地下の光景
「これは酷いな……まるで何か獣が暴れたかのようだな」
廃病院の地下に降りた光輝は地下の悲惨な光景に思わず驚嘆の声を出した。地面には血が付着し壁には何か獣の蹄で切りつけられた跡が残っていた
「これが病院の地下ね。昨日行った教会よりも血の匂いがきついな…埃もかなりあるな、あの声の主を探さないと」
光輝は廊下を歩き始める。廊下に落ちている切り裂かれた白衣を避けながら歩き進める。
「誰かーーいますかー?」廊下に光輝の声が響く
声が帰って来ない。やはりあの声は幻聴だったのか?嫌…しっかり聞こえた青さんと氷水さんも聞いたと言っていた。
頭で聞こえて来た声について考えながら廊下を歩く
ガシャン!何かが落ちる音が何処からか聞こえて来る
「…い今の音は何処から聞こえた?」光輝は慌てて近くの扉を探す
「多分この扉の奥から今の音がきこえたよな…よし開けるか」
光輝はドアノブに手をかける。手から手汗がドアノブとの間に滲む。そして扉が開く
「……何も無い…な。しかしさっき此処から物音が聞こえけど」
光輝は部屋の中に特に変わった異変が無いことに違和感を感じる。此処にも先程の診察室同様に紙が大量に落ちていた。しかし先程の様に一箇所に固まった落ち方ではなくバラバラに部屋に散らばっている形だった
「……此処にもさっきの資料か?」
乱雑に散らばった紙を拾いながら、地面に口を向けて置かれたバケツに光輝は目をやる
このバケツこんな綺麗に口が下になるか?少しの疑問を抱きバケツに手を置く。
「……………?」
バケツの中から微かに鼻を啜る音が聞こえる。それに気付いた光輝はバケツを勢い良くその場から持ち上げる
中にいたそれは天使の様な翼を持ち小さな体をしていた。『 それ 』は光輝へと目を向けた
「……貴方は主様?」




