自分の居場所 其の三
週二回投稿をします、八時半頃で、火、木投稿
ピンポーン……呼び鈴の音で目が覚めた
「今は………七時か早いな、こんにちは御歌会 堅持さん、荷物の準備はできましたか?」
◆
「んっ……はぁ、朝の七時半か……時間はまだあるな……準備するか」
押入れから服を引っぱり出しカバンへと詰める。これとこれも必要だよな、あとこれも
気付けば空だったカバンがパンパンに膨れ上がっていた
「光輝準備出来た?」
「うん出来たよ」
「それで行くの?!ちょっと!なんかミシミシ言ってない?!」
……………
「フー…こんなもんかな」
「母さん……今まで本当にありがとう、俺行くね」
「何しけた事言ってんの?いつでも連絡出来るんだからさ………うっうっ…光輝あなたもいなくならないでね…」
「うん、絶対に死なないから……行ってきます」
俺はドアノブに手を掛ける、その手は少し震えていた
「お待ちしておりました光俊光輝様、それではお座り下さい」
筋骨隆々とした男性は俺の母さんに少し会釈してから助手席へと案内してくれた
席に座ると共にすぐに車は発進した、バックミラー越しに母さんを見てみると、少し手を振っていたその姿を見ていると少し目が熱くなった
「バトラーさんから聞いておられるかも知れませんがこれから第一支部へと向かいます、既にあなたの知り合いもおりますのでご安心を」
「あっ……はい」
「いや〜、第一支部も一気に増えたものですね、昨年まで……いや、止めておきましょう」
「自己紹介が遅れましたね私の名前は小川晋也です好きな物はサラミソーセージです」
サラミソーセージ……以外だな、もっと…こうプロテインとかかと思ったけどサラミソーセージね
「あの、しんやさん第一支部ってなんですか?」
「えっ!知らなかったんですか?まず第一支部、第六支部まであるんですけど、それぞれの支部がおかれている場所はエイリアンの発生が多いんです。」
「なるほどつまり、それに対応する為にあるんですね」
「はい、そうです」
窓の外に映る景色が都会の景色から森の中の景色へと変わった、道は舗装されてはいるが所々ヒビ割れしているのが分かる
「山の方にあるんですね」
「はい……元々第一支部は都会に位置していたのですが、この山の麓に移動したんです」
「なんで移動したんですか?」
「いろいろと過去に問題が起こったんですよ」
はぐらかされた所で建物が見えてきた、かなり真新しいビルが建っていた
「結構違和感ありますね」
「そうですか?………まぁ言われてみれば、山の頂上に一つのビル」
「着きましたよここが第一支部です」
「でっけぇ」
車で見ていたよりも倍以上の高さだな〜結構人がいるんじゃないか?でも始めしんやさんは人が少ない的な事を言ってだけど
「光輝〜!」
「堅持!昨日ぶりだな、大丈夫だったの?」
「この通りピンピンしています」
堅持はそういってその場でお腹を見せてきた
「アハハ元気そうで良かったよ、堅持もここを選んだんだね」
「選ぶ?……?」
「あれ堅持様三十分前には既についていましたよね?まだ中に入られてないんですか?」
「あぁなるほど…怖いんですね」
「そんな事ねぇよ、こここ怖いだなんて思ってねぇよ!」
声が震えてるよ堅持、しかし……なんだろうか建物の方から視線をずっと感じてるんだよな
「堅持早く中に入ろうぜ」
「光輝様!堅持様!ここが貴方達にとっての居場所になる事を祈っています」
「それでは私はこれで」
しんやさんは車に乗って走り去って行った
「んじゃ中に入るか堅持」
「怖くねぇのか光輝?俺はなんだか家を思い出すんだよな」
堅持は俺の服の裾を握り締めた手をより強く握り締めてきた。丁度建物のドアノブに手を掛けた時ドアが開く