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70 最初は爆走です

 ギルドハウスを出たらクエストを自動受注したよ。



【ゴア辺境要塞隊長の要請】

 辺境要塞で防衛の任についている隊長が呼んでいる。

 辺境要塞に行って話を聞こう。



 ほいほい。


 あ。

 あのね、あのね。

 今受注したような小さなクエストをね、複数こなしながら条件をクリアしていく形の冒険シナリオを、ミッションって言うんだって。


 ミッションの全容はまだ全くわからないんだけど、この隊長さんが色々教えてくれるのかな?

 辺境要塞にマーカーついてるし、とりあえずここに行ってみろってやつだね!


「ィー?」(全員〈はやぶさの靴〉は装備してるな?)


 お姉ちゃんが確認する。

 全員「yes」と返事した。

 〈はやぶさの靴〉って、装備しておけばダッシュ移動の速度がめっちゃ早くなるっていう便利アイテムなんだ。錬金で調合可能。

 前に、ジャンヌさんのイベントであたしだけ持ってなくて置いてけぼりをくらったから、その後作ってもらってさ。

 こういう時に便利だよね。


「ィー」(そんじゃ走るか。先頭頼むぞスカイ)

「ィー」(任せとくっぺ。みんなしっかりついてくるっぺよ~)


 空さん爆走。みんなも爆走。もちろんあたしも全力疾走。

 あ、空さんを追いぬいた。

 あたしのレベル、こっそり148まで上がってるんだよね。

 レベルが同じくらいになってきたら、素早さはあたしの方が上みたい。


 でもでも、一番前を走ってて何かの標的にされると怖いから、安全な空さんの後ろのポジションに戻りっと。


 周辺にボチボチモンスターがいる。

 初期地域だからかレベル低いね。10だって。

 低レベルの人でも楽しめるようにの配慮だろうね。


 で、行けと言われた要塞はすぐそこにあったよ。

 要塞の入口に偉そうな人が立っている。

 クエストの対象マーカーが頭上に出てるから、この人が隊長さんだね。


「よく呼び出しに応えてくれた。知っていると思うが、ここ、ゴアは、過去の魔族の侵攻の傷跡によって砂漠化が進んでいる。近年の魔族の活性化により、砂漠化は勢いを増す一方だ」


 おぉ。そんな設定のフィールドなんですね。


「砂漠化を止めることが我々に課せられた使命だ」


 ギルドハウスを出た時に自動受注したクエストがクリアになる。

 ついでに、ミッション欄に情報が追加された。



【特設ミッション】枯れ行く大地に命の息吹を

 過去の魔族の侵攻の傷跡によって砂漠化が進むゴア。近年の魔族の活性化により、砂漠化は勢いを増していた。

 砂漠化を止めることがイベント参加プレイヤーに課せられた使命になる。


 □砂漠化を止めるために神秘の泉を生き返らせろ。

 □邪魔する魔族を退治しろ。

 □ゴア侵入を準備している魔族がいるらしい。陰謀を感知して止めろ。



 隊長さんが話したこと以上の情報追加きたー!


「砂漠のどこかに神秘の泉があるらしい。今は枯れているが、その泉を蘇らせれば、他の水源にも良い影響があるのだとか。蘇らせる方法を祈祷師が知っている。協力して泉を蘇らせて欲しい」


 次のクエストを受注。

 祈祷師さんの所に話を聞きに行けだって。

 またお使いか~。


 まぁ、連続クエストの最初だしね。

 あたし達にはうまみが少ないから、ガンガンぶっ飛ばしていくだけだけど。


 爆走して祈祷師さんの所に到着。


「よく来た。お主らが隊長の言っていた者達だね」


 はいそうです!


「さっそくだが手伝ってもらえないか。神秘の泉復活の儀式を行うのに必要なアイテムを集めて欲しいのだ。1つ目は〈水〉だ。この瓶に汲んできてくれ」

「ィー?」(水?)

「正確には、まだ生きている水源から湧き出ている水だな。枯れた泉を蘇らせるための呼び水にする」

「ィー」(なるほど)


 祈祷師さんと話しろっていうクエストをクリア。

 水を手に入れろってクエストを受注。タマさんが空の瓶を受け取ったよ。

 水源に向かって爆走再開。


「ィー」(あれだな~。隣のギルドがスタダしてたら、次の水源あたりではち合わせるかもな~)


 お姉ちゃんが言った。手にはタブレットを持っていて、走りながら器用に操作してる。


「ィー」(なんで?)

「ィー」(辺境要塞と祈祷師は各ギルドハウスの近くにそれぞれ1つずつ配置されてるっぽいんだが、水源は数が減ってるんだよ)

「ィー」(言われてみればそうでござるな。ざっと見た感じ、参加ギルドの半分ほどの数しかなさそうでござる。2ギルドで1つの水場を使えということでござるか)


 わ、わ、わ。タマさんも走りながらタブレット操作して見てるし。

 タマさん、地味だけど能力は高い人な予感がするよ。地味だけど。怪人姿もしょぼくて弱そうだけど。


「ィー」(なんなら鉢合わせてくれる方がぁ、肩慣らしにもなっていいよねぇ)

「ィー」(幸いわたくし達の両隣のギルドは弱小でしたわ。人数ではわたくし達の方が少ないですけれど、負けはしないと思いますの)


 みんなのやる気――っていうか、攻撃性が上がっていくのを肌でひしひしと感じるよ。

 一番最初にあたし達に遭遇する人可哀そうだなぁ。


 いやいや。

 今までの経験上、クエストが進むごとにお姉ちゃんと姫様のイライラ度が増してた気がするから、最初に出会う人は幸せなのかな?


 そうこう話している間に水場発見。そして到着。


「ィー」(水源っていうわりに、ほとんど枯れそうな水たまりだね)

「ィー」(砂漠化が深刻らしいでござるからな。さて、水はこれでよかろう)


 瓶に水を満たしたタマさんが立ちあがった。あとは、これを祈祷師さんに届けて終わりだね。


「ィー」(レッド、ちょっと待つだっぺ。あっちに人影が見える。お隣さんが近付いてきてるみたいだっぺ)

「ィー」(ほんとでござるか?)

「ィー」(やったねぇ。それじゃぁ、人狩ひとかり行こうぜぇ)


 腐ちゃんがるんるんと人影の方へスキップする。

 ご挨拶よろしく攻撃魔法を人影に打ち込んだ。


 あー。何人か消失して泡になったような。

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i396991
― 新着の感想 ―
[一言] 相変わらず手当たり次第容赦なしwww
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