第一章 姫宮さんとオカルト部
至らない所もありますがよろしくお願いします。
パンパンッ
手を叩き張り切るのは自称オカルト部の部長。
姫宮さくら。
男子の憧れである、王道黒髪ロングで
その真っ黒な髪が一層のこと肌の白さを引き立てていた。
顔は綺麗に整っており、一見近づき難く感じる風貌をしている。静かにしていれば美少女なのは間違いない。
しかし時折、腕や首筋に包帯が巻かれているのがうかがえる。
よくみると、制服も所々破けている箇所がある。
おそらく、1人でズカズカと危ない森とか墓地に出向いているのだろう。
姫宮『オカルト部の皆様
今からオカルト会議を始めますわよ!』
甲高い姫宮さんの声が室内に響き渡る。
オカルト部など本来この学校には無いのだが
使わなくなった部室を勝手にオカルト部に改造している。三度の飯よりオカルト好きな騒がしい人だ。
※『姫宮さん、オカルト部は僕しかいないじゃないですか。誰に言ってるんですか?』
姫宮『香川くん!いい質問ね。
貴方には見えないだろうけど
ここには沢山の霊が集まっているの』
姫宮さんはいつもこんな感じだ。
すぐに幽霊だの宇宙人だの妖怪だのと引っ付けたがる。
※『はいはいはいはい、そういう事言うのやめてもらえます?
そもそも霊なんて存在しないんですよ!』
姫宮『お黙なさい!』
貴方だって霊を見たくてあの場所いたのでしょ?
』そう言ってニヤりと笑った。
※『何度も言ってますけど!違いますからっ!
姫宮『あらあら、隠さなくてもよろしいのよ?』
僕と姫宮さんが出逢ったのは、この辺りで有名な心霊スポットだ。
その日、僕はかなり落ち込んでいた。
家の事情で引っ越しが決まり転校した。
最初の内は物珍しさでチヤホヤされたのだが
それも長くは続かなかった。
人に合わせるのが苦手な僕はクラスに馴染めなくなり1人でいる事が多くなったのだ。
何か言われると黙り込んでしまう僕を面白がり
嫌なイジり方をされる事が多くなった。
そういう、落ち込んだ時
無性に廃墟や不気味なスポットに行きたくなる。
幽霊など信じている訳ではないが僕も人間だ。
薄味の悪い真っ暗な場所はやはり怖いと思う。
幽霊を信じなくとも←ここ大事
怖いものは怖いのだ!
怖い所に行くと、何故か自分は生きているんだと実感が湧いてくる。
小さい事は気にしないで、生きようとする気力が湧き出てくるのだ。
※『何度も言っていますが僕は落ち込むと不気味なスポットに行きたくなるんです!』
姫宮『落ち込むと『心霊スポット』に行きたくなると言うことは霊に誘き寄せられているのね・・・。
霊は負の感情には敏感ですから。』
※『姫宮さん、しつこいですね。勝手に心霊スポット限定にしないでください!』
姫宮『貴方の頭には米粒並みの脳味噌しか詰まってないのかしら?
私の事は『部長』とお呼びなさいと教えたわよね?』
僕は深いため息を落しながら
仕方なく部長と呼び直した。
香川『ハァ・・・・部長申し訳ないですが
幽霊なんて、存在しないんです!
あんな、非科学的なモノ怖くもないし信じてもいないんです』
姫宮『んまぁ!!』
姫宮さんは実にわざとらしく驚いてみせた。
姫宮『初めて、貴方と出逢った時、私の姿を見て
腰を抜かして泡を吹いて倒れたのはどこのどいつだったかしらね?』
『・・・・・・』
姫宮さんは仰け反り人差し指で僕を指した。
『部長、人に指を刺してはいけないと教わりませんでしたか?』
『そ、それと、あ、アレは体調が悪かっただけで!』
姫宮『香川くん?貴方・・・実に見苦しいわ!
では、どうしてオカルト部に入部してくれたのかしら?』
※『それは、幽霊や超常現象など存在しないと証明するためです』
※『それと・・』
姫宮さんが、可愛すぎたからなんて言えない。
姫宮『それと?』
※『こんな、くだらない事に全力で挑戦している部長が面白かったからです!
僕、馬鹿なことを全力でやってる人って嫌いじゃないですよ。』
姫宮『貴方、とても嫌な人ね』
そう言って部長はクスクスと笑った。
姫宮『私が必ず証明してみせますわ!
必ず霊は存在すると!』
※『じゃあ、僕は幽霊なんていないと証明しましょう!』
姫宮『うふふ!望むところよ!』
本当に変わった人だな。むしろ部長の存在がオカルトじゃないか・・。
姫宮『香川くん?何か言ったかしら?』
香川『い、いえ何も・・。
ところで部長。この前、撮った写真なんですが
謎の物体が写ってましたよ。』
姫宮『えっ!うそ!マジで!
どこどこ!?』
香川『はいっ!ウソです!』
姫宮『はぁぁぁぁぁぁ?ムカつくううう!
※『部長、話し方が戻ってますよ?』
姫宮『・・・・っ!人で遊ぶのはお辞めなさい!
ん?ちょ、これ!?』
見て見て見て!と興奮気味に写真を指差した。
姫宮『これ、人魂っしょ!?絶対、人魂っ!!』
よく見てみると確かにオレンジ色の謎の物体が映り込んでいる。
※『部長、それは人魂ではありません。人魂と言うのは科学的に証明されていて『お黙なさい!』
まだ、説明は終わってないのに遮られてしまった。
姫宮『これは人魂!よろしくて?部長の私が言うのだから間違いありませんわ!』
部長の権力使うのやめましょうよと喉まで出たが飲み込んだ。
姫宮『オカルト心霊部始まって以来の大きな収穫がありましたわね!今日はお祝いよ!
ヘックのヘックシェイクで乾杯しましょう!』
ほら、ついてきなさい!とスタスタ歩いって行ってしまう。
部長はホラー映画で見た、陰のあるミステリアスなお屋敷のお嬢様の口調を真似て喋っているらしい。
再現度は低めだな、、。
普通に話した方が可愛いと思ったのは内緒だ。
読んでくれてありがとうございます!
続きも頑張りますのでよろしくお願いします。




