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68 朱石オープン5周年イベント開幕

 さぁさぁ、やってきました。

 運営主催のイベント日でございます。


 イベント開催期間はリアル時間で3時間。

 だけど、イベントフィールドだけ普段より時間加速させて、参加プレイヤーはゲーム内時間で3日間を過ごすことになるらしいの。

 参加プレイヤーは事前にギルド単位で申請済。

 イベントフィールドに各ギルドハウスが設置されているから、みんな、各々のギルドハウスからスタート&休憩になるらしい。

 すぐ目の前にヨソのギルドハウスがあるなんてことは無い程度にギルドハウスの場所は点在していて、イベントフィールドは広いんだって。


「で、ギルド未加入の人は、このイベント中だけ特設ギルドに収容……と」


 ここまでが、イベント開始までに告知されていた概要。

 イベントが始まって、飛ばされたギルドハウスに置かれていたタブレットで、クエストの更に詳細を見れるようになっていた。



 ■朱石オープン5周年イベント

『概要』

【特設ミッション】枯れ行く大地に命の息吹を と、ギルド戦の2つをお楽しみいただけるイベントです。

 ミッション・ギルド戦で獲得したポイントを合算し、最も多くのポイントを得た上位ギルド3つに景品を差し上げます。


 ◎【特設ミッション】枯れ行く大地に命の息吹を

 連なるクエストのクリア状況、クリア順に応じてギルドにポイントを付与します。

 ・クエスト1つクリアにつき、ギルドに10点加算します。

 ・ミッションクリア1位:100点、2位:70点、3位:50点、4位:30点、5位:10点をギルドに加算します。


 ◎ギルド戦

 各ギルドハウスに珠を設置します。珠の争奪戦を行ってください。

 ・イベント終了時に、自ギルドに自珠があった場合:ギルドポイント50点加算。

 ・イベント終了時に所持している他ギルドの珠:1つにつきギルドポイント30点加算。

 ・自ギルドメンバー以外のプレイヤーを倒した人数1人につきギルドポイント1点加算。


 ※持っているギルド恩寵によって、ギルドハウスに特殊効果が現れることがあります。

 ※蘇生スキル、蘇生アイテムの使用不可。イベントフィールド内で死亡した場合、そこでイベント参加終了となります。ご了承ください。

 ※最後まで残っていたプレイヤーには賞品が授与されます。

 ※イベント中もっとも活躍したプレイヤーには賞品が授与されます。



「これ、ガチで勝ちにいくのなら、ギルド戦を勝ち残らんと駄目だな」

「いや狙うだろ。勝負となれば、狙うは勝ち1択だわ」


 なんとなく思ったことを口にだした感じのお姉ちゃんのセリフに空さんが突っ込んだ。


「拙者もやるからには勝ちたいでござるな。少人数ギルドだからと言って、最初から諦めたくはないでござる」

「勝負を捨てるなんて言ってないだろ? 私だって勝ちたい。賞品出るみたいだしな」


 あ、そこ? そこですか?

 やっぱり物欲が優先なんですね。


「とりあえず状況確認しませんこと? この、『※持っているギルド恩寵によって、ギルドハウスに特殊効果が現れることがあります』の部分、あいまいすぎますわ」

「んだねぇ。うちのギルド恩寵といえばぁ、取得金アップとぉ、ジャンヌちゃんとぉ、サン=ジェルマン~」

「取得金アップのギルド恩寵は、本来の恩寵以外の特殊効果無しみたいよ」


 サン=ジェルマンさんがひょこっと顔を出した。

 メイドさんもいる。

 ジャンヌさんもいる。珍しいことに人型。というか、クエストで戦ってた時の、神の僕バージョンみたいな見た目なんですけど。


「恩寵を手に入れる際に戦ったボスがギルドに居座っている場合、元ボスが本来の姿でギルドハウスの防備に当たれるらしい」

「きちんと防衛の仕事するかどうかの自由はアタシ達にあるから、アンタ達の普段のアタシ達への対応が酷かったら、職務放棄もできるってわけ」


 ふふふんと、偉そうにサン=ジェルマンさんが言ってきた。

 防衛職務を盾に、昼寝の時間を所望とかなんとか色々要求してきてるけど。


「フルPTで挑んでやっとなLv150のボス2体が防御にあたるんだったら、ギルドハウスの防御に人手を割かなくていいな」


 けれど、あたしたちは華麗にスルー。

 だって、要求してきてる昼寝とか、今でも勝手に寝てるし。好きにすればいいじゃんって話で。


「ちょっと! 防衛にあたるかあたらないかの決定権はアタシ達にあるって言ってるでしょ!?」


 それでもサン=ジェルマンさんがしつこく騒ぐものだからか、お姉ちゃんが放つ空気が冷たくなった。


「お前職務放棄すんの? そんなことしたらギルドハウスから追い出すけど? あーあー。せっかくギルメンとわいわいお茶したり喋ったりできる環境なのに、あの、寂しい教会跡で1人ぼっちで余生を過ごすのか~」

「ぐぬ」


 お姉ちゃんの嫌み1つでサン=ジェルマンさんは黙りこむ。

 ハンカチを噛みながら、「防衛してあげてもいいんだからねっ」とひれ伏していた。ツンデレか。

 対照的に、ジャンヌさんは普通にやる気。


「私は全力で防衛にあたらせていただく。普段から世話になってるし、良くして貰ってるからな」

「うん。よろしくね」

「心得た」


 いまだにぐじぐじやってるサン=ジェルマンさんを引きずってハウスの外に出て行った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 久々にジャンヌさん戦闘モードか! サンジェルマンはテキトーにがんばれw
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