを実施させた理由が分からない。何の意味があるのか全くの不明だ。
それでも、このまま放置することだけは出来ない。
対処の手がかりを見つけるべく、注意深くセツナを観察する。
セツナはミライの剣呑な視線にも気づかず、ニコニコと人形のような笑みを浮かべ、用意された椅子に座ったままだ。
戦闘時ではないためか、一週間前とは違い、強者らしい威圧感もほとんど放っていない。
そうしていると、まるで近所にでも住んでいそうなどこにでもいる社会人のお姉さんのようだ。よくよく見ると顔立ちもミライの好みで、迂闊に気を抜くと魅入られそうになる。
セツナの隣に立つ教頭は、のんきな声で話を続ける。
「えー、今回のカリキュラムでは、生徒同士の戦闘訓練等も行っていく予定です。これは、強襲志望科と強警志望科、両科合同の大会形式で行う予定でして――こら、静粛に。私語は慎みなさい!」
教頭の言葉に、ガヤガヤと生徒たちが騒ぎ始める。
「狂教会とか言ってもさ……結局強化者でも何でも無い、ただの一般人だろ? 戦闘訓練とか本当にいるのか?」「なんで強襲志望科にまでそんな犯罪者の相手やらせんだよ……それって強警官の仕事じゃねえの?」「つーか、強警志望科と戦闘とか、そもそも勝負にならなくね? 強襲の圧勝に決まってんだろ」「おい、そこのテメェ、強警舐めてんじゃねえ! 今朝風紀委員に瞬殺されてただろうが!」「ああ!? なんだ、今からやるかオイ!?」
学院の中でも特にガラの悪い生徒たちがいきり立つ。
教師の何人かが制止の声を上げるが、素直にその言葉を聞く生徒ばかりではない。
通常の高校ならばともかく、ここは強化学院。来年に卒業を控えた三年生にもなれば、プロの強化者と同等、あるいは上回るほどの力を持つのだ。彼らを大人しくさせるのは、並大抵のことではない。
壇上の教頭がマイクにため息を吐いた、その時だった。
「――なんで対異能者訓練やるかって言ったら、そりゃ君たちが無能だからだよ」
一言。
いつの間にか教頭の手からマイクを奪っていた白い女、御剣セツナがそう言った。
「お姉さんは休日返上して来てるってのに、教える相手がこれじゃやる気にもならない。せっかくロシアからテレポートしてきたっていうのに、誰も彼もみんな無能。人が超常を振るうその意味を、全く以て分かっていない」
わずかに、生徒たちは無言になった。
この強化学院に所属する自分たちに、ここまで傲慢な言葉を吐かれたことを、頭が一瞬理解出来なかったのだ。
だが、そんな生徒たちも直後には立ち上がり、Sランク第一位へ一斉に敵意を向ける。
しかし、彼女は意にも介さない。
セツナはまるで居合をするように、自らの懐へ手を突き入れた。
「――《バンダースナッチ001》、起動」
斬、と。
その一撃で、全校生徒のほとんどが両断された。
『……え?』
異口同音に声が響いた。
『何が起こったのか分からない』。そんな声が、無数に。
ずるり、と音を立てて、胴のあたりで横に真っ二つにされた生徒たちが崩れ落ちていく。
「《損傷多大。生徒ID:390101を強制転送します》」「《損傷多大。生徒ID:390102を強制転送します》」「《損傷多大。生徒ID:390103を強制転送します》」「《損傷多大。生徒ID:390104を強制転送します》」「《損傷多大。生徒ID:390105を――》」
次々と瞬いていく転送の光。うるさいほどに連なる《八咫鏡》の転送アナウンス。千を軽く超える響きが同時に鳴る様は、まさしく断末魔のようだった。
通常世界に戻れば損傷も無かったことにはなるが、そのショックと驚愕は計り知れない。
「何……だと……!?」
「全員、止まるな! 止まれば、一瞬で殺られる――!」
生き残った数名の生徒たちが叫ぶ。
生徒会役員や風紀委員。強化学院でも指折りの実力者たちが、どうにか対処しようと武装を構える。
だが――
「ハヤトが避けれないぐらいの速度だったのに、案外残ったね」
――学院最強の生徒たちは、次の瞬間、何の抵抗も出来ず崩れ落ちた。
御剣セツナから放たれたプレッシャーが、生き残った生徒たちをして恐怖させる。
そして、斬られた。縦に。横に。斜めに。
強襲志望科最強の生徒会長に、強警志望科最強の風紀委員長。一年首席である宮火ミルや、学院内最高の体術を持つ空手道部部長。
乱切りに体を両断された、箱庭の最強たちが無造作に転がる。
「《損傷多大。生徒ID:392504を――》」「《損傷多大。生徒ID:392809を――》」
残った生徒たちが訓練室に転送されていく。
レベルが違った。
カテゴリが違った。
パラメータが違った。
何もかもが、隔絶していた。
もはや、この大講堂内に生徒など誰も残っていない。教職員すら、巻き添えで斬り殺された。
訓練室は転送された生徒たちですし詰めになり、その誰もが、震える畏怖を持ってモニターを見つめている。
「それで」
故にこそ、誰もが疑問に思った。
「――結局、お前は何者なんだ?」
『ただ一人仮想空間の大講堂に生き残り、白き最強に一切臆さぬ――あの黒髪赤目の女性は誰なのだ?』と。
「それはお姉さんも聞きたいな。君、一週間前にも会ったよね? 顔が良い女の子は忘れないもの」
「やかましい。さっさと私の質問に答えろ。やりたい放題しやがって」
緋眼と銀眼。両者の視線が交錯する。
顔をしかめ、ミライが腹立たしそうに問いかける。
それを見て、セツナが楽しそうに笑いかける。
「じゃあ、一戦やろうか。勝ったら何でも教えてあげる。それで良い?」
「上等だ。一生言ってろ、自称最強」
そして、《ウロボロス000》竜胆ミライと《バンダースナッチ001》御剣セツナは激突した。
次回、お姉さんバトル。
・まとめ
竜胆ミライ
母校に堂々と不法侵入をかましたTSお姉さん。知らない人がSランク第一位になっててビビる。でも攻撃が思ったより避けれたので殴り合いをすることにした。
竜胆トウジ
特に何も出来ず斬られた男子高校生。クラスメイトの前で姉(的存在)とラッキースケベしてしまってちょっと恥ずかしい。
御剣セツナ
休日返上して教えに来た学院の民度が思った以上に悪くて怒った白いお姉さん。《バンダースナッチ001》という能力を持つ。生徒全員殺しても生き残っている女の子がいたので殴り合いをすることにした。
御剣ハヤト
出番も無いまま自分の姉にぶった切られた男。