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自称現実主義者の異世界トリップ(旧2)  作者: GUOREN


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16/22

16.

適当に未来予想していると、いつの間にか前の2人がこちらをじっと見ていた。

え?何?

なんでこっち見てるの?

「大丈夫ですか?」

「ッ!!」

アークオーエンさん、その表情はワザとですか?

心配げにこっちを覗き込まないでくださいィィ。

最初に会った時のあの怜悧な表情はどうした。

どこに置いてきたんですか???

戻れ、戻ってくれ、戻ってきてください、お願いします。

はぁ、美形は存在するだけで人を殺せるわ。

事実、この数秒で私は不整脈になった。

帰ったら、CTと胃カメラと心電図受けないと。

ポーカーフェイスを装いましたが、心の中はこんな状態。

「急に黙り込んでしまわれたので、心配しました」

「自分の置かれている状況を把握するのに精一杯で……すみません」

何しろ地球に帰る時は、相当の覚悟が必要だという事が判ってしまったのだから。

頭の中はパニックだ。

「話を続けましょう」

流れを止めてしまった私が、こんな事を言うのもアレだけど。

取り敢えず、今後の待遇なぞ聞いてみようか。

「私の話ばかりで大変恐縮なのですが、今後自分はどういった待遇におかれますか?」

「そうですね、タダさ……いえ、ルイとお呼びしても?」

「え?はぁまぁ、お好きなようにお呼びいただいて構いませんよ?」

発音しにくいのかな?

「ではルイ、貴方の今後の事ですが……」

アークオーエンさんが話し始めてから、宗谷英規の顔がだんだん不機嫌になって行く。

所謂平謝り事件の時のような顔だ。

理由が判らないだけに、気持ちが落ち着かない。

やっぱ苦手だわ、この人昔から。

で、一方どんどん話続けていくアークオーエンさん。

要約するとこうなる。

宗谷英規は、宗谷奏楽の血縁であるため、国王預かりとなりここに滞在。

宗谷英規は、奏楽に与えられた身分をそのまま引き継ぐ事が決定されている。

私の身分は、容疑が晴れたばかりの為未確定。

暫く、この王宮で客人扱いを受けることになる。

何かの催しがあった場合は、出席してもらう事があるかもしれない。

異世界という概念がこの国に存在しないため、口外無用にと念押しされてしまった。

知っているのは、ある程度の地位のある者だけなので注意する事。

といった事だった。

私はこの国の知識(常識)をまず手に入れなくてはならないので、この待遇は少しというかかなり助かる。

ある程度知識が溜まったら、王宮を出て一人で暮らすのもいいのかもしれない。

宗谷英規?

一緒に行動をとる理由がないので、放置。

逆に、行動を共にしない理由ならいくつかあるけど。

一緒に行動すると地球に戻される可能性大で、地球に戻ったら死に至るかもしれないとか。

この人自身が苦手だとか……

当面の目標は、この国の知識を吸収し、1人でも生活できる環境に自分を持っていく事。

何しろ、王宮では私は何もできない、ただ飯食らいのお荷物だ。

切り捨てられるのも早かろう。

そうなる前に、何とかすべきだ。

では何ができるのか?

知識の吸収と職探し。

この2点に尽きるだろう。

まぁ、探せばもっと色々出てくると思うが。

「解りました。アークオーエン様、説明ありがとうございます」

当面の方向性が決まった事で、安堵の溜息をつく。

「……。いえ、お役にたてて何よりです」

ちょっと、アークオーエンさんの雰囲気がしょんぼりしているのは気のせいか?

逆に宗谷英規の表情が、元に戻っている。

「では、そろそろ私はこれで」

そう言って、アークオーエンさんが立ちあがる。

なので、私も立ち上がった。

「あの、一つルイにお願いがあります」

凄ーく色っぽい顔でこちらを見るものだから、一歩半ほど後ず去る。

正確には横にだけど。

「な、なんでしょう?」

声が変になっていなかった事を祈る。


「私をファインと呼んではくださらないでしょうか?」

気付いた時には私の目の前に立ち、覗き込むようにこちらを見ていた。






ひぃっ

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