表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

判決

作者: 雪月 蒼風

勢いだけで書きました。

痴漢についてコメディー系に書いているものなので不愉快なかたはご遠慮下さい。

コメント・ツッコミなどソフトに頂けると参考にさせて頂きます。よろしくお願い致します。

 本気で捕まえる気になれば万引きとならんで多い犯罪は痴漢ではなかろうか?



  2XXX年,減らない痴漢に対してとうとう恐ろしい(素晴らしい?)法令がだされた。

  よく国会が法案をとうしたな。

と思うがそれだけ女…じゃない 女性が怖いと言うことなのだろう。

 (なんかいったか?怒 あっ…いえなんでもありません。汗)

  いや。被害者が多く、大勢の女性が泣かされてきたのだろう。 *   *   *   *


 さて,今日も出勤時間だ。

この時間の電車の混みぐあいが丁度いい。

高校生からOLまで幅広いしバーサンは少ない。

込んでるから誰かなんて正確にはわかんないとくれば、みんなイヤがる満員電車は俺的にはヘブン。いやパラダイスだ。


  そんな事を思いつつ今日の獲物を探す。


  おっ。あのバストラインはなかなかだ。

顔は‥。

  ダメだギャル系だ。

  奴等はヤバイ。

この前うっかり手が当たってしまったサラリーマンが散々騒がれ責められ挙げ句の果てにサツにつきだされてた。


  くわばら・くわばら

触らぬ神に祟りなし。


  あ‥あの美脚は‥。

いかん・いかん・彼女はたしか有段者だ。触った日には殺人的な蹴りをくらいかねん。


  その斜め前は‥

なんだよ。ばぁさんか。


   今日は収穫無しか?

   いや。

いた!

  ブレザーじゃなくセーラーなとこがまたいい。

顔もちょっと地味めでこれまたいい。あんまりブスだと気が乗らないし,美人はなぁ‥プライドが高すぎて俺には向かんな。


そうすると地味系は一番いい。いざとなったら一言

 「お前みたいなの触るわけないだろ」

 と怒鳴らればいい。

 さりげなく彼女の後について電車に乗り込む。満員電車ですし詰めとはいえ狙い通り真後ろだ。わざと触るまでもなく手の甲に丸みを帯びたプリーツの感触が‥。そっと手のひらに変える。電車の揺れに合わせてその丸みを撫でる。



 その時腕をつかまれた。


しかも触っていた相手ではなく他のギャル系の小娘だ。

  「なに触ってんだよ。このチカン野郎」


 一瞬冷や汗が出るも、素早く言い返した

 「なにを言ってるのだね。私は何もしてない。君の勘違いだろう。」

 堂々というのがポイントだ。


ところが相手も退かない。

「ふざけんな。いまコイツのに触っただろ。みてたんだぁよ。」

(この小娘。いちいち言葉の間に“ぁ”が付きそうな喋りかたしやがって。)

周りの女どももすごい目付きで睨んでくる。触った女の子も一緒だ。


俺は言った。

「あのねぇ君。触られる程自信あるの?」

これで彼女は泣きだして

“はい。お仕舞い。”


となるハズだった。



しかし‥‥。


「なぁ。コイツさぁアンタを触ったんだらぁ。」

とギャル系に聞かれ

うなずいた。

(な‥っ。なにー!うなずきやがった)


俺の内心の叫びを無視してギャルがすごむ。


「テメェ。覚悟できてんだろうなぁ。」


なんのかくごだ?

いかん。覚悟すら漢字変換できなかった


その時電車がホームに着いた。とたんに引きずり降ろされる。

ギャルもOL系もおとなしいそうな娘もなぜか女ばかりぞろぞろ降りた。


???


突然腹を蹴られ地面に転がる。倒れたところにローファー・ヒール・サンダル・スニーカーなどが襲いかかる。


なんなんだー!


まて。リンチはこの日本では犯罪だ。


考えてる間にも問答無用。とばかりな靴。

よれよれになった俺は次は襟元を掴まれ、やっと靴の嵐から視点が変わった。


思わず叫ぶ

「お巡りさん!助けてくれ!」


警察官がかけよるとOLが言った。

「チカンです。」

警察官が訊く。

「被害者は?」

手が小さく挙がる。

「誰か見た人いる?」

ギャルが勢いよく手を挙げ、OLの手も挙がった。


警察に連れていかれるのか?しょうがない示談で金払うか?


などと考えてた俺にびっくりするようなことを警官がいった。


なんと女どもに

「まあ。死んだり、重度後遺症が残らない程度にね。」



‥‥‥ はぁ!?


「ちょっと待った。リンチは犯罪だろう。止めろよ。」


すこーしだけ気の毒そうな顔で返した答えは

「ご存知無かったですか?法令が変わりまして、痴漢は私刑。つまりリンチしてもOKなったんですよ。まぁ死なない様にがんばって下さい。」


去っていく警官の後ろ姿をぼーぜんと見送る俺の頬に重めのパンチがはいった。




    - Fin -


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 読ませて頂きました。コメディなのに笑いどころがなかったのが非常に残念です。
[一言] とても楽しく読ませていただきました(^ ^) 括弧内の文章とかも面白かったです♪ こんな感じの法案があるといいなぁと思いつつ、実際あったら大変ですね。 冤罪とかもありそうですし(^ ^;)…
[一言] なかなか見応えがあって楽しかったです。 主人公(?)が救えない性格だったので結末にも納得しました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ