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期間限定種族を選んだらショッ○ーにされそうなんだけど? 嫌だから悪の組織乗っ取りますね  作者: 夕立
あたしとお貴族様と魔女の贈りもの。余所様にとってはきっと天災
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126 黒ヤギさんが召喚しています

 ここのドアを開くためにどうするんだと空さんとお姉ちゃんとタマさんの口論が続く中。


 カチリ


 ドアの方から小さな音がした。

 音の方を見たあたしの目に飛び込んできたのは、腐ちゃんがドアの鍵穴から鍵を抜く光景。


「あの、腐ちゃん。それ、鍵」

「うん~、そうだねぇ。これで開いたねぇ」


 ヘラヘラと彼女は笑う。

 いや待って。

 あなたその鍵をいつどこで手に入れてたわけですか?


「腐、どうしてここの鍵を持っていますの?」

「えとぉ。この前こはるちゃん達とここに来た時にぃ、綺麗なアイテムがあったからいくつか頂戴したのぉ。その時のアイテムをぉ、インベントリから倉庫に移し忘れてただけなんだけどぉ。移し忘れてて良かったねぇ」


 そういえば、鎖とかを空さんと姫様のお土産にしようって、ホクホクしてたね。

 その時鍵もパチってたのね。

 他にも何かと持ってそう。


 ……。


 いや。

 精神的ダメージを食らうものが出てきそうな気がするから、追求するのはやめとこっと。


「なんでもいいから、ドアが開いたなら先に進め! 出てくるモンスターの量を減らせるなら減らさないと、こっちの消耗が酷過ぎる!」


 ひゃあああ!

 お姉ちゃんからフレーンドリーファイアが飛んできた!

 ダメージは入らないけど、気持ち痛いから止めて!


 あたし、腐ちゃん、姫様が脇にどいて開けた道を、モンスターを引き連れた空さんが駆けていく。

 残りのメンツも彼を追って部屋に駆けこんだ。

 何日かぶりにこんにちは! 黒ヤギ頭の悪魔さん!


 この前来た時はただの像だった黒ヤギさんは、今日は黒いオーラを発しながら生きている。

 彼の足元に巨大な魔法陣があって、そこからわらわら悪魔が出てきてるんですけど!


「あいつを倒せば、悪魔系モンスターのリポップを絶ち切れるか減らすかできそうでござるな」

「それならいいんだがな! とりあえず、そのヤギちょっと殴って、戦闘パターンを見てみるか」

「だな~。姫、用意良くなったら言ってくれや」

「いつでもよろしくてよ。むしろ、さっさと始めて倒してくださらない?」

「ほいきた。んじゃ行くぜ~」


 軽い調子で空さんが黒ヤギ頭さんの方に突っ込んでいった。

 引き連れているモンスターももれなく一緒に移動。

 うーん。

 これ、雑魚掃除しに空さんの近くまであたしも行った方がいいのかな?

 どういう挙動するのか謎のボスの近くに複数人が行くって、微妙な気がするんだけど。


「タマ、湧いてくる雑魚のタゲは一時的にお前が取れ。こはる、私と一緒に攻撃アイテムを空の方に投げまくるぞ。姫と腐は、雑魚タゲ拾ったらタマの方に持っていきつつ適当で」

「心得た」

「は~い」

「わたくし達はいつも通りですわね」

「だねぇ」


 お姉ちゃんがとりあえずの動きの指針をくれたから、それに従ってみんな動く。

 あたしとお姉ちゃんは、錬金で調合した攻撃アイテムを構えた。

 あたし達には〈調合アイテム効果+20%〉のスキルがあるからね。


 とりあえず、様子見で爆弾投げまくってみようかな。

 雑魚でもレベル150だから、お姉ちゃんが作ってくれてた強力爆弾を使わせてもらいます!

 とうのお姉ちゃんは、おっきな大砲みたいな何かをぶっ放している。

 大砲って言うか、広域拡散するレーザーキャノンみたいな何かなんだけど。


 サン=ジェルマンさんの所のアイテムをがめて自由調合しだしてから、変なアイテム増えたよね。

 他にどんなアイテムが出てきても、あたしはそれに突っ込むまい。


 あたしの投げてる爆弾とお姉ちゃんの広域レーザーが、中ボスを巻き込んで空さんの周囲でさく裂する。

 外周では、際限なく湧いてくる雑魚のタゲをタマさんが回収していっている。

 で、〈タウント〉のクールタイムが終わるごとに空さんに回収されていく雑魚さん達。


 その雑魚さん達なんだけど、空さんの近くに移ってきたら、あたしとお姉ちゃんの攻撃の餌食でさようなら。

 腐ちゃんは、その時その時に応じて、ボスに攻撃したり、空さんにワラワラしてる雑魚に攻撃したり。


 うんうん。

 なんかいい感じ。

 ていうか、後衛ってボスの攻撃避けるのに気を払わなくていいから、すんごい楽だね。

 サブで後衛火力のキャラ作っても面白いかも。


 そんなことを続けていたら、雑魚を掃除しきってあたしが暇な時が出てきた。

 ボス1匹に範囲攻撃のできるアイテムを使い続けるってもったいないっていうかなんというか。


「こはる~。お前、ボスへの直接攻撃に回って大丈夫かも。あ、ボスの攻撃はもちろん極力避けてな」


 お姉ちゃんから戦い方変更の指示がくる。

 やっほーい。仕事ができた!

 あたしは中ボスさんの後ろにへばりついて攻撃を開始。


 中ボスさんの攻撃パターンをずっと見てたんだけど、基本は空さんを杖で殴って、それか、前方に範囲攻撃する感じなんだよね。


 つまり、中ボスさんの後ろはある種の安全地帯。

 魔法陣の中で戦ってるから、湧いてくる雑魚のヘイトを少し拾っちゃうけど、雑魚が空さんに回収されるまでに貰うダメージは姫様の回復で追いつくくらいだから問題なし。


 なんてやってたら、かなりあっさり中ボスさんを倒せた。

 最近癖のあるボスばかりだったからか、スタンダードなボスだと弱く感じる。

 いいことなのか悪いことなのか。


 黒ヤギ頭の中ボスさんを失った魔法陣は光を失って、悪魔も湧いてこなくなった。

 けど、お隣の部屋から男の子の幽霊はばんばん出てきっぱなし。

 次はこっちに突撃しなきゃ駄目なんだろうな~。


 うぅ。見たくない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 貴様 二太郎さんの感想返信に便乗失礼します。 高難度ステージの後のノーマルステージの感覚、めっちゃわかりみですね(笑) 作品とは全然関係ないことですが、八刀皿さんのスペランカーレポートを見…
[一言] もはや正統派な戦いは物足りなくなってしまってるとか……毒されてるなぁ笑
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