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モブガタリ  作者: 釣居 螺夢
0:それぞれの物語は自分たちに関係のないところで完結する
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【学生B:普通な女子高生】 叫びながら立ち上がったあの娘の、三つ左の二つ後ろの席で私は。

視点がころころ変わります。

今回は、少女漫画のような恋に焦がれる、普通な女子高生・木下 彩花さやか視点です。

 結論から言うと、突然クラスにやってきたイケメン転校生は、転校初日の朝に曲がり角でぶつかった女の子と紆余曲折を乗り越えた後、めでたく付き合うこととなった。

 そして、その女の子というのが私ーーの、二つ前の三つ右の席に座る、特に仲が良いわけでもなければ悪いわけでもないクラスメートだったのだ。


 私の名前は木下彩花。私立 天布令テンプレ高校に通う、普通で普通の女子高生。……そう、私は普通。

 こんな風に、自分で自分のことを〈普通〉と表現するような人間に限って、変な能力があったり、なぜか異性からモテモテだったり、「いや、お前それ絶対普通じゃねえだろ」というような個性があったりするものだけど、私にはそれが、ない。本当に何もない。

 まあ、世の中の人間は大体がそんなもんだし、別に私だって深刻に悩んでいたりするわけじゃないけれど、それでも、実はちょっぴり、焦がれてる。


 非現実的な、なにかに。

 例えば、少女漫画によくあるような、甘くて淡い、恋とか。


 高校生になれば、何かが変わるかもしれないと思った。

 新学期を迎えれば、何かが起こるかもしれないと思った。

 いきなり現れた転校生とかが、私を変えてくれるかもしれないと思った。


 でも、やっぱり私は、私のままで。

 だけど、それでいいの。


 だって、イケメン転校生とラブラブになっちゃうような『ヒロイン』は、放課後の教室に入るとき、クラスを間違えたりしないだろうから。したとしても、もっと可愛く振舞うに決まってるもん。


 そんなんじゃ、あのロマンチックでもなんでもない、バカみたいな出会いは生まれなかった。ーー私達は、友達になれてなかった。


 だから私は、普通で良かった。

 私は、私のままで良かった。



これからもころころ視点が変わっていきますが、本文内で見分けがつくような書き方を目指しています。

一応、前書きで誰視点なのかは書かせていただくつもりですが、本文だけでは誰の視点かわかりにくい、などがあればご指摘していただければありがたいです。

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