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REトモコパラドクス  作者: 大橋むつお
36/88

36・50年後 友子の決着・1

RE・友子パラドクス


36『50年後 友子の決着・1』 





 ズゥイーーーーーン



 2トンもある隔壁の扉が開いた、50年タイムリープした栞の時代のラボの扉が。


 1メガトンの戦術核にも耐えられる特殊部隊のラボは黒部峡谷の近く、人を寄せ付けぬ岩山の中にある。その存在は防衛省の数人しか把握しておらず、総理でさえ五年以上在職した者にしか伝えられていない。


「母を捕獲しました。安全のため全ての動力をダウンし、僅かでも電脳が起動の兆しを見せたら、即破壊されるようにしてあります」


 栞は無表情に答えた。


 このラボでは、感情を交えたコミニケーションは禁止されている。長官は、無機質に聞いた。


「この二体の君の義体は?」


「ご覧のように、母にプラグインして、万一の場合は、自分の動力とショートさせ、身をもって安全を確保するようにしてあります」


「栞らしい念の入れようだな。しかし、こいつは本当にオリジナルなんだろうな?」


「戦闘詳報は、ダイレクトで送らせていただきましたが」


「たしかに、君と義体二体で友子を捕獲し、フリーズさせた上で動力をダウンさせたところは確認している。しかし、こいつがオリジナルであることは、状況証拠しかないからな」


「しかし、このラボに入るときに、我々も含めてアナライズされたと承知していますが」


「栞と、その義体はな。しかし友子は違う。なんせ、こいつを作ったのはミームの連中だ。詳しいスペックも、シリアルも確認できていない」


「我々のメモリーの確認だけではいけませんか?」


「君のメモリーには主観が入っている。こいつがオリジナル友子であるという」


「では、どのようにして確認を?」


「八十年前、人間だったころの友子を争奪しようとしたことがあるだろう」


「はい、ミームの工作員は始末。母は、瀕死の重傷で、それが義体化のきっかけになったと承知しております」


「そのとき、破壊された工作員の電脳から、一部だけだが、義体の情報を抜き出せた」


 この情報は、栞は知らなかった。


 長官から得ていた情報にはフィルターがかけられていたようだ。


「これを見たまえ」


 長官のガード兼秘書が、モニターに、あるものを写した。


「これは……」


「友子のシリアルだ。3Dのホログラムになっている。我々の技術でもできない高度なものだ。この友子の義体に宇宙人のテクノロジーが使われているのは間違いない」


「まさか、母のシリアルと照合しようと!?」


「ああ、それが一番確実だからな」


「いけません。そのためには母の電脳の一部を起動させなくてはなりません。何が起こるか分かりません。危険すぎます!」


「多少のリスクを冒しても、確認はしなくてはな。おい」


 長官は、直接栞の合成義体に命じた。


「はい、10秒お待ち下さい。安全性の確認を行った上で実施します」


「これで、君たちが本物であることも確認できる。オリジナルの君を含め、栞の義体は俺には反抗できないからな」


「安全性の確認ができました」


「ようし、シリアルを出せ」


 モニターに資料とそっくりなシリアルが映し出され、ラボのコンピューターも百パーセント本物であることを証明した。




「よし、確認できた。友子を破壊しろ」




 シートに深く座りなおすと、長官は自慢の長い脚を組みなおして静かに命じた。


「……某ロボットアニメの12回目に似たようなシーンがありました」


「12回目……フフフ、最終回だな」


 めずらしく短い感想が交わされて、友子は、その最後を迎えようとした。


 


☆彡 主な登場人物


鈴木 友子        30年前の事故で義体化された見かけは15歳の美少女

鈴木 一郎        友子の弟で父親

鈴木 春奈        一郎の妻

鈴木  栞        未来からやってきて友子の命を狙う友子の娘

白井 紀香        2年B組 演劇部部長 友子の宿敵

大佛  聡        クラスの委員長

王  梨香        クラスメート

長峰 純子        クラスメート

麻子           クラスメート

妙子           クラスメート 演劇部

水島 昭二        談話室の幽霊 水島結衣との二重人格 バニラエッセンズボーカル

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